杉田水脈議員が勝共連合ダミー団体の集会で講演も、「存じ上げません」

杉田水脈議員が勝共連合ダミー団体の集会で講演も、「存じ上げません」

勝共連合ダミー団体主催の会で講演する杉田水脈議員(杉田議員のTwitterより)

◆<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第14回>

 参院選を控えた今年4月から6月にかけ、3人の自民党国会議員に統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係が発覚した。

 同教団系政治組織・国際勝共連合のダミー団体が主催する会で講演した杉田水脈衆議院議員を始め、日韓トンネル推進イベントでは日本の国会議員を代表して柳本卓司参議院議員が挨拶、同教団系政治団体の大会では西村明宏衆議院議員が代表世話人を務めた。

 各議員の事務所に質問書を送付、2人の議員から回答を得た。

◆勝共連合ダミー団体の講演会で講師をした杉田水脈

 4月28日、杉田水脈議員は熊本県で「青少年を守る家庭の在り方」と題した講演を行った。会場は県下の展示場・グランメッセ熊本、講演会を主催したのは『KPF社会教育委員会(一般社団法人熊本ピュアフォーラム)』なる団体。

 熊本ピュアフォーラムは当連載第10回「家庭教育支援法制定をめぐる勝共連合の策動<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第10回>」で報じたように、事務局長を国際勝共連合熊本県本部代表者の稲富安信が務めており、同連合のダミー団体と目されている。2016年10月の設立記念講演会では、同連合本部の青津和代本部長が講演している。

 杉田は講演後のパネルディスカッションにもパネラーとして自民党の地方議員らと出席しており、当日夜に開催された『「杉田水脈・衆議院議員」歓迎懇談会』でも主賓の扱いを受けた。

 杉田は2016年に「幸福の科学や統一教会の信者の方々にご支援、ご協力いただくのは何の問題もないのですが、どうしても宗教団体の名前が出ると日本国内では過剰に反応して「バックに宗教団体がいるのでは」と言った憶測が飛び交い、苦情や問い合わせが事務所にあります。ので、その都度このように否定します」とツイートしている。

◆質問には迅速に回答してくれた杉田議員

 さらに、杉田議員事務所には秘書として統一教会関係者が入りこんでいるとの情報もあったため、併せて同日、杉田議員の事務所に質問事項を送信した。

 質問書では熊本ピュアフォーラムが国際勝共連合のダミー団体であることを指摘した上で「講演会に参加した経緯」「ダミー団体との認識」「統一教会・勝共連合からの支援の有無」「秘書に同教団関係者がいるとの情報」「統一教会が起こしてきた社会問題への見解」「自民党安倍政権が統一教会と深い付き合いを続けている現状への見解」について尋ねた。

 GW明けの5月7日、杉田水脈事務所から回答があった。

1.講演会に参加した経緯

→ 昨年お招きいただいた熊本での講演に、今回の主催者の方が参加しておられたことを機にご依頼をいただきました。パネリストには地元の地方議員の方々も参加されること、主催代表者様が過去に県の教育長をされていたこと、地元国会議員が主催団体の顧問をされておられること等を勘案し、参加することを判断いたしました

2.熊本ピュアフォーラムが統一教会・勝共連合のダミー団体であることについて

→ 存じ上げません

3.統一教会・勝共連合・世界平和連合からの支援について

→ 物的支援、人的支援を受けたことはありません。個人の方々の講演への参加、著書のご購入、SNSのフォロー等につきましては承知しておりません

4.杉田事務所の秘書に同教団の関係者

→ そのような事実はございません

5.統一教会が起こしてきた社会問題への見解

→ 報道等でしか存じ上げませんが、もし法に反するような活動があれば、司法の場において判断されるべきことかと存じます

6.自民党安倍政権が統一教会と深い付き合いを続けている現状への見解

→ そのような事実は存じ上げません

 回答を踏まえ、翌8日、追加の質問を送信した。

1.主催団体の顧問をしている地元国会議員の名前

2.2016年8月のツイートにあった「幸福の科学や統一教会の信者の方にご支援、ご協力いただくのは何の問題もない』との文言の「ご支援」「ご協力」の事例・実例

 翌日、回答があった。

1.「主催団体の顧問を務める地元国会議員」について

→ 主催団体様からいただいた情報ですので、主催団体様にご確認いただきたく存じます

2.幸福の科学や統一教会の信者からの「ご支援」「ご協力」の事例・実例

→ 講演会への参加、著書購入、SNSのフォローや投稿等のほか、選挙における投票行動などを想定。これらの方々がご指摘の(またはその他の)宗教団体等の関係者であるかどうかを、当方では関知や調査のしようがありませんし、いかなる宗教団体に所属する方であっても、これらの行為をお控えくださいと要請することもできません。また、これらの行為の有無に関わらず、杉田の政治活動や政策にご賛同いただいている方々は、等しく「支援者」であると認識しております。同様に、いかなる宗教団体に関係しておられる方であっても、杉田の政治活動や政策に賛同しないでくださいと排除するつもりはございません。従って、当該のツイートにつきましては「政治活動や政策にご賛同いただき、講演に参加したり、著書をご購入いただいたり、SNSをフォローしてくださったり、選挙で投票してくださる方々の中には、特定の宗教の関係者の方もいらっしゃるかもしれませんが、特定の宗教団体から組織的に物的支援や人的支援を受けたことは一切ありません。」という意味であるとご理解いただければと存じます

