【もうすぐ出ますよ!注目の輸入車】メルセデスの新型「Bクラス」は実に使えてデザインも◎

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2018年10月に開催されたパリモーターショー2018において、ニューモデルが公開されたメルセデス・ベンツ「Bクラス」。その日本上陸の日が近づいてきました。

7年ぶりにフルモデルチェンジした新型を、ひと足先にヨーロッパでドライブしたのは、モータージャーナリストの岡崎五朗氏さん。果たして、日本でも人気の高いコンパクト・メルセデスのニューモデルは、どんな魅力を備えたクルマなのでしょうか?

■新型Bクラスは“スポーティ”に重点を置いたデザイン

――メルセデス・ベンツのコンパクトカーといえば、「ハイ、メルセデス!」とクルマに話かけるだけで、車内装備の各種操作を行える“MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)”を搭載した新型「Aクラス」が話題を集めています。間もなく上陸するBクラスは、どのようなポジショニングにあるクルマなのでしょうか?

岡崎:簡単にいうと、“背の高いAクラス”だね。

従来のBクラスは、背を高くした分、居住性においてはAクラスを凌駕していて、Aクラス目当てでディーラーに足を運んだ人が、「お! こっちの方が広いね」といってBクラスを選ぶケースも多かったんだ。

でも、従来モデルは単に背を高くしていた分、正直、Aクラスよりカッコ悪かったのは否めない。だから、使い勝手だけで選ばれるクルマ、という印象が強かったんだ。それを証明するように、ヨーロッパにおけるBクラスのユーザー年齢層は、かなり高くなっていた。そこで新型は、若返りの意味も含め、スポーティをキーワードにデザインと走りの味つけを変えてきたね。

――なるほど。写真を見る限りですが、確かに新型のデザインは、従来モデルより若々しくなっていて、躍動感が出ましたね。

岡崎:一瞬、すれ違ったくらいだと「あれ、Aクラスだっけ?」と勘違いするくらい、新型のデザインは若々しく感じられる。メルセデスはBクラスを“スポーツツアラー”と位置づけているんだけど、新型はその中の“スポーツ”に重点を置いてデザインしてきた。その一貫なのか、ノーマルグレードでも車高がかなり落とされていて、タイヤとフェンダーのすき間がほとんどないんだ。このルックスなら、ファミリーのためにBクラスを選んだとしても、所帯染みた感じがなくて、非常にいいと思うね。

――背が高い分、やはりAクラスよりも車内は広々としていましたか?

岡崎:前後には拡大されていない分、キャビンの広さは、頭上空間がAクラスと比べてちょっと広いかな、という程度。けれど、開放感が高い分、Aクラスよりはかなり広々としているように感じられる。特にリアシートは、見晴らしがいいこともあって、かなり広く感じられるんじゃないかな。

もちろん、ボディの天地が拡大されている分、ラゲッジスペースの容量も455L以上と広がっているよ。

また、BクラスはAクラスに対し、座面のヒップポジションがフロントシートで90mm高くなっていて、よりアップライトな視点で運転することができるようになった。個人的に、Aクラスのヒップポジションは低すぎるように感じていたから、Bクラスの方が運転しやすいという人は多いと思うな。

――インパネのしつらえなどは、Aクラスと同じですか?

岡崎:正面のメーターパネルと、中央のインフォテインメントシステム用に2枚の液晶パネルが並ぶ基本的なレイアウトや、装備類などは、基本的にAクラスとほぼ同じ。だけど、Aクラスに対して車高をアップさせた分、デコレーションパネルなどのデザインが変更され、天地方向に拡大されているね。その辺りの処理は違和感なく、見事な仕上がり。

あと、ベース車より車高をアップさせたクルマでは、時々、ハンドルが上を向いたり、ペダルの角度が合わなかったりというクルマが見受けられるんだけど、新型Bクラスは、その辺りの問題が皆無。ベストなドライビングポジションをとることができるんだ。

――基本的にAクラスと同じ、ということは、MBUXも継承されるんですね?

岡崎:今回の試乗車にも、MBUXが搭載されていたよ。MBUXは、普段からスマホを使いこなしている人なら簡単に操作できる、なかなか優れたユーザーインターフェイスだと思うよ。

例えば、これまで車内の照明色を変えるには、ちょっと面倒くさい操作手順を経る必要があったんだけど、MBUXなら「アンビエントライト、イエロー」っていうだけで、照明色がイエローになる。しかも、音声の認識率もかなり高い。Aクラスと同様、Bクラスでも人気の機能になるんじゃないかな。

――Aクラスと同様、Bクラスのスッキリとしたインパネデザインは、MBUXによる賜物ですもんね。

岡崎:MBUXみたいな音声操作機能を採り入れると、開発時の「ボタンやスイッチをどこに配置するか?」という悩みがなくなる。新しい装備を搭載しても、その操作スイッチをどこに配置するか、ということに、設計者やデザイナーはこれまでかなりの労力を割いてきたと思うんだ。それを音声操作でカバーすることで、AクラスもBクラスも、すっきりとした室内デザインを実現している。しかも、使いやすさも高めながらね。

そしてこの先は、もしかしたら、シートやハンドルに生体センサーが内蔵され、乗る人の暑い/寒いという感覚を、よりきめ細かくセンサリングできるようになるかもしれない。さらにスマートウォッチにあるような心拍計と連動し、乗る人それぞれにベストなカスタマイズにも対応できるようになる可能性もある。そうなると、エアコンの温度操作なんて必要なくなるよね。

――そういう意味でMBUXは、将来的にクルマのインターフェイスを大きく変える、可能性も秘めているんですね。
■まるで化学プラントのような新ディーゼルエンジン

――さてここからは、気になる走りの印象についてうかがいたいと思います。まず、今回乗られたのは、どんな仕様でしたか?

