1ヶ月500万円の利益も!達人に聞く「恐怖指数」で稼ぐ法

1ヶ月500万円の利益も!達人に聞く「恐怖指数」で稼ぐ法

一時的に急騰しても必ず元に戻る!/VIX指数の月足チャート。’08年のリーマンショック時には一時的に89.5をマークしたが、1年半後には平常時の水準に復帰。恐怖指数が天井知らずに上がることは世界の終わりを意味するので、いずれ下がるものと捉えてよい

 金融市場が荒れ模様を察知すると上昇するVIX指数。「恐怖指数」とも呼ばれ、指数に連動した金融商品が人気で、手堅く稼ぐ手法が存在する。達人2人に攻略法を聞いた!

◆1か月で500万円の利益! 「急騰してもまた戻る特性」を逆手に取れ

 米中貿易摩擦の煽りを受け、日本の株式市場は停滞モード。トランプと習近平のチキンレースに決着のメドは立たず、日韓関係も近年稀にみるほどの悪化ぶり。世界動向にきなくささが漂ってきている。

 マーケット全体がリスクオフに向かえば、金や円が買われるというのが投資では定石だ。だが最近では、VIX指数――別名「恐怖指数」に連動した金融商品をトレードして圧倒的な利ざやを稼ぐ情報強者も出てきている。

◆「いずれ定位置に戻る」特性を生かして売る!

 VIX指数とは、米国株の代表的な指数であるS&P500をもとにシカゴ先物取引所が算出した数値。数字が高ければ高いほどマーケットが「危険」と判断していることを示し、過去12年分の推移は下のグラフに挙げたとおりだ。

 通常時は10〜20で推移することがほとんどだが、注意すべきは「○○ショック」と呼ばれるような緊急時。過去を遡るとリーマンショックでは瞬間的に89.5をマーク。だがそれ以降は’15年のチャイナ・ショックで53には到達したものの、ギリシャ危機(’11年)や米国債の値下げ(’11年)、昨年のVIXショックでも50までの上昇だった。

 危機が過ぎれば、VIX指数はやがて10〜20の“定位置”に戻るという特性を持つ。この、「世界経済に大きな危機が訪れると急騰するが、やがて落ち着いて元の水準に戻る」という特性を生かしたトレードが「VIXショート」と呼ばれる手法だ。

「VIX指数に連動した金融商品があって、国内業者では唯一GMOクリック証券が取り扱っています。僕が愛用しているのは米国VIというもの。上昇していったら売り増ししていき、下がったら細かく利確。これを機械的に繰り返していくだけです」

 そう語るのは、サラリーマンで投資家のあやたか氏。20代ながら資産50万円から5000万円まで増やした辣腕トレーダーだ。

◆VIX指数が50を超えても耐えられる運用が鍵

「VIX指数を使ったトレードに気づいたのは、イギリスのEU離脱を問う国民投票の直前でした。VIX指数が上昇していったので試しに売りで入ったところ、まさかの離脱でさらに急騰。でも、翌日には材料が出尽くして下落していった。この経験から『資金管理さえ徹底すれば、かなりの勝率で稼げる』と気づいて、研究を重ねていったんです」

 あやたか氏の手法は、売りを積み増していくスタイル。まず最初に見るのはVIX指数の数値だ。

「VIX指数と実際にトレードする米国VIの値は違うので慣れが必要ですが、手順としては『VIX指数が15から1上がるごとに米国VIで売りポジションを積み増す』と考えます。保有したポジションはそれぞれ1.5下がったところで決済。最初は含み損になっても、そのうちプラス転換するので気長に待つ心持ちが大事。そのために資金管理は徹底します」

 あやたか氏が目安にしているのは、VIX指数が50を超えても耐えられる状況。資金量や許容できるリスクによってとるポジションを整理して運用している。

◆複利での運用は厳禁! カバーを意識すればローリスクで高利回り

「チャイナ・ショック級には耐えられるように計算しています。それでもいつかはリーマンショック級の急騰が来るでしょう。それまでに利益を出しておいて、カバーする戦略をとるべき。複利での運用は厳禁です」

 VIX指数が16〜25に推移した場合、300万円を元手に米国VIを各10枚ずつ売りあがっていくと、14.5まで戻ればすべて利確できることになる。一度の上下変動で利回りが約5.3%になるのだ。大きく動くチャンスは頻繁にはないが、ローリスクでこの利回りはなかなか得られるものではない。

◆年利50%を楽々達成する海外金融マニアも登場

 あやたか氏とは違うアプローチでVIXショートを攻略している猛者もいる。

「投資歴は20年。ブルームバーグの端末を自宅に導入し、海外の株、債券、ETFなど調べまくりましたが、行き着いた答えがVIXショートでした」

 と笑みをこぼすのは、専業投資家の玉井俊太郎氏だ。

「私がトレードするのはVXXという金融商品で、年にトレードするのは3〜4回。でもこの4年間、年利で50%は稼げています。トレードの手順は、VXXの値が一日で10%動くような日が出てきたら、そのときから監視を開始。これが初動で、二段上げ、三段上げと続くパターンがほとんど。もっとも安全なのは三段目を確認後、下落し始めたところで売りから入って、ポジションを構築していきます。間違っても初動で入らないことがポイント。あと頂上で売ることにこだわらず、ドルコスト平均法のように淡々と売りを積んでいくのがポイントですね」

 直近の事例では、8月1日からVXXは10%以上の急騰を開始。21から2週間で31まで上昇し、25前後まで下落した。この事例でいえば8月1日で飛びつかず、5日か6日まで待ってから入るのが正解だという。

「昨年末から年始にかけて、VXXが26から50を突破する場面もあったのですが、私は初動では乗らず43→45→47といった具合にナンピン。3か月ほどかけて30まで下がったところで全利確しました。こういうスイングも効果的。張りつかなくて済むので楽です」

 恐怖指数という仰々しい名前とは裏腹に、トレーダーにチャンスを与えてくれるVIXショート。少額から始めてみるのはアリかもしれない。

【あやたか氏】

兼業投資家。20歳で株式投資を開始。VIX指数投資を中心にさまざまな手法を駆使して元手50万円が約5000万円に。あやたかの株ブログ

【玉井俊太郎氏】

専業投資家。’06年より脱サラし専業に。海外金融商品マニアを自任する投資マニア。月額20万円以上する端末を操り、日夜自室にこもって研究に勤しむ

取材・文/浜田盛太郎 図版/ミューズグラフィック

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