自民党安倍政権と統一教会。2016参院選、教団2世信者を使った策動<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第4回>

自民党安倍政権と統一教会。2016参院選、教団2世信者を使った策動<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第4回>

UNITEの街頭演説(2016.6.12吉祥寺

夏に参院選を控え、安倍首相が衆参同日選挙に踏み切るのではとの憶測が流れていた2016年1月、SEALDsのライバルを標榜する保守派の大学生グループが現れ、安倍政権を支持する街頭演説やデモ行進を全国各地で展開し始めた。この保守系大学生グループの活動を追う過程で、ある重大な疑惑に行き着いた。

選挙権年齢引き下げ、SEALDsの台頭、共産党の脅威

 2016年初頭の政治情勢を振り返ってみよう。以下に挙げたのは、本稿で示す一連の事象を検証する際に重要なファクターとなる3つのトピックスだ。

・2015年6月17日、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立。施行は一年後、翌年の参院選では新たに約240万人が選挙権を得ることになった

・同年9月に成立した安保関連法案を巡って学生グループSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が台頭。「反安保」「反安倍」を旗頭に国会周辺などで行うデモが世間の注目を浴び、多くの人の支持を受け社会現象に

・共産党が夏の参院選において全一人区での野党候補一本化に協力する意向を示す。全選挙区に候補者を立てて野党を共倒れさせ、結果として自民党の独り勝ちに貢献してきた共産党が初めて自民党にとって脅威となっていた

社会現象となったSEALDsの“ライバル”誕生?

 そんな時勢の中で迎えた2016年1月18日、SEALDsへの対抗意識を露わにした保守系の学生グループ『国際勝共連合大学生遊説隊UNITE』が全国各地で街頭遊説活動を始めた。国を憂う大学生たちが結成したという触れ込みのUNITEは、同月末までに連日、東京〜埼玉〜宮城〜千葉〜愛知〜神奈川を回り、「列島縦断演説」を行った。街宣車の上から声を張り上げていたのは結成メンバーの東大生4人。安倍政権やその政策を支持するこの保守派の大学生グループはSEALDsとは真逆の主張を展開。演説内容は「共産主義反対」「安倍政権支持」「安保法案賛成」「憲法改正支持」といったもので、共産党に対する批判が主だった。

 その後、3月末に福岡で『UNITE FUKUOKA』が結成されたのを皮切りに『UNITE KANSAI』『UNITE HOKKAIDO』『Youth UNITE KANAZAWA』『UNITE KUMAMOTO』『UNITE IKEBUKURO』『Youth UNITE TOYAMA』『UNITE TOCHIGI』『UNITE MIE』など全国30か所で支部が結成された。

 名称に『国際勝共連合』と冠してはいるが「UNITEは保守派の大学生が自主的に結成した団体であり、勝共連合とは別組織」というのがUNITEの言い分だった。全国への拡大も「志を同じくする仲間」「UNITEの活動に共鳴した大学生や青年たち」が「日本各地で結成した」としている。

 UNITEのツイッターには「SEALDsにライバル登場!」などとSEALDsを意識し、自らを過大に喧伝する書き込みが頻繁になされた。

 UNITEは同年3月末に福岡で80人規模のデモ行進を実施、2か月後の5月末には東京・渋谷に首都圏の学生ら230人を動員し、大規模なデモ行進を行った。

「日本共産党に騙されるな」「安保法制賛成」「憲法改正支持」と書かれたプラカードを掲げ「安倍政権を支えよう!」「憲法を改正しよう!」「安保関連法制に賛成します!」と声を揃えて叫ぶデモ隊。その様子を同日、テレビ東京が夕方のニュース番組で「改憲支持 大学生が渋谷でデモ」と報じた。

自民党IT戦略委員長の奇妙なSNS

 すると奇妙なことが起こった。6月1日、自民党IT戦略特命委員長で同党のネットメディア局長とネットサポーターズクラブ(J-NSC)代表を歴任してきた平井卓也衆議院議員(現内閣府特命担当大臣)が自身のFACEBOOKにテレビ東京の報道を引用し「このようなデモはあまり報道されませんが、学生はシールズというイメージは間違いです」と投稿したのだ。