岡崎:今回、試乗したのは、2リッターのディーゼルターボを積んだ「B200d」。日本にはAクラスの時と同様、まず始めに1.33リッターのガソリンターボ「B180」が入ってきて、その後、少し遅れてB200dが上陸すると思うよ。

――200dは、先日、日本で発表されたばかりの「A200d」と同じエンジンですよね?

岡崎:そうだね。このエンジンが、またすごいんだ。例えるなら、まるで化学プラントのようなパワーユニットなの。

ディーゼルエンジンの排気ガスには、粒子状物質が含まれているんだけど、まずそれを捕集するために、“DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)”が備わっている。しかもDPF自体に、尿素でNOx(窒素酸化物)を浄化する“SCR(選択触媒還元)”コーティングを施していて、DPFの段階でNOxを浄化できるようにしているんだ。その上でエンジンに、第2のSCRをプラス。徹底的にNOxの排出を抑えてやろうと、さまざまな手が講じられているんだ。

ただし、NOxを減らそうとするあまり、尿素を噴き過ぎてしまうと、今度はアンモニアが発生してしまう。だから各社のディーゼルエンジンは、これまでSCRが搭載されていても、既定値以上の尿素を噴くことができず、エンジンに急激な高負荷が掛かるようなシーンでは、還元のための尿素が足りずに、どうしてもNOxを排出していたんだ。

そこでメルセデス・ベンツは、この問題を解決するために、アンモニアの排出を防止する“ASC(アンモニアスリップ触媒)”を追加してきた。尿素をどんどん噴ける状態にしてやることで、アンモニアの発生もシャットアウト。まさに徹底しているよね。

――そこまで徹底してきたのは、やはり“あの問題”が大きかったのでしょうか?

岡崎:ドイツの自動車メーカーは、近年、ディーゼルエンジンの排出ガス不正問題に揺れていたけれど、B200dに積まれるこのエンジンは、「今後もディーゼルエンジンの開発は止めない」、「ディーゼルエンジンにはまだまだ可能性がある」という、メルセデス・ベンツからのメッセージだと思うんだ。事実、ディーゼルエンジンはいくつかの課題を抱えているけれど、燃費の良さや力強い加速力を考えると、まだまだ魅力あるパワーユニットだからね。

――その点、ディーゼルエンジンから電気自動車へと舵を切ろうとしているフォルクスワーゲンとは対照的ですね。

岡崎:ディーゼルエンジンの排出ガスをクリーン化するためには、B200dのように、さまざまな処理装置を付けなければならない。しかもビジネスだから、コストをかけるだけじゃなく、それを何らかの形でペイしなければならない。その点、フォルクスワーゲンは大衆車ブランドだから、コスト回収の面で難しいのかもしれないね。そうなると、クリーンディーゼルを積める、というのは、この先、プレミアムブランドのアドバンテージになるかもしれないね。

――その新しいディーゼルエンジンのフィーリングはいかがでしたか?

岡崎:最新のディーゼルエンジンらしく軽快に回るし、音もそこそこ静か。もちろん、旗艦モデルである「Sクラス」のように、ガソリン車に匹敵するレベル、とまではいかないけれど、このクラスとしては十分、静かに仕上がっているね。

――それを受け止める足回りの印象はいかがでしょう?

岡崎:ひと言でいえば、かなり引き締まった印象だね。

――その辺りは、新型のコンセプト通り、といったところでしょうか?

岡崎:そうだね。開発陣も「Bクラスはもっと若い人にも乗ってもらいたいし、運転を楽しんでもらいたい。それと、Aクラスとの差をなくしたい、っていう思いが強かったから、このセッティングに落ち着いた」といっていたよ。

とはいえ、荒れた路面を走る時などは、やはりもう少し柔らかい方がいいなと感じた。といっても、従来のBクラスに比べると、メルセデスらしさが少し感じられるようになってきたし、それなりに及第点は与えられるクルマに仕上がっていると思うな。

――Aクラスのファミリーは、今回のBクラスの後、「Aクラスセダン」や4ドアクーペの「CLA」、そしてSUVの「GLA」や「GLB」が控えているとウワサされています。

岡崎:それ以外にも、隠し球がありそうだよ。BMWには「2シリーズグランツアラー」っていう7人乗りの3列シート車があるじゃない? 開発陣に、メルセデス・ベンツは同様のモデルを作らないの? と尋ねたら、具体的な回答こそ得られなかったけれど、ニヤッと笑顔を返して来たんだ。だからきっと、近い将来、Bクラスの3列シート仕様が登場すると思うな。

――なるほど。大勢の人を乗せて移動するピープルムーバーの側面から考えると、もしかするとBクラスの本命は、そちらかもしれないですね。

(文責/&GP編集部 写真/メルセデス・ベンツ日本)

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