◆統一教会が支援した候補を応援

 7月の参院選で杉田は、統一教会の支援を受けた北村経夫候補の応援弁士として全国を飛び回った。大宮で開かれた北村の個人演説会ではやはり統一教会の名称変更に尽力した下村博文とともに会場の半分以上を占めた教団信者から大喝采を浴びている。(参照:安倍首相肝いりの候補、北村経夫参議院議員の演説会に統一教会信者が大量動員<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>)

◆教団系イベントで国会議員代表として挨拶した柳本卓司

 5月21日、参議院憲法審査会会長の柳本卓司参議院議員(当時、2019年7月28日に政界引退)が、衆議院第二議員会館で開かれた『日韓親善交流 日韓トンネル推進 議員・有識者・韓国言論人懇談会(主催:日韓トンネル推進全国会議)』に出席、日本側の国会議員を代表して挨拶した。

 同会では国際ハイウェイ財団会長を兼任する徳野英治日本家庭連合会長やUPF天宙平和連合会長を兼任する梶栗正義国際勝共連合・世界平和連合会長も主賓として挨拶しており、完全な教団イベントだ。

 2018年8月10日にも衆議院第一議員会館で同懇談会が開かれており、当時の教団サイドの報道資料から、柳本が出席していたことが確認できる。

 柳本の事務所に『日韓トンネル推進懇談会』に参加した経緯、同教団の反社会性についての見解、反社会的教団と懇意にしてきた道義的責任、政界引退後も関係を続けるか、との設問事項が含まれた質問書を送ったが、期限までに回答はなかった。

◆統一教会系政治集会で代表世話人をした西村明宏

 6月9日、仙台国際センターで「激動の二〇一九年 日本の行くべき道 安全保障フォーラム 宮城県大会」が開かれた。主催は統一教会の関連団体・アジアと日本の平和と安全を守る宮城県フォーラム。同教団の徳野英治会長が平和大使協議会会長の肩書きで講演を行った。

 この統一教会イベントで宮城県代表世話人を務めたのが自民党の西村明宏衆議院議員だ。清和会に属し自由民主党宮城県支部連合会会長を兼任する西村議員の事務所に質問書を送信したが回答がなかったため後日電話取材を行った。

 電話口に出た西村議員の政策秘書は「地元の会合ですね。多分出席したと思う」「うちとしてはその日朝から晩までびっしりの会合の中の一つという認識」と同大会への出席を認め、西村議員が代表世話人になった経緯についてこう弁明した。

「認識としては地元の会合なので都合がつけば行くようにしている。前の会長、世話人代表が亡くなった何かでお辞めになり(西村が)今、県連会長をやっていることから、肩書きがある議員で誰か箔の付く人ということでうちに話が来た。うちのスタンスは何でもかんでも陳情含め軽く受けるものではないが、特に他意もなく、そういう経緯と聴いている。深い繋がりとかそういうのは特にない」

 さらに、統一教会や勝共連合と特に懇意にしているというわけではなくこれまでに支援を受けたり秘書等スタッフにも教団関係者はいないとした上で「ご承知のようにこの勝共連合は勝手連で勝手に応援されるところもあるみたいなので、そこはちょっと窺い知らずなところもある」と含みを持たせた。

 勝共連合のロビー活動についてはこう言及。

「議員会館には横並びで情報提供という形で案内を持って来ている。活発にやられている団体という認識」

 当該大会と統一教会との関係については「もちろん。だってこの名前自体がそういう組織じゃないですか」と認識があったことを明かした。 

 今後については「私のレベルでは無責任なことは言えない。経緯が経緯だけに県連会長というのもあって、任期が終わればまた分からない。会合の出欠もその時の判断になると思う」と語った。

 統一教会と関係のある議員だと見られてしまうことについては「迷惑ですけどね、うちには。迷惑というのは当該団体に迷惑ということではなく効果と逆効果でいろんな賛否のご意見を受けることが本人してみれば他意はないのに、とそういう意味で迷惑」と“迷惑”を連発。

 統一教会に関し、霊感商法などの問題がある団体だの共通認識を西村議員と秘書は持っているのかと訊くと、明言を避けこう続けた。

「そこは問題があるかどうかというのは確証がないので。いろんな言われていることも自分でたとえば私が見たわけではないし、その証拠が何か手元にあるわけではないので、そこは迂闊に判断できない」

 教団の責任を認定する確定判決などの判例は判断材料にはならないのかと尋ねると「今の段階ではそこまでの判断はちょっとできない」と曖昧な返答。

 そして「ある意味決めつけは怖いかなと思う部分もある。慎重に今後判断していかなくてはと思っている」と回答を締めくくった。

◆勢いづく菅義偉官房長官の“傘下議員”たち

 様々なところに触手を伸ばす統一教会の策動が伺える。次稿では、参院選で発覚した新たな動きを踏まえ、今後の政界と問題宗教団体の関係性を検証し、存在感が増した菅義偉官房長官周辺の動きに焦点を当てる。

(文中敬称略)

<取材・文/鈴木エイト>

【鈴木エイト】

すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表〜主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)

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