 これは何を示唆しているのか。UNITEの活動と連動する自民党IT戦略特命委員長の書き込みを見て、ある疑念が浮かんだ。翌月の参院選に向けて、UNITEの結成とその活動には自民党安倍政権の意向が働いているのではないか。その意を受けた教団が2世信者を集めUNITEとして活動させているのではないか。

 初めて共産党が自民党にとって脅威となっていた時期に、安倍政権を支持し共産党を糾弾する大学生グループが全国の街頭に現れデモや演説活動を始めるとは、余りにタイミングの良すぎる話だ。一連の疑惑を確かめるべくUNITEの動向を追った。

ネットに残された「UNITE=統一教会2世」の痕跡

 まず調べたのはネットに残された痕跡だ。すると、統一教会の地区教会・松戸家庭教会の伝道教育部長兼総務部長夫婦が開設しているブログを見つけた。そこには同年1月、松戸駅前テラスで行われたUNITEの演説に、他の地区教会の伝道部長夫婦が息子つまり2世信者の応援に来ていたことが記されていたのだ。

 さらに同年4月、埼玉県下の教団施設で2世の大学生や社会人が「UNITE研修」を受講していたことや、教団の北陸地区で2世信者を対象に教団系政治組織・世界平和連合の教育部長が「UNITE研修会」を行っていたことをつきとめた。

 これらは「UNITEは統一教会の2世信者組織である」という筆者の直感を裏付けるものだった。

UNITEメンバーを直撃「ほとんどのメンバーが2世」

 同年6月12日、UNITEは全国21都市で一斉演説を行った。随時発信されるUNITEのFACEBOOKやツィッターの情報から東京・吉祥寺での街頭演説を取材した。

 吉祥寺駅北口広場にいたのは、リクルートスーツに身を包んだUNITEの大学生メンバーの男女10数人と50人ほどの聴衆。『国際勝共産連合大学生遊説隊UNITE』と書かれた横断幕を背に甲高い声で演説を行う女性メンバー。聴衆の中には2世と思しき若い女性たちの他、普段、街頭で偽装勧誘に従事する青年勧誘員やビデオセンターの所長の姿も確認できた。聴衆の外側には教団西東京教区青年部の責任者を務める坂内(ばんない)杉並教会副教会長など教団関係者や勝共連合の職員数名が配置されていた。旧知の勧誘員に確認すると聴衆を含め全員が動員された信者だと認めた。坂内青年部長に確認すると「皆、自主的に来ている」と否定した。

 SEALDsと同様にスマートフォンの画面を見ながら演説するUNITEメンバー。しかしその演説内容は真逆で、演説口調もたどたどしい。拙い演説が終わるたび、聴衆のサクラ信者は一斉に拍手を送る。

 2世だと答えた若い女性に手渡されたチラシには、大きくこう印字してあった。

『女子高生にもわかる憲法改正?』

 明かな女性蔑視だ。

 UNITEメンバーが演説を終えた後、国際勝共連合本隊の丸山遊説隊長がマイクを握った。

「このユナイトという組織は国際勝共連合の下部組織ではありません!東大の学生が中心となって国際勝共連合の理念を抱いて、それを多くの人に伝えたいと言って出来上がった自主的な独立組織なんです!その学生組織がユナイトです!そのユナイトがどんどんどんどん全国に拡がって、この吉祥寺でも本日、このように盛大に行うことができました!

