「安倍首相は“エセ保守”。心を動かすものが何もない」。籠池泰典・森友学園前理事長が安倍首相批判

「安倍首相は“エセ保守”。心を動かすものが何もない」。籠池泰典・森友学園前理事長が安倍首相批判

安倍首相の応援演説を聞く籠池夫妻。4月20日、寝屋川市駅前

◆安倍首相街宣の現場に、籠池泰典氏が登場

 参院選の前哨戦として注目された「大阪12区補選(4月21日投開票)」最終日の20日、安倍首相は選挙区内3か所で自民党公認の北川晋平候補の応援演説を行った。しかし、結果は維新の藤田文武候補(現・衆院議員)に約1万3000票差をつけられて敗北。沖縄3区補選でも敗れて2連敗となり、第2次安倍政権下での補選敗北は初めてであったことから「安倍政権に打撃」と報じられた。

 大阪での安倍首相の街宣を聞いていたのが、森友学園前理事長の籠池泰典氏と妻の諄子氏だ。諄子氏が「ウソつき」と何度も口にすると、泰典氏も時おり首を傾げて呼応。街宣終了後に行われた囲み取材では「ウソばかり」「心に響く内容はなかった」と酷評した。

 そのやり取りを聞いていた聴衆からは「参院選に出てください!」という声がかかった。そんな期待感を抱かせるほど、籠池氏は次のような政権批判を矢継ぎ早に語っていたのだ。

◆「安倍さんの演説はウソばっかり」

――萩生田光一幹事長代行の消費増税延期を示唆する発言についてどう思いますか。

籠池泰典:衆参ダブル選挙は絶対にあります。安倍首相は「消費税は上げない」と言って増税を延期、衆参同時選挙に打って出るでしょう。野党は、大企業税などを取ることによって『消費税ゼロ』の方向に持って行かないといけません。

 保育所をたくさん作るということは、今の段階では賛成です。でも、安い給料で働かせる女性労働力を当てにしていてはダメ。保育士さんだけでなく、他の企業で働く女性も(賃金を男性と)同じ金額に上げないといけない。それではじめて「女性が輝ける」と言える。「働け」「働け」と言って「でも給料は安いぞ」というのはとんでもない話でしょう。

 今日の安倍さんの演説は全然ダメ。ウソばっかり。厚労省の(勤労統計の)データもみんなデタラメだもの。(安倍首相は)「これだけ良くなりました」と言っていますが、根拠はどこにあるのか。根拠を出せないでしょう。出せないことをちゃらちゃら言うのだから。

 自分の実績を言うだけで、本当に国民の心をグーッと動かせるようなものがあるかと言うと、何もない。涙を流すところがありましたか? 何もないでしょう。

 昔の政治家だったら、田中角栄さんだったら、「うん、そうやな」「ああ、そうなんや」となるじゃないですか。あの人(安倍首相)には何にもない。数字の羅列だけ。どうして万博がいいのか。カジノがついて来る。よくないですよ。プラスマイナスで言うなら、マイナスの方が多い。

――安倍政権が、米国製の兵器を大量に買っていることについては?

籠池:安倍政権はアメリカべったりで、米国製の武器をどんどん買っています。僕は“真正保守”で、安倍首相は“エセ保守”。アメリカのポチです。街宣で「給料は上がっている」と言っていましたが、(実質賃金は)上がっていない。上がっているのは防衛費だけ。

 アメリカから1機150億円もする(F35) 戦闘機を100機も買う。「自分の国で作れよ」という話ですよ。アメリカのポチみたいに「米国製兵器を買ってください」と言われて簡単に「そうですか、分かりました」と言うのはとんでもない話でしょう。

◆籠池氏「“忖度道路”も、どこかで首相による命令があったのではないか」

――“忖度道路”と呼ばれた下関北九州道路(第二関門橋)については?

籠池:今までの政権はしっかりとしていたから、プライマリーバランスを考えていたでしょう。それが安倍政権になって「10年、20年経ったら誰も覚えていない」ということで、大物政治家の地元にどんどん立派な道路ができていくわけですよ。命令なしに進められる“忖度道路”と言われていますが、忖度じゃない。(安倍首相が)命令しているんだもの。

 命令が最初にあって、それから忖度がある。私の森友事件もそうです。命令が財務省にあって、忖度が始まった。それと(下関北九州道路も)まったく一緒です。

※野党側の追及では、安倍首相が直接指示をしたという証拠は出てきていないが、籠池氏は森友事件に関する自身の体験から「どこかで首相による命令があった」と確信しているという。

――大阪12区補選に、野党統一候補として宮本岳志・前衆院議員(共産党)が出馬しました。

籠池:宮本前衆院議員には、森友問題を大きく展開された功績がある。宮本さんは武士道に則って、衆議院議員を辞めて大阪12区補選に出たわけでしょう。野党糾合(結集)のためでしょう。それはやっぱり評価せなあかん。勝ち負けは別にして、その心意気は凄いものがある。立派だ。武士道の精神だ。

 最後に籠池氏は、首相街宣を聞いた今日のことを一句に凝縮させて色紙に書き、「春清し 心のさざなみ いかにすらむ」と読み上げた。そして「その心境は『春は清清しくて心地いいのだけれども、今日の演説、そして安倍首相の心の中を垣間見て、心がさざなみが立つくらい立っている。これをどうすればいいのだろうか』ということです」と説明した。

 歯切れのいい安倍政権批判を続ける籠池氏が、衆参ダブル選挙も取り沙汰される参院選に向けて発信を続けるのは確実。今後もメディア吸引力抜群の籠池氏から目が離せない。

<取材・文・撮影/横田一>

ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

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