コレは売れそう!3年ぶりに日本復活の「RAV4」は宿敵に対するトヨタからの挑戦状

コレは売れそう!3年ぶりに日本復活の「RAV4」は宿敵に対するトヨタからの挑戦状

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トヨタ自動車が3年ぶりに日本市場へ展開する新型SUV「RAV4」を見た瞬間、「コレは売れそう!」と直感しました。

中でも魅力的に思えたのは、初代RAV4にも通じるカジュアルな雰囲気と、往年のSUVで感じられた泥臭さ、タフさといったものを上手にミックスした、インパクトあるエクステリア。特に、鮮やかなブルーをまとった新型RAV4は、かつての“RAV4旋風”を経験した人だけでなく、洗練された最近のSUVを見慣れた人の目に、とても魅力的に映ることでしょう。

■クロスオーバーSUVのジャンルを確立した立役者が復活

今回、3年のブランクを経て日本市場に復活した新型RAV4。RAV4といえばやはり、初代の姿を思い出す人も多いのではないでしょうか?

初代RAV4が誕生したのは1994年。当時、人気絶頂の“キムタク”こと木村拓哉さんをイメージキャラクターに起用したプロモーションが話題を呼び、若い人々を中心に人気を集めました。

時はスキーブームの全盛期。スキー場の駐車場では、トヨタ「ハイラックスサーフ」や日産自動車の「テラノ」、スバル「レガシィツーリングワゴン」らと並んで、コンパクトでキュートなRAV4の姿をよく目にしたものです。

とはいえ当時は、まだSUVの黎明期。トヨタ「ランドクルーザー」やスズキ「ジムニー」のように、ラダーフレーム構造のシャーシを備えた“クロカン”と呼ばれるヨンクが主流で、SUVと呼ばれていたモデルも、ハイラックスサーフのように、ラダーフレームの上にキャビンを載せたピックアップトラックをベースとしていました。そのため、乗り心地などの走行性能面で、洗練されていないモデルが多かったのです。

そんな中登場したのが、初代RAV4でした。乗用車向けに作られたシャーシをベースに車高をアップさせた“クロスオーバーSUV”は、当時、世界的に見ても珍しいものでした。また、悪路走破力よりもレジャーシーンや都市部での普段使いを追求した走りは、スキーやアウトドアレジャーを趣味とする人だけでなく、一般の人々からも高い支持を獲得。そして後に、ホンダ「CR-V」を始めとする多くのフォロワーを生み出します。

そうした“RAV4旋風”は、日本だけでなく世界中で吹き荒れます。この25年間で、RAV4は実に800万台以上のグローバルセールスを記録。中でも北米市場での人気はケタ外れで、2017年と2018年には米国ナンバーワンのSUVという輝かしい称号を得ています。

しかし、大ヒットモデルに成長した結果、2代目以降のRAV4は北米市場でのニーズを重視し、ボディサイズを拡大。また、日本市場ではミニバンブームの高まりもあって人気が徐々に低迷していきます。そして3代目を最後に、RAV4は日本市場から一時撤退を余儀なくされてしまうのです。
■オフロードイメージを強めた新グレード「アドベンチャー」

そんな一度は苦汁をなめたRAV4が、今回、3年ぶりに日本市場に復活しました。空前のSUVブームや、3ナンバーサイズのクルマが多く販売されるようになった市況動向の変化が、今回の復活を後押ししたことは間違いありません。

初代RAV4は、まさに“名は体を表す”クルマでした。車名は“Recreational Active Vehicle 4 wheel drive〜ONでもOFFでも、今まで出来なかったことに挑戦し、どこにでも行けそうな予感をもたらすクルマ〜”という開発コンセプト(の英文の頭文字)からとられたもので、実際、多くのオーナーたちが、SUVに乗るワクワク感、ドキドキ感を共有していました。

新型は、そうしたSUVに乗ることの“ワクドキ感”を改めて追求。ネーミングの由来になっている開発コンセプトを“Robust Accurate Vehicle With 4 Wheel Drive〜SUVらしい力強さと使用性へのきめ細かな配慮を兼ね備えた4WD〜”と変更し、オーナーたちが、新たなことにチャレンジするアクティブな気持ちを呼び覚ますクルマを目指しています。

その一端が、SUVらしさを強烈に感じさせる力強いルックス。開発コンセプトにあるRobustとは、たくましさや頼もしさを意味する言葉ですが、新型RAV4のエクステリアには、それが巧みに反映されています。造形テーマは、ふたつの八角形(オクタゴン)を90度ズラしてはめ込んだ“クロスオクタゴン”と呼ばれるもので、タフさと安定感のある個性的なデザインを表現。