 一斉に拍手する聴衆、丸山隊長は続ける。

「この火を絶やすことなく、日本共産党が無くなるまで、中国共産党が無くなるまで、共産主義者がこの地上から一人もいなくなるまで、皆さん共に頑張って参りましょう!」

 演説場所の片づけを行うUNITEメンバー数人に2世信者ではないのかと尋ねたところ、不自然に否定する者や、無言で立ち去る者、明確な証言は得られなかったものの、翌週の取材で、決定的な証言を得ることになる。

 翌週18日、練馬駅前で街頭演説の準備を行うUNITE IKEBUKUROの女性メンバーを直撃した。「UNITEは全員統一教会の2世?」と訊くと「みんなってわけじゃないんですけど、ほとんど」と、メンバーのほとんどが2世であると認めた。

 引率していた勝共連合職員に対し、UNITEの結成に自民党の意向が働いているのではないかと訊くと「自民党の意向とかそういうのはないです。有志でやらせていただいているので」と否定。そう答える勝共連合職員の後ろでUNITEメンバーが広げた横断幕にはこう書かれていた。

『〜憲法改正支持!安倍政権を支えよう!〜』

 UNITE結成の経緯を「みんなでがんばろうって学生が集まった感じですね」と話す職員。安倍政権への支持については「私たちにおいてやっぱりそれはハッキリとしておきたいなと。SEALDsが何でもかんでも反対という感じだったので」と答えた。SEALDsへの対抗意識は相当強いようだ。

 3日後、参院選公示日前日の6月21日、2度目の全国一斉演説を行ったUNITEを高田馬場駅前で直撃した。

 午後6時、同駅前に現れたのはスーツ姿のUNITE結成メンバー2人。

 彼らに確認すると、UNITE全員が2世ではないとしながら一人ずつに訊くと「2世」であると正直に答えた。東大には教団の学生組織であるCARP(原理研究会)があり、この結成メンバーも東大CARP在籍だ。

 丸山遊説隊長の挨拶の後に始まった結成メンバーの演説テーマは『野党共闘の誤り』

 あどけなさの残る表情を引き締め、甲高い声で時おり涙ぐみながら共産主義の誤りと自民党への投票を訴えていた。

 この日、演説する予定だったUNITEの小村聡士代表は、何故か急に「学業のため」との理由で現れなかった。筆者が現れたと聞き、急きょ取りやめたようだ。

国際勝共連合「学生が自主的に立ち上げた組織」

 筆者は同年6月、それまでに判明したことを軸にして週刊朝日に『街頭デモで安倍政権を応援 旧統一教会系の国際勝共連合が支援する大学生集団「UNITE」の正体』と題する記事を寄稿した。UNITEが教団2世団体であることを示す内容だ。取材の過程で国際勝共連合へUNITEについて問い合わせたところ、同連合広報局からは以下の回答があった。

「UNITEは、本連合の遊説隊勉強会に参加していた学生が、その理念や活動に共鳴して自主的に立ち上げた組織です。メンバー構成については、わかりません。(UNITEの)遊説が行われる場所で、トラブルなどが起きた場合の速やかな解決のために協力するようにと、本連合の地方事務局には連絡しております」

 一方、自民党IT戦略特命委員長は取材の申し込みを無視した。

UNITEの活動を各地の地元紙が報じた。

熊本日日新聞『「安保法制に賛成」県内学生ら決起集会』

大阪日日新聞『自国防衛の必要性訴え 女子の視点で改憲叫ぶ』

わかやま新報『憲法改正や安保賛成 ユナイトカンサイ 県出身の学生14人訴え』

 どの媒体もUNITEと統一教会との関係には全く触れずじまいというお粗末ぶりだった。

またしても無名候補が教団組織票の上積みで当選

 そして迎えた2016年の参院選。3年前と同じく統一教会の組織票によって無名の候補者が国会議員となった。

 選挙前、同教団の信者に以下の連絡が回った。

「比例は自民の宮島よしふみさんに入れてください。食口ではありませんが、ちゃんと御言葉を聞いているお方です」

 清和会準会員で社団法人日本臨床衛生検査技師会会長の肩書きを持つ宮島喜文への投票を指示するものだ。「食口(シック)」とは「信者」を示す教団用語であり、「御言葉(みことば)」とは教祖・文鮮明が語った言葉と教義「統一原理」の総称だ。

 投開票日、宮島は12万2833票を得て当選した。宮島より遥かに高い知名度を持っていた現職の堀内恒夫は8万4597万票で落選。内部の情報筋から判明した宮島への統一教会組織票は約6万〜7万票。その票数を差し引くと実質、宮島の得票は6〜7万票程度とみられ、当選ラインには程遠かった。この時、割を食ったのは、次点で落選した元鳥取市長の竹内功だった。(得票数8万7578票)。

