世の中を変えた平成の名国産車10選<後編:21世紀>

世の中を変えた平成の名国産車10選<後編:21世紀>

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2019年4月30日、平成という時代が終わり、5月1日から令和の時代が始まります
平成の30年間の歴史を振り返ると、人々のクルマ選びの価値観を大きく変え、他の自動車メーカーのクルマづくりの方針さえも変えるようなモデルが登場しました。

前回の前編(20世紀編)に続き、今回は21世紀に登場した、平成史に残る国産名車を取り上げます。

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※掲載車種の発売年月は一部を除き初代モデルのものになります
▼平成13年(2001年)
6月 ホンダ フィット

10月 トヨタ ノア/ヴォクシー

 
■ホンダ フィット …ミニバン並の広さを味わえるベーシックコンパクト

ベーシックなハッチバックは軽自動車とともにエントリーモデルとして長く支持されてきました。1999年に登場したトヨタヴィッツは独自のパッケージで後部座席にも大人がゆったり乗れるほどの室内空間を実現。コンパクトカーの概念を変えるモデルとなりました。

そして2001年に初代フィットが登場。ガソリンタンクをフロントシートの下に配置し室内空間を広げるグローバルスモールプラットフォームを採用したフィットは、それまでのファミリーカー=ミニバンという価値感を根底から覆し、「わざわざ大きなミニバンに乗らなくてもこれで十分!」と考える人が多数現れました。

とくに後部座席を格納したときの荷室の広さは目を見張るものがあり、ホームセンターなどで家具や家電を買ってそのまま持ち帰るなんていうこともできるほどでした。

 
▼平成14年(2002年)
5月 トヨタ アルファード

5月 マツダ アテンザ

6月 ダイハツ コペン

11月 日産 ムラーノ(日本発売は2004年9月から)

 
▼平成15年(2003年)
1月 トヨタ ウィッシュ

2月 日産 ティアナ

5月 マツダ RX-8

9月 トヨタ プリウス(2代目)

10月 マツダ アクセラ

11月 ダイハツ タント

 
■トヨタ プリウス …ハイブリッドをお茶の間に浸透させた2代目

日本を代表するコピーライターの一人だった岩崎俊一氏による「21世紀に間に合いました。」というコピーで1997年に登場した初代プリウス。世界初となる量産ハイブリッドカーということで注目されましたが、特に前期型は山道などを走っているとすぐに発電が追いつかなくなり亀マークが出るなど、実用性はやや欠ける部分がありました。

2003年に登場した2代目プリウスはセダン型からトライアングルシルエットと呼ばれるワンモーションの5ドアハッチバックに変貌。モーター出力を高め、走行中にエンジンをストップさせるEVモードを搭載するほどハイブリッドとしての性能が進化。

また、従来のコラムシフトからジョイスティックのようなレバーでシフト操作するエレクトロシフトマチックなど未来的な装備を採用したことで、爆発的にヒット。広くハイブリッドカーが普及しました。

 
▼平成16年(2004年)
5月 ホンダ エリシオン

9月 日産 ティーダ

10月 日産 フーガ

11月 トヨタ マークX

 
▼平成17年(2005年)
1月 日産 ノート

10月 三菱 アウトランダー

 
▼平成19年(2007年)
1月 三菱 デリカD:5

12月 日産 GT-R
12月 ダイハツ タント

 
■ダイハツ タント …圧倒的な室内空間の広さで軽自動車の新たな定番に

バブル崩壊以降は、“失われた10年” “失われた20年”と言われるほど、庶民は景気回復を実感できない状況が続きました。ITバブルなど好景気を感じさせるワードも生まれましたが、それは広く日本中を盛り上げるようなものではありませんでしたね。

追い打ちをかけるように2005年ごろからガソリン価格が高騰。2008年8月にはレギュラーガソリンの全国平均価格が186.17円にまで上がりました。それに伴いクルマ選びもミニバンからハッチバック、そして軽自動車が主流に。

ただ、昔に比べて軽自動車は広くなったとはいえ、大きなクルマに乗っていた人にとっては物足りなさを感じるもの。そんな人たちを満足させる軽自動車となったのがスーパーハイトワゴンと言われる、全高をとことん高くした軽自動車です。

そのカテゴリを切り開いたのが2003年に登場したダイハツタント。ただ、初代はまだミニバンユーザーまでを満足させるほどではありませんでした。そんなタントは2007年12月に2代目へとスイッチ。これが爆発的なヒットモデルとなります。理由は助手席側にスライドドアを採用したこと。しかもBピラーをスライドドアに内蔵することでドアを開けたときの開口部が驚くほど広い“ミラクルオープンドア”になっていることがミソでした。

