気難しそうなのは名前と見た目だけ!ドゥカティ「スーパースポーツS」は驚くほど乗りやすい

気難しそうなのは名前と見た目だけ!ドゥカティ「スーパースポーツS」は驚くほど乗りやすい

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ドゥカティといえば、モータースポーツ界でその名を馳せてきたイタリアのバイクメーカー。“Lツイン”と呼ばれるL型2気筒エンジンは、ハイパワーで高回転型の性格として知られています。

そのドゥカティがリリースするフルカウルマシンで、「スーパースポーツS」というネーミングを耳にすれば、多くの人がスパルタンなマシンを想像するのではないでしょうか?

ところがこのスーパースポーツS、実際に触れてみるとイメージに反して乗りやすく、非常にフレンドリーで楽しいマシンでした。今回はそのレポートをお届けしたいと思います。

■公道でのライディングを心底楽しめるドゥカティ

ドゥカティのフルカウルモデルには、「スーパースポーツ」シリーズのほかに、「パニガーレ」と呼ばれるシリーズがあります。

後者には、MotoGPやSBK(スーパーバイク世界選手権)などのレースで活躍するV型4気筒エンジンを搭載するマシンもラインナップ。もちろん、Lツインエンジンを載せたモデルもありますが、現在、ドゥカティのレーシングマインドの体現は、パニガーレが担っているといえます。

逆にいうとスーパースポーツは、公道でライディングを楽しむことを主眼に開発されたシリーズ、ともいえます。とはいえそこは、ドゥカティのマシン。ストリートモデルであっても、走行性能に一切の妥協はありません。

スーパースポーツSのエンジンは、排気量937ccのLツイン。ドゥカティ得意の“デスモドロミック”機構を用いてバルブを駆動させ、110馬力を発生します。しかもこのエンジン、フレームの剛性を保つ強度メンバーの役割も担っていて、スリムな車体の実現にもひと役買っています。フレームには、こちらもドゥカティ伝統の、鋼管パイプを組み合わせた“トレリス構造を採用”。車重は210kgと、このクラスとしては相当軽い部類です。

足回りは、前後ともにフルアジャスタブル仕様。今回の試乗車は上級バージョンのスーパースポーツSだったので、フロント/リアともにオーリンズ製のサスペンションがおごられます。スイングアームは片持ち式。ブレーキは、ブレンボ製のラジアルマウント式モノブロックキャリパーで、マスターシリンダーもラジアル式なので、制動力・コントロール性ともにこれ以上は望めないほどの性能を発揮します。

フルカウルを装備する戦闘的なルックスが特徴のスーパースポーツSですが、ハンドル周りに目を向けると、このマシンの本当の立ち位置がうかがえます。セパレート式ハンドルの取り付け位置が、やや高いのです。そのためライディングポジションは、ネーミングなどからイメージするほど、前傾がキツくありません。

実際またがってみると、サスペンションの沈み込みが大きいせいか、足つき性は優秀。ハンドルもちょうどいい位置にあり、過度の前傾姿勢を強いられることがありません。また、シートは幅広でサポート性に優れるので、長い時間乗ってもお尻が痛くなることはなさそうです。長距離ツーリングの際などにはありがたいですね。
■乗りやすい、だけど走りはドゥカティらしく爽快

とはいえこの時点でも、筆者はまだスーパースポーツSに心を許していませんでした。過去に乗ったドゥカティのバイクは、ツーリングモデルのようなライディングポジションであっても、エンジン特性は過激で、低速域でギクシャクしてしまうマシンが少なくなかったからです。

ところがクラッチをつないで走り出すと、スーパースポーツSは思った以上に低回転域からトルクフル。その乗りやすい特性に驚かされます。2000回転も回っていれば、十分な加速力を得られるほどパワフルで、なおかつ、低回転域でもトルク変動が小さく、ギクシャクするような挙動はありません。

そして3000回転以上になると、すべてがパワーバンド、といえるほどワイドレンジなエンジン特性で、吹け上がりもスムーズ。アクセルを開ければ、どこからでも思いのままに加速します。

このように書くと、単に乗りやすいだけのマシン、と思われるかもしれませんが、コーナーでは、やはりドゥカティのスポーツマシンらしい爽快感を味わえます。

スリムで軽量な車体は、バンクさせる際の動きが軽快で気持ちいい。Uターンするかのような曲率がキツいヘアピンカーブでも、素晴らしい応答性で車体の向きが変わります。そして、そこからアクセルを開けていくと、トルクフルで扱いやすいエンジン特性もあって、リアタイヤの接地感がつかみやすい。もちろん、高速コーナーでの安定感は抜群で、どんな速度域でもコーナリングを楽しむことができました。

ドゥカティのスポーツマシンということで、少し緊張して挑んだ今回の試乗でしたが、予想外に乗りやすい特性と、コーナーリングの爽快感、そして、気持ちいいエキゾーストノートにより、ついつい時間を忘れて試乗コースを走り回ってしまいました。

2016年のミラノ国際モーターサイクルショーで“最も美しいバイク”に選出されたスーパースポーツSのデザインは、見た目も流麗で所有欲をくすぐります。カッコいいとは思いつつも、その車名や数々の逸話にハードルの高さを感じていたライダーの皆さん、一度、スーパースポーツSを味わってみてはいかがでしょう? きっと、その乗りやすさと軽快なハンドリングのとりこになるはずです。

<SPECIFICATIONS>
☆スーパースポーツS
ボディサイズ:L2070×W750×H1186mm
ホイールベース:1478mm
車両重量:183kg
エンジン: 937cc L型2気筒
トランスミッション:6速MT
最高出力:110馬力/9000回転
最大トルク:9.5kgf-m/6500回転
価格:180万9000円

(文&写真/増谷茂樹)

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