 宮島の選挙事務所は統一教会からの支援について「聞いていない」と否定した。

 2013年の参院選では同じく「当選は厳しい」とされていた安倍晋三肝いりの候補・北村経夫のために統一教会は、安倍首相の依頼で組織票約8万票を投じている。

 二度の参院選から、恩恵を受ける候補者の条件が明らかとなった。宮島も2013年の参院選全国比例区の北村と同様、自力では当選ラインには届かない「Cランク」の候補者だった。

 知名度の劣る人物が当選を果たすカラクリはこうだ。

 統一教会の組織票を投入する候補者の選定は、まず「官邸に近い人物」そして「当落予想では当選ラインに届かないが、統一教会の組織票6〜8万票の上積みで当選ラインに届く人物」この2つのファクターを満たす人物が直近2回の参院選で不可解な当選を果たしている。

 実はこの時の比例区において、官邸サイドから統一教会の組織票打診を受けた候補者は他にもいたことが判っている。その候補者が断ったため、宮島にオイシイ話が回ってきたのだ。

参院選後、UNITE演説は「憲法改正」一色に

 参院選の結果、共産党が協力した野党連合の結集の効果は限定的なものにとどまり、自民党が圧勝、単独で憲法改正発議を行える議席数を得た。すると参院選後のUNITEの演説内容は、参院選前にあれほど主張していた共産党批判を封印し『憲法改正実現』一本にスライド、完全に政権と同調する動きを見せた。

 UNITEは2016年7月17日、「憲法改正実現」を掲げて、参院選後初となる街頭演説活動を全国9か所で行った。しかし予告されていた横浜駅前の演説は、筆者の直撃取材を避けるために場所と開始時刻を変更、そのつじつまを合わせるため演説終了後に公式FACEBOOKの内容が改ざんされた。

 翌月、この時行われた桜木町駅前での街頭演説を取材した保守系雑誌『SAPIO』2016年9月号にUNITEの小村代表のインタビュー記事が掲載された。その中に「UNITEを立ち上げた4人も全員が家庭連合の2世だ」との記述があった。それまで家庭連合つまり統一教会の2世信者の団体であることを秘匿していたUNITEの主要メンバーが初めて対外的に自分たちが2世信者であることを明かした。これは筆者の報道によってそう公表せざるを得なかったのであろう。小村はそんなことはおくびにも出さず、SAPIOの取材にそれまで自分たちが2世であることを隠していなかったように装った。

SNSで筆者をブロック、逃げるUNITE

 その後、UNITEは10月16日に全国14か所で一斉演説を行った。UNITEサイドは筆者に虚偽の情報を伝え、演説の場所や時間などを知られないよう筆者のツイッターアカウントをブロックした。

 一斉演説10日前、都内で演説を行っていた勝共連合本隊の丸山遊説隊長を直撃すると「ユナイトは僕も分かんないんですよ。呼ばれてないんですよ今のところ」と返答「国際勝共連合とUNITEは別組織」というシナリオに則った発言に終始した。

 筆者の取材によって、統一教会の2世信者組織であることなど、実態の一部を知られてしまったUNITE。彼らはそれまで「ハイ、何も隠すものもないので 笑」などとツイートし、余裕を見せていた。何も隠すものがないのであれば、筆者の取材を惧れる必要もないはずだ。UNITEサイドには、他にも隠しておきたいことがあるということになる。

 一斉演説当日、UNITEは筆者の取材から逃れるためにツイッターを駆使し偽装工作を行った。演説終盤にツイートを流して遠隔地に筆者を誘き寄せようとしたり、既に演説が終わった場所からさも現在演説中であるかのような画像つきツイートを流した。筆者が取材に訪れる可能性が高い東京での演説については徹頭徹尾、演説の終了後または終了直前にツイート、筆者をメンバーに接触させないよう細心の注意を払い工作に励んだ。