中でも、オフロードイメージを強めたグレード「アドベンチャー」には、押し出しの強い専用のフロントグリルとフロントスキッドプレート、リフトアップしたかのような印象を強める専用のフロントバンパーとフロントフォグランプベゼルを装備するほか、19インチの大径タイヤ&ホイール、大型化されたホイールアーチモールなどの採用で、SUVらしい力強い印象をさらに強めています。

またアドベンチャーには、初代を想起させる鮮やかな青の“シアンメタリック”や、今やファッション界でも定番色となったカーキ系の専用ボディカラーを用意するなど、色の面でもアクティブなイメージを強調しています。

一方、アドベンチャー以外の“ノーマル系”グレードは、“Adventure&Refined”というデザインコンセプトのうちの後者、Refined部を重視したデザインを採用。

都市部にもマッチする洗練されたルックスに仕上げています。
■SUVらしく使い勝手のいいラゲッジスペース

アクティブな“使えるSUV”としてのニーズが高まりそうな新型RAV4ですが、そうなるとチェックしておきたいのが、ラゲッジスペースやキャビンの使い勝手や居住性。

RAV4のラゲッジスペースは、リアシートに乗員が座った状態でも奥行き1015mm、最大580Lという、ミディアムSUVクラスでトップレベルの容量を確保。もちろん、6:4分割可倒式のリアシートを倒せば、荷物の形や大きさに合わせてスペースを自由にアレンジできます。

中でも注目は、荷室フロアの高さを調節できる“2段デッキボード”。上段にセットすれば、ほぼフラットな荷室フロアが出現し、車中泊などで重宝する一方、下段にセットすれば荷室高が55mmアップするので、横倒ししづらい背の高い荷物も積載できるほか、あえて段差を設けることで、リアゲートを開けた際にこぼれ出るような荷物も安心して積み込めます。ちなみに、2段デッキボードの裏面を樹脂製とし、上下を入れ替えることで雪や泥で汚れたアイテムも気兼ねなく積み込めるようにするなど、細かな工夫も見て取れます。

一方、キャビンで注目したいのは、まずは良好な視界。水平基調とし、高さを抑えたインパネ形状や、室内から視界に入らないよう設計したワイパーなどで、スッキリとした前方視界を確保。また、ドアミラーの位置や三角窓の配置により、斜め前方の視界も良化させています。さらに、リアクオーターガラスの拡大や、リアドア後部のピラー断面を小さくすることで、斜め後方の視界も追求。こうした良好な視界は、雪道など悪天候時のドライブや、街乗りの際などにドライバーの負担を軽減してくれるので、安全で快適なドライブにつながります。

インパネ中央上部の特等席には、カーナビゲーションやオーディオ類をビルトインするためのスペースを設け、視認性を高めるとともに、その下にエアコンなどの操作パネルを集約し、シンプルな見た目と良好な操作性を両立しています。

また、すべてのシートに快適な素材や座面形状を採り入れるなど、ロングドライブでも疲れにくいよう配慮。さらにリアシートは、先代モデルよりも延長されたホイールベースや、フロントシート下に足先を入れられるといった工夫などにより、十分な足下スペースを確保しています。

ちなみに、オフロードイメージを強めたグレードのアドベンチャーには、スポーツタイプのシート形状と、オレンジのステッチが入ったシート生地を標準装備。さらに、インパネなどのアクセントカラーにも、同じくオレンジが採用されます。また、アドベンチャーのシート生地は、標準設定のブラックに加え、オーキットブラウンという明るいインテリアカラーも選択可能です。

■悪路に強く舗装路でも威力を発揮する新4WDメカ

新型RAV4は、最新モデルだけに各種安全装備も充実しています。歩行者(昼夜間)や自転車(昼間のみ)の検知機能を備えた“プリクラッシュセーフティ”や、同一車線内の中央を走行できるようハンドル操作を支援する“レーントレーシングアシスト”、ハイビームとロービームを自動で切り換える“オートマチックハイビーム”などをセットにした最新の予防安全パッケージ“トヨタセーフティセンス”を全グレードに標準装備。また、後方から接近する車を検知して衝突被害の軽減に寄与する“リヤクロストラフィックオートブレーキ”を始め、駐車場などでの安全をサポートする“パーキングサポートブレーキ”も導入されています。

