コレなら欲しいぞ!大胆デザインのプジョー「508」がセダンに革命を起こす

コレなら欲しいぞ!大胆デザインのプジョー「508」がセダンに革命を起こす

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プジョーの新しいフラッグシップサルーン「508」が上陸した。近年、プジョーのセダンといえば、広い車内スペースと小気味よい走りを兼備しつつも、ルックスはちょっと地味。真面目なクルマという印象が強かった。

それがどうだろう。新しい508ではデザインの方向性を一新。中でも見どころは流麗なフォルムで、ルーフ後半からリアピラーにかけての流れるようなラインは、率直にいって美しい。なぜプジョーは、これほど大胆に舵を切ったのだろうか?

■セダンのコンサバな印象を秀逸なデザインで払拭

日本だけでなく、北米やヨーロッパなど世界中のマーケットで、セダン離れが進んでいる。とはいえ各自動車メーカーは、そうしたマーケットの変化に、単に身を任せているわけではない。いくつかのメーカーは、多くの顧客に振り向いてもらえる魅力的なセダンを作ろうと改革を行っている。

そのひとつの傾向が、セダンのスポーティ化だ。例えば、アメリカのプレミアムブランド・キャデラックは、2000年代半ばまで、とにかく豪華絢爛なサルーンを作り続けていた。ギラギラとしたデザインやゆったりとした乗り心地が特徴で、端的にいって、アメリカ人が感じる豪華さと乗り心地の良さ、そして、強力なトルクのエンジンをもって、キャデラックのセダンは成立していた。しかし、それでは生き残れなかったのである。

そして今、キャデラックのセダンは、スポーティなことをウリにしている。ヨーロッパ市場で販売していないにもかかわらず、ドイツの過酷なサーキット、ニュルブルクリンクでテストを敢行。世界中のメーカーがスポーツカーをテストすることから“スポーツカーの聖地”、そして、森に囲まれた過酷なコースゆえ“緑の地獄”との異名を持つ場所で、走りを鍛え上げているのだ。さらには「Vシリーズ」と呼ばれる、メルセデス・ベンツのAMGやBMWのMのようなハイパフォーマンスモデルも設定。今やキャデラックのセダンは、豪華絢爛だけど退屈なクルマではなく、走りが刺激的なサルーンに変わっている。

もうひとつの傾向が、つやっぽいデザインの採用だ。かつてセダンといえば、その多くが絵に描いたようなコンサバなプロポーションを採用していた。しかし2000年代に入って間もなく、メルセデス・ベンツが「CLS」で、フォルクスワーゲンが「パサートCC」で、リアウインドウを寝かせた“クーペセダン”を提案したところ、市場から「待ってました!」とばかりに大歓迎された。その成功を受けて世界中の自動車メーカーが、流麗なデザインのセダンを次々とデビューさせてきた。
■流麗なフォルムの中に秘められた高い実用性

そうしたセダンを取り巻く昨今の状況を考えると、プジョーのフラッグシップサルーンである508が、今回のフルモデルチェンジで流麗で美しいフォルムを採用してきたのも素直に受け入れられる。

新型508は、厳密にいえば4ドアセダンではなく、5ドアハッチバックだ。リアウインドウと一体になったリアゲートは大きく開き、開口部が広いから大容量のスーツケースといった大きな荷物を積み下ろししやすい。

またリアシートを畳めば、ステーションワゴンにも負けない広い荷室が出現。自転車だって軽々と積めるほどの容量と使い勝手を誇る。

実はこれ、508と同じDセグメントに属する欧州サルーン、アウディ「A5スポーツバック」やフォルクスワーゲン「アルテオン」と同じ手法。美しいフォルムをまとっている上に、実用性だってクラシカルなセダンより高いのだから恐れいる。

新型508が凝っているのは、プロポーションだけではない。フロント回りで印象的なのは、ヘッドライトの端にある、まるでライオンが爪で引っかいたかのように伸びる鋭いラインだ。表情に個性をつけるこの演出は、デイライトとして点灯するだけでなく、ウインカーとしても機能する。

一方のリア回りは、スモーク仕上げのガーニッシュの中に、点灯時だけ光るLEDを仕込んだデザインが個性的。ちなみに、この新しい508からプジョーのデザインは刷新され、2019年3月に世界初公開された新しい「208」がこれに続くことになっている。

そして、凝ったデザインはエクステリアだけに留まらない。トップグレード「GT BlueHDi」が採用するアルカンタラ&レザーシートは表皮のキルティング処理のセンスが抜群で、今回の試乗車に採用されていたオプションのナッパレザーシートでは、その個性がさらに強まる。

またディテールにおいても、削り出した金属のような質感の7連スイッチがインパネ中央にズラリと並び、黒を基調としたインテリアにアクセントを添える。

さらにシフトレバーは、まるで飛行機の操縦桿のような雰囲気。従来モデルに対し、インテリアデザインの洗練度は飛躍的に高まっている。
■“ネコ足”を堪能するなら軽量なガソリン車がベターか

新型508には、2リッターのディーゼルターボと1.6リッターのガソリンターボという2種類のエンジンが設定されるが、最上級グレードのGT BlueHDiは、ディーゼルエンジンだけの設定となることが興味深い。逆に、ミドルグレードの「GT Line」やエントリーグレードの「アリュール」は、ガソリンエンジンだけの設定となる。

足回りは、全グレードにプジョー初の電子制御アクティブサスペンションを装備。大きな車体からは想像できないくらいハンドリングが軽快で、細く曲がりくねった山道でもスイスイと気持ち良く向きを変えていく。

GT BlueHDiに搭載されるディーゼルエンジンは、低速域からのトルクにおいてガソリンエンジンを凌駕し、力強い加速を楽しめる。また、高速巡航時の燃費もいいため、長距離ドライブ時にはその恩恵を余すところなく教授できる。しかし、ワインディングロードなどで高回転域をキープし続けるような走り方だと、やはりガソリンターボに比べてノイズが大きく、ザラザラとした感触も強い。個人的には、軽やかに高回転域まで吹け上がるガソリンエンジンの方が、508のキャラクターには合っているように思えた。

サスペンションとエンジンとの相性も、そうした思いを強くさせる。プジョーのしなやかなフットワークはクルマ好きの間で“ネコ足”と称されるが、フロントに搭載するエンジンを中心に、ディーゼル車より120kgほど軽いガソリン車の方が、ネコ足をより濃密に堪能することができたのだ。

ちなみに新型508には、遅れてステーションワゴンも追加される予定。実用性をより追い求めたワゴンであっても、美しいスタイルはセダン譲り。そちらの上陸も今から楽しみだ。

<SPECIFICATIONS>
☆GT BlueHDi(ホワイト)
ボディサイズ:L4750×W1860×H1420mm
車重:1630kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:177馬力/3750回転
最大トルク:40.8kgf-m/2000回転
価格:492万円

<SPECIFICATIONS>
☆GT Line(グレー)
ボディサイズ:L4640×W1860×H1650mm
車重:1510kg
駆動方式:FF
エンジン:1598cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:180馬力/5500回転
最大トルク:25.5kgf-m/1650回転
価格:459万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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