 翌17日、UNITEがFACEBOOKにUPした記事にはこう記載されていた。

「UNITEとして演説に立つすべてのメンバーが、勇気を振り絞り、時に手を震わせながら声を上げています。UNITEはこれからも声を上げ続け、勇気ある若者の代表であり続けたいと思います」

 勇ましい言葉とは裏腹に、UNITEには筆者と対峙する「勇気」は持ち合わせていなかった。

内部資料が漏洩、ついに「正体」が露呈する

 それにしても、なぜこれほどまでにUNITEは筆者の直撃取材を警戒するのだろうか。その答えの一端は前述したようにUNITEメンバーへの直当て取材の成果にある。彼らが隠しておきたかった「UNITE=統一教会の2世信者組織」を筆者が暴いてしまったのだ。そして週刊朝日の記事が、UNITEを使ってある事を成そうと企てていた人たちの目論見を台無しにしてしまった。内部情報によると、記事を読んだ勝共連合の上層部は激昂したという。

 UNITEを駒とする「彼ら」は、筆者の直撃取材を受けたメンバーの口から真実が明かされてしまうことを惧れていた。それは、この保守系大学生組織に関する機密事項の存在を示唆していた。

 肝心なのは、同教団の2世信者が自主的・自発的な意思を以って対外的な示威活動を行なうことは、過去の事例をひもといてもあり得ないという点だ。つまり2世信者が参集したUNITEは「自主的な独立組織」ではなく、教団サイドのコントロール下にあるということになる。では、その背景には何があるのか。

 UNITE誕生前夜の政治情勢を改めて振り返ってみよう。

 当初、2016年の参院選は、衆参同日選挙になるのではないかとの予想が立てられていた。そして選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる法案が施行されて最初の国政選挙ということで、若者の政治参加への関心が高まりを見せる中、SEALDsが若者に限らず多くの国民の支持や注目を集めていた。さらには参院選全32一人区で野党統一候補を擁立するために独自候補を立てないと決定した共産党が、自民党にとって初めて脅威となっていた。

 こうした背景から、この時期に「現政権の政策・憲法改正を支持し、共産党を批判する反SEALDsとでもいうべき大学生グループが全国で自然発生的に誕生し、各地で声を挙げている」という構図を最も欲していたのは政権・官邸筋だったのではないかとの推測が改めて導かれる。

 UNITEの結成や活動に政権・官邸の意向は働いていなかったのか。その疑惑を再度念頭に置いて検証を進めた。

 繰り返すが「UNITEは国際勝共連合の下部組織ではなく大学生による自主独立組織である」というのが、勝共連合とUNITE側の言い分だった。勝共連合の機関紙『思想新聞』10月号に掲載されたインタビュー記事でも、小村代表はUNITEの全国への拡大について「ホームページの呼びかけなどを通して全国から多くの学生が参加した」と述べている。

「憂国の念に駆られた大学生によって自主的に結成された学生組織が、ホームページの呼びかけなどを通して全国に拡大、各地で街頭演説やデモ活動を行ない一大ムーブメントとなっている」これがUNITE側のストーリーだ。

 UNITEは公式サイトやSNSで頻繁に情報を更新。その中で自分たちの活動展開を「快進撃」と称し「真に国を憂う大学生たちが立ち上がり、注目を集め始めている」などと自画自賛、あたかも安倍政権を支持する学生組織の活動が、社会現象となっているかのような発信を続けてきた。

 ところが、実際に彼らの活動を取材すると、その発信内容と相反する実態ばかりが露見した。筆者が目撃した街頭演説の現場では、彼らが喧伝するような「一般の人の支持を集めている」「多くの人が学生の声に耳を傾けた」という光景は一度たりとも確認できなかった。

 彼らのチグハグかつ不自然な言動や行動は何に由来するのか。筆者は、UNITEに関する教団内部資料を入手した。その内容から、ついにこの大学生集団の「正体」が判明した。

 次稿では、UNITEの正体と彼らの活動に関与した政治家、そして首相官邸での教団首脳との密談について記す。(文中敬称略)

<鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆)・Twitter ID:@cult_and_fraud>

すずきえいと●滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表〜主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)

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