タントはワゴンRなどのトールワゴンから主役の座を奪うことに。そしてホンダ2011年に登場したN-BOXとともに現在の軽自動車人気を牽引する存在となります。

 
▼平成20年(2008年)
11月 トヨタ iQ

 
▼平成21年(2009年)
7月 三菱 i-MiEV(個人向け発売は2010年4月から)

 
▼平成22年(2010年)
2月 ホンダ CR-Z

6月 日産 ジューク

12月 日産 リーフ

 
■日産 リーフ …世界で最も売れているピュアEV

2000年代から始まったガソリン価格の高騰。そして2008年9月に起こったリーマンショック。その景気対策として政府は2009年4月からエコカー減税をスタートします。これにより人々の燃費に対する意識は一層高まりました。

しかしクルマの低燃費化は、枯渇する可能性のあるガソリンの使用を抑制すると同時に、CO2排出を減らすことが本来の目的です。そこで注目されたのが“電気”です。

トヨタはまずハイブリッドカーのプリウスを投入。その後もハイブリッドモデルのラインナップを拡充させていきます。三菱自動車は2009年に電気自動車のi-MiEVの量産化をスタートしました。そして日産は2010年12月に日本とアメリカで100%電気自動車であるリーフを発売。

デビュー時のリーフはJC08モードで航続距離が200km。実走行距離は100km台だったので、遠出をするためには頻繁に充電する必要がありました。それが2012年のマイナーチェンジで228km、2015年のマイナーチェンジで280kmまで伸び、実用性を高めていきます。また、エンジンのないリーフは暖房に電力を使うため初期型は冬場になると走行距離がかなり短くなるという弱点もありました。それもマイナーチェンジで改善されます。

リーフは2017年9月に2代目へとモデルチェンジ。バッテリーが40kWhになり走行距離も400km(JC08モード)に。さらに2019年1月には62kWhバッテリーを搭載したリーフe+が登場。実用性をどんどん高めています。

 
▼平成23年(2011年)
11月 トヨタ アクア

12月 ホンダ N-BOX

 
■ホンダN-BOX …軽自動車の乗り心地を格段に進化させた立役者

かつて軽自動車は値段が安い分、乗り心地にもどこか安っぽさがあり、高速で走ったり、荒れた路面を走るとかなりボディがガタつきました。しかし現在では多くの軽自動車が登録車と比べてもそん色ない乗り心地を実現し、高速道路でも安心して走れるようになっています。そんな軽自動車の乗り心地を大きく変えるきっかけとなったのが、2011年12月に登場したN-BOXでしょう。

N-BOXはF1用エンジンの開発に携わり、現在のホンダF1パワーユニット開発の陣頭指揮を執る浅木泰昭氏が開発責任者に。そして第2期ホンダF1のエンジニアも開発に参加したといいます。浅木氏はシャシーとエンジンをセットで考えることで、これまでにない画期的な軽自動車を世に送り出しました。

N-BOXがヒットした理由は、軽自動車だから買うのではなく、登録車を含めて比較し、乗りたいクルマを買ったらそれがたまたま軽自動車だったという、これまで軽自動車を選ばなかった人たちをも取り込んだことにあると思います。軽自動車であることを感じさせない質感の高さは、その後の軽自動車のあり方を大きく変えました。

 
▼平成24年(2012年)
2月 マツダ CX-5
2月 スバル BRZ

4月 トヨタ 86

 
▼平成25年(2013年)
12月 ホンダ ヴェゼル

 
▼平成26年(2014年)
1月 スズキ ハスラー

4月 スバル レヴォーグ

12月 トヨタ MIRAI

 
▼平成27年(2015年)
2月 マツダ CX-3

 
■令和でも我々を驚かす画期的なクルマが登場することに期待!
平成の時代は自動車のあり方が大きく変わりました。ハイブリッドカーや電気自動車、燃料電池車などが登場し、将来の自動運転につながるような新技術も登場。自動車登場以来の変革期と評する人もいます。

令和の時代ではそんな技術がさらに進化し、我々がSFの世界で見ていたようなクルマ社会が実現するかもしれません。

でも多くの自動車メーカーは口をそろえてこう言います。どれだけ技術が進化しても、車の走る楽しさは失われないと。これからも我々を驚かし、楽しませてくれるようなクルマが多数登場することに期待したいですね。

 

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(文/高橋 満<ブリッジマン>)