そして、新型RAV4を語る上で欠かせないのが、トヨタが取り組むクルマづくりの構造改革“TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)”に基づき開発された、新しいプラットフォームとパワーユニット、そしてドライブトレーンです。

まずプラットフォームは、TNGAの採用でボディの高剛性化と低重心化を実現。その上で“Confident&Natural”をコンセプトに、ドライバーの感性を重視した走りと、良好な乗り心地を両立させています。具体的には、路面の凹凸や横風などの外乱に対する安定感や安心感(=Confident)を高めるとともに、ドライバーの意のままに操れる自然で正確なハンドリング(=Natural)を実現させています。

パワーユニットは、TNGAの思想に基づいて開発された2リッターの直噴ガソリンエンジンと、2.5リッターのハイブリッドを用意。

前者は“2.0Lダイナミックフォースエンジン”と呼ばれ、最高出力171馬力/6600回転、最大トルク21.1kgf-m/4800回転を発生。同じくTNGA思想を採り入れた、発進用の1速ギヤを備える“ダイレクトシフトCVT”と組み合わせることで、力強くダイレクトな走りと、優れた燃費を両立しています。

駆動方式は、エントリーグレードの「X」に前輪駆動が用意される以外は4WDのみの設定ですが、特筆すべきは、2種類の4WDシステムが用意されること。ひとつは“ダイナミックトルクコントロール4WD”と呼ばれる一般的なシステムで、必要に応じて、電子制御によってリアタイヤへ最大50%の駆動トルクを配分します。

そしてもうひとつは、新型RAV4の注目メカである“ダイナミックトルクベクタリング4WD”。トルクベクタリングとは、左右の駆動輪に掛かるトルクをコントロールするシステムで、アンダーステアやオーバーステアを抑えつつ、理想のコーナリングを実現する仕組み。ダイナミックトルクベクタリング4WD ではこれを、後輪の左右駆動力配分に導入することで、SUVらしい悪路走破性と、舗装路のコーナリングにおける軽快なフットワークを両立させています。

一方、ハイブリッドのパワーユニットは、“2.5Lダイナミックフォースエンジン”にモーターを組み合わせたもの。エンジンの最高出力は178馬力/5700回転、同最大トルクは22.5kgf-m/3600〜5200回転で、モーターの最高出力は54馬力、同最大トルクは20.6kgf-mとなっています。

ハイブリッドの駆動方式は、エントリーグレードの「ハイブリッドX」には前輪駆動と4WDが用意されますが、上級グレードの「ハイブリッドG」は4WDのみの設定となります。ハイブリッドの4WDシステムは、前輪をエンジン+モーター、後輪をモーターのみで駆動する“E-Four”と呼ばれる機構で、新型RAV4では強化されたリアモーターにより後輪に配分する最大トルクを増加させるとともに、前後トルク配分を100:0〜最大20:80まで変更できる新制御を導入。その結果、操縦安定性が高まったほか、降雪時や雨天時における、坂道発進時の安心感も向上しています。

デザインだけでなく、メカニズムにおいても、SUVらしさを徹底追求してきた新型RAV4。そのボディサイズは、全長4600mm×全幅1855mm(アドベンチャーはそれぞれ、4610mm×1865mm)と、マツダ「CX-5」(全長4545mm×全幅1840mm)やスバル「フォレスター」(全長4625mm×全幅1815mm)とほぼオーバーラップする大きさです。今、日本で最も盛況なマーケットに復活ののろしを上げた新型RAV4は、国内外の多くのフォロワーに対するトヨタからの挑戦状ともいえるでしょう。

※話題の新型RAV4がどんな走りを見せるのか? オンロード、オフロード、雪道での試乗レポートは近日公開。

<SPECIFICATIONS>
☆アドベンチャー(ブルー)
ボディサイズ:L4610×W1865×H1690mm
車重:1630kg
駆動方式:4WD
エンジン:1986cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:CVT(ギヤ機構付自動無段変速機)
最高出力:171馬力/6600回転
最大トルク:21.1kgf-m/4800回転
価格:313万7400円

<SPECIFICATIONS>
☆ハイブリッドG(グレー)
ボディサイズ:L4600×W1855×H1685mm
車重:1690kg
駆動方式:4WD
エンジン:2487cc 直列4気筒 DOHC+モーター
トランスミッション:電気式無段変速機
エンジン最高出力:178馬力/5700回転
エンジン最大トルク:22.5kgf-m/3600〜5200回転
モーター最高出力:120馬力
モーター最大トルク:20.6kgf-m
価格:381万7800円

(文/&GP編集部 写真/ダン・アオキ)

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