コレはカッコいいぞ!北欧発祥のハスクバーナはバイク界の最新“推しメン”です

コレはカッコいいぞ!北欧発祥のハスクバーナはバイク界の最新“推しメン”です

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“カッコいいバイク”の定義というのは人それぞれでしょうが、今、デザイン面で最もクールなブランドといえば、ハスクバーナではないでしょうか?

昨2018年に日本に上陸した「ヴィットピレン401」や「スヴァルトピレン401」は、ボディ全体がミニマムな要素でシャープに構成されていて、そのスタイルコンシャスぶりはちょっと近寄りがたい感じ。「ブサメンの俺が、どんな顔をして乗ればいいんだ?」と思う人もいるでしょう(←ワタシです)。

■KTMの技術と思想が歴史あるブランドを復活させた

ハスクバーナと聞くと、「なんだか懐かしい響きだけど、どんなブランドだったっけ?」と首をひねる人も多いはず。

その源流をたどると、17世紀にスウェーデンで設立された兵器工場にまでさかのぼれるのだとか。19世紀にはミシンやキッチン用品、自転車といった製品を手掛けるようになり、1903年に、最初の原動機付き自転車を製造。その後、ハスクバーナのバイクは、進化の過程において数々のレースで栄冠を勝ち取って行くのです…。

うーん、歴史あるバイクメーカーの、ひとつの典型的な歩みですね。そして第二次世界大戦後は、オンロード/オフロードバイクの分化が十分に進んでいない頃から、オフ系のモータースポーツで頭角を現し、モトクロスやエンデューロでタイトルを重ねていきます。

しかし、好事魔多し!? 1977年にスウェーデンの家電メーカー・エレクトロラックスに買収されたのを皮切りに、’87年にはイタリアのバイクメーカーであるカジバ、2007年にはドイツのBMWと親会社が転々とし、2013年には、バイクブランドのKTMを傘下に収めるオーストリアの産業投資会社、ピエラ・ インダストリーAGがハスクバーナを買収。KTMのコンポーネンツを活用し、オフロードマシン「701エンデューロ」、そのモタード版たる「701スーパーモト」をリリース。続いて発表されたオンロードモデル群が、ようやく現実のラインナップとしてカタチになり始めたわけです。

セパレートハンドルを備えたカフェレーサーが、北欧の“白い矢(Vitpilen)”ことヴィットピレン。ハンドルをアップにし、オフ用のタイヤを履かせてスクランブラー仕様にしたのが、“黒い矢(Svartpilen)”を意味するスヴァルトピレンです。
■ミニマルデザインが個性のヴィットピレン701

ヴィットピレンには、2種類のエンジンをラインナップ。KTMの「390デューク」や「RC390」でお馴染みの、373.2cc水冷単気筒を積むのがヴィットピレン401。「ヴィットピレン701」は、KTM「690」系の692.7ccビッグシングルを搭載します。ちなみにこのエンジンは、ハスクバーナの701エンデューロにも使われています。

今回試乗したのは、ヴィットピレン401より3カ月遅れで日本市場にデビューしたヴィットピレン701。KTMと同様、オーストリアのデザインオフィス“キスカデザイン”が手掛けたエクステリアは、ストイックなまでのミニマルデザイン。鋼管を三角に組んでエンジンを支える“トレリスフレーム”を、KTM車とは対照的に、ハスクバーナモデルではあえて黒子にして、その上に被せるボディを強調しています。スポークホイールの401に対し、701はキャストホイールを装着します。

シート高は830mmと、スーパースポーツ級。その上、シートクッションが硬いので、身長165cmの(短足)ライダーだと、片足ツマ先立ちになって、ちょっと厳しい。ライディングポジションは、カフェレーサーなスタイル通り、ググッと前かがみになります。

走り始めると、いきなりボディのしっかり感が印象的。スタイル重視の優男、かと思いきや、走りは随分とスポーティ。本格派です。ボア×ストローク=105×80mmのビッグボアユニットは、低回転域では少々バラつくけれど、3000回転くらいから排気音の粒がそろってキレイに吹け上がる。75馬力の最高出力は8500回転で、7.3kgf-mの最大トルクは6750回転で発生。ワイルド風味ながら、街中でも使いやすいエンジンです。

ヴィットピレン701の美点は、1434mmという短めのホイールベースが奏功してか、ライダーの気持ちに沿ってよく曲がること。乾燥重量157kgと軽量ボディなので、ひとたび走り出してしまえば、意外なほど扱いやすい。骨太なエンジンと軽快なシャーシの組み合わせが独特な、スカンジナビアン・カフェレーサーです。ストッピングパワーも、フロントはシングルディスクですが全く十分。ダブルディスクの見てくれを追わず、機能面でもムダを省いています。

見ても乗ってもクールなヴィットピレン701。「足つき? ノープロブレム」というライダーには、異色のスポーツバイクとして面白い選択なのではないでしょうか。
■程良いオフ車テイストが特徴のスヴァルトピレン401

もう1台の試乗車は、スヴァルトピレン401。基本構成はヴィットピレンと同じながら、程良くオフロードテイストを利かせたモデルです。

シート高は835mmと、やはり短躯(たんく)のライダーにはなかなかツラいスペックで、ストップ&ゴーが頻発する街中ライドでは、縁石が“足つきの友”となりそうです。

クッション硬めのシートは前部が明確に窪んでいて、ライダーはやや前寄りに座ることに。ブレース付きのハンドルはグリップ位置が高いので、必然的に上体を起こしたアップライトなポジションとなります。戦闘的なヴィットピレンのそれとは異なり、見晴らしがよく、どこか牧歌的。

足下には、オンロードもこなすブロックタイヤ、ピレリ「スコーピオン ラリー」を履いていて、タイヤのルックスからも両車を上手に差別化しています。

単気筒のツインカムエンジンは、89×60mmのボア×ストロークを持つ373.2cc。無理のないキャパシティで低回転域から野太いトルクを紡ぎ、150kg(乾燥重量)の軽量ボディをグイグイ押し出します。最高出力は43.5馬力/9000回転、最大トルクは3.8kgf-m/7000回転です。

“オフ”の雰囲気を醸すヴィットピレンですが、サスペンションにはいわゆるオフ車的なソフトさはなく、むしろしっかり目。都会派スクランブラーにして、主戦場はオンロードといった感じです。

スヴァルトピレンは、デフォルトとして専用のタンクバッグを取り付けられるようになっているので、平板なリアシートと併せ、ほどほどの搭載性を期待できます。

時々、林道に立ち寄るようなツーリングに連れ出すと楽しそう。スヴァルトピレンのプログレッシブなデザインは、不思議と田舎っぽい風景とも相性がいいようです。

<SPECIFICATIONS>
☆ヴィットピレン701
ホイールベース:1434mm
車両重量:157s(乾燥重量)
エンジン:692.7cc 単気筒 SOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:75馬力/8500回転
最大トルク:7.3kgf-m/6750回転
価格:135万5000円

<SPECIFICATIONS>
☆スヴァルトピレン401
ホイールベース:1357mm
車両重量:150s(乾燥重量)
エンジン:373.2cc 単気筒 DOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:43.5馬力/9000回転
最大トルク:3.8kgf-m/7000回転
価格:77万7000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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