RAV4はワイルド過ぎって人に!宿敵ホンダ「CR-V」を選ぶならハイブリッドがベター

RAV4はワイルド過ぎって人に!宿敵ホンダ「CR-V」を選ぶならハイブリッドがベター

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3年ぶりの日本復活が話題を呼んでいるトヨタ「RAV4」。いわずと知れた、乗用車と同じモノコックボディをベースとする“クロスオーバーSUV”の先駆者だが、1994年にデビューした初代RAV4の後を追うようにし、翌’95年に誕生したのが、ホンダの初代「CR-V」である。

もともと2台は日本専用モデルだったが、北米マーケットの要望で左ハンドル仕様を開発。世界各国へ輸出されるようになった。中でも、CR-Vの北米でのヒットに味をしめたホンダは、2代目以降、海外市場に目を向けた商品戦略に注力。これがまた大ヒットとなり、3、4代目と進化していくごとに、CR-Vはホンダの基幹車種へと成長を遂げていく。

だが一方で、メインマーケットだったはずの日本市場は“オマケ”扱いとなったのも事実。その結果CR-Vは、RAV4と同様、2016年にひっそりと日本から姿を消した。

■人気のSUVラインナップを強化すべく日本に再上陸

CR-Vが日本市場から姿を消した最大の要因、それは、海外マーケット優先のクルマ作りに日本のユーザーニーズが合致しなくなったため。でもその辺りは、ホンダも重々理解していたようで、2013年、ひとクラス下のコンパクトSUV「ヴェゼル」を発表。すでにデビューから6年が経過しているが、今もヒットモデルとして好調な販売を続けている。

そうした合理化を進める中で、かつてCR-Vに乗っていたユーザーは他メーカーのクルマに流れてしまった、と見られていた。確かに、CR-Vを始めとする最近のモデルは、フルモデルチェンジのたびにサイズアップし、それを敬遠するユーザーも多い。だが一方で、日本にも大きなサイズのクルマを求めるユーザーが一定層いることを、忘れてはならない。要するに、細かなユーザーニーズに合わせ、バリエーションを充実させることも自動車メーカーには重要なことなのだ。

奇しくも現在の日本市場は、クロスオーバーSUVブームの真っただ中。ホンダの営業サイドも、SUVラインナップの強化を望んでいたと思われる。そして、そうした要望に応えるべく、ホンダは2018年に“CR-Vの日本再上陸”を決断したのである。
■ガソリン車にはCR-V初の3列シート仕様も設定

5代目となる新型CR-Vのエクステリアは、4代目モデルの正常進化版といった印象だ。嫌みのないプレステージ性をプラスすることで、ヴェゼルの兄貴分であることをアピール。もともとCR-Vは、都会派のSUVという成り立ちだが、新型はオン/オフを問わないオールラウンダーなキャラクターに仕立てられている。

全長4605×全幅1855×全高1690mm、ホイールベース2660mmというボディサイズは、実は先代モデルからさほど大きくなっていないが、デザインの妙なのか、パッと見た印象は「かなり大きくなった?」と感じる。

インテリアは、ホンダの旗艦サルーンである「レジェンド」から継承されたプッシュボタン式のATセレクター(ハイブリッド仕様)や、フルデジタル式のメーターパネルなどが目を引くものの、それ以外は比較的オーソドックスなレイアウト&デザイン。随所に高級感を高めるための加飾パネルがあしらわれているが、質感に関しては、アメ車っぽい大味な部分が残っているのは否めない。また、標準装備のナビゲーションは、ホンダが展開する“インターナビ”機能に対応してはいるが、北米仕様のようなビルトインタイプではなく、後付けの販売店オプションと同等といった見え方。しかも、画面サイズが7インチと小さいため、この辺りの進化が著しいライバル勢に比べると、正直いって少し見劣りしてしまう。

ボディのサイズアップも相まって、キャビンは左右シート間のゆとりや、リアシートの頭上/ヒザ周りスペースの拡大など、余裕のスペースが確保されている。さらにガソリン仕様には、CR-Vとしては初となる3列シート仕様も設定。そのため販売現場からは、ミニバンから乗り換えるユーザーも多いと聞いている。
■電動パワーユニットの旨みを感じさせるハイブリッド

新型CR-Vのパワートレーンは、2タイプを用意。ガソリン車は、190馬力/24.5kgf-mを発生する1.5リッター直噴“VTEC”ターボとCVTの組み合わせ。エンジンはいわゆるダウンサイジングターボだが、2.4リッターの自然吸気エンジンに匹敵するパフォーマンスを発揮するため、1.5トンを超えるボディでも力不足を感じることはない。CVTは、最新モデルにしては若干、制御がルーズに感じるが、エンジンのターボラグを上手くカバーしており、結果的にドライバビリティは良好。ターボエンジンというよりも、大排気量の自然吸気エンジンのような自然なフィーリングが特徴だ。

対するハイブリッド仕様は、145馬力/17.8kgf-mを発生する2リッター自然吸気エンジンに、ふたつのモーターを組み合わせた、ホンダ独自の“スポーツ・ハイブリッドi-MMD(インテリジェント・マルチ・モード・ドライブ)”。エンジンは発電機として活用され、そこで作られた電力でモーターを駆動させる“シリーズハイブリッド”の一種だが、このシステムのすごいところは、高速巡航時などエンジンで走らせた方が効率的な状況では、エンジンで直接、駆動できる点。同じくシリーズハイブリッドの構造を採る日産自動車の“e-POWER”と比べると、一歩先行くシステムなのだが、人気や知名度においてe-POWERの先行を許しているのは残念だと思う。

CR-Vハイブリッドのモーター出力は、184馬力/32.1kgf-mと、自然吸気のガソリンエンジン車なら3リッター級の力強さ。もちろん、ガソリン車とは違い、アクセルペダルを踏んだ時の反応の良さや、コントロールのしやすさは、電動化されたパワーユニットならではの旨みといえる。

スポーツハイブリッドi-MMDは、普段は“ほぼ”電気自動車のように走ってくれるが、発電のために適宜、エンジンを始動させる。とはいえ、その時の静粛性の高さや、エンジン回転の巧みな制御と相まって、ハイブリッド車にありがちな「エンジンがうなって興ざめ…」といったガッカリ感はない。また、回生協調ブレーキのフィーリングやコントロール性も、下手な油圧ブレーキを採用するクルマよりも好印象だ。
■現状では「CR-Vでなければ」という決定打に欠ける

新型CR-Vは、前輪駆動と4WDというふたつの駆動方式から選べるが、実はスポーツハイブリッドi-MMDとAWD(進化型リアルタイムAWD)との組み合わせは、ホンダ車としては初めて。

プラットフォームは、「シビック」から採用が始まった“グローバルプラットフォーム”をベースに、CR-V用に最適化。乗り味にうるさい(!?)日本人に合わせ、走りは日本仕様専用のスペックに仕立てられている。剛性の高いボディ、忠実かつ自然なハンドリングフィール、しなやかに動くサスペンション、緻密な制御AWDなどを含め、走りの基本性能は非常にハイレベルだ。総合性能も非常にバランスに優れており、いい意味で奇をてらわず“普通”の乗り味を実現している。その点では、細分化されているクロスオーバーSUVの中でも、まさに“ど真ん中”を狙ったセットアップといえるだろう。

ただし、パワートレーンによって乗り味は若干異なる。大柄なボディながら、軽快に動くガソリン仕様に対し、ハイブリッド仕様は車重の重さを活かした、しっとりかつ重厚な走りが印象的。しかも精緻に動くため、イメージ的には車格が0.5クラスくらいアップしたかのような動的質感を感じられる。

走りの特徴や価格などを考慮すると、個人的には、ガソリン仕様はライバルに対して若干割高感があるため、3列シートが欲しい人向けのクルマといった印象だ。新型CR-Vの本命はやはり、前輪駆動車、AWD車ともにハイブリッド仕様だろう。とはいえ、新型は日本市場では後発といっていい存在でありながら、百花繚乱のライバル勢に対し、「CR-Vでなければ」という決定打に欠けているのも事実。この辺りは、今後の進化に期待したい部分だ。

<SPECIFICATIONS>
☆EX・マスターピース(FF/7人乗り/ホワイト)
ボディサイズ:L4605×W1855×H1680mm
車重:1630kg
駆動方式:FF
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:190馬力/5600回転
最大トルク:24.5kgf-m/2000〜5000回転
価格:381万4560円

<SPECIFICATIONS>
☆ハイブリッドEX・マスターピース(4WD/ブラック)
ボディサイズ:L4605×W1855×H1690mm
車重:1700kg
駆動方式:4WD
エンジン:1993cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:電気式無段変速機
エンジン最高出力:145馬力/6200回転
エンジン最大トルク:17.8kgf-m/4000回転
モーター最高出力:184馬力/5000〜6000回転
モーター最大トルク:32.1kgf-m/0〜2000回転
価格:436万1040円

(文/山本シンヤ 写真/&GP編集部)

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