小池百合子都知事2期目出馬濃厚!? 今だからこそ振り返りたい「東京五輪のマラソン会場騒動」

小池百合子都知事2期目出馬濃厚!? 今だからこそ振り返りたい「東京五輪のマラソン会場騒動」

東京都HP、小池知事「知事の部屋」より

◆小池百合子都知事、激おこになる

 先日、東京オリンピックのマラソン会場が突然、札幌に変更されることになり、小池百合子都知事が激怒したのが話題になりました。(参照:毎日新聞)

 たとえ会場の気温が40度になろうとも、たとえ選手や観客がどれだけ熱中症で倒れようとも、小池知事にとって東京開催は譲れません。なにしろ、道路を工事したのも、あそこにマンションを建てられるようにしたのも「東京オリンピックでマラソンをやるからだ」という大義名分があったのに、今さらマラソンをやらないのにセコセコと工事をしていたとなれば、マヌケ以外のナニモノでもありません。

 ましてや、マラソンをやるとあらば、42.195kmにわたって警備が必要になります。どこで変態が乱入してカメラに向かってナニを出してくるか分からないし、ナニだったらまだしも、刃物や爆弾だったら困るわけですから、警視庁もフル稼働でしょうけど、警備員の数だって半端じゃありません。実は政治家にとって、この「警備にたくさんのお金がかかる」というのが最も大切なことで、このお仕事をどの会社に振ってあげるのか。これこそが日頃からさまざまな政治家先生の皆様に、本当の「お・も・て・な・し」をしている企業への見返りです。オリンピックでマラソンをするとなったら、一体、どれだけのお金が動くのか。そう考えると、この利権を札幌に持って行かれるのは、とっても大きなことなのです。

◆話が全然違う東京五輪の闇

 今となっては多くの人が忘れてしまったかもしれませんが、東京五輪は半径8km以内で行われ、ほとんど移動の必要がなく楽しめる「コンパクト五輪」というコンセプトでした。

 海外からやってきた観光客の皆さんは、仮にタクシーで移動したとしても、さほど高くない料金と移動時間でさまざまなスポーツのハシゴを楽しめるはずでした。

「なんて素敵なオリンピックなんだ!」と思いきや、野球やソフトボールは福島県、ゴルフは埼玉県、サーフィンは千葉県と外に広がり、とうとうマラソンを見に行こうと思ったら北海道まで行かなければならなくなりました。

 当初の話ではマラソンを見るにしても、近隣のホテルに宿泊していれば、タクシーで少し行けば見られたという話ですが、今はマラソンを見ようと思ったら、一旦、飛行機に乗り遅れないように時間の余裕を見ながらリムジンバスや電車で羽田空港に向かい、荷物を預け、手荷物検査を済ませ、新千歳空港行きの飛行機に乗り、荷物をピックアップし、札幌行きのエアポート快速に小1時間ばかり揺られ、札幌駅に到着し、そこからタクシーでマラソンを見られるポイントまで移動する。

 閉会式も見ようと思ったら、その逆の行程を踏まなければならない完璧なる「旅行」です。半径8km以内と言われていたものが、今となっては半径800kmになっているんですから、コンパクトさの欠片もありゃしないという話です。

 しかし、これというのも招致の段階で開催予定日は7月下旬から8月上旬と東京がもっとも暑い時期だというのがわかっていたにも関わらず、”この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である”(出典:東京五輪立候補ファイルpp13)などと大嘘をぶっこいていたのだから、そのツケが回ってきただけに過ぎません。全ては適当なこと行って招致した連中の責任です。

◆スタート時刻でモメていた

 最初から東京五輪の開催期間はわかっていたわけですから、マラソンに限らず、さまざまな競技がめちゃくちゃ暑い中で開催されることぐらいはわかっていたはずです。

 東京都が「暑さ対策」として計上している予算は約80億円。このお金を使って行われる暑さ対策は、人工雪を降らせる、アサガオを並べる、事前にサウナに入って暑さに体を慣らすでした。

「人工雪を降らせる」は、トライアスロンの競技が行われるお台場で実験が行われ、ただ湿度が上がって余計に暑苦しく感じるばかりか、カメラマンが氷に足を滑らせてコケるハプニングが発生。3つの中では一番涼しくなりそうなのに、体感温度を上げるだけの逆効果という結果に。

「アサガオを並べる」は、温度を下げる効果はまったくないのですが、いい大人たちががん首揃えて「見た目は涼しい」と言い出す始末。

 最後の「サウナに行って体を慣らす」は、お医者さんたちも「効果的だ」と言っているらしいのですが、そりゃサウナに比べたら東京の気温なんて涼しく感じるでしょう。だって、サウナの室温は80度とか90度なので、仮に東京の気温が40度だったとしても涼しく思えるでしょう。

 でも、「サウナに比べれば、こんなものは全然暑くない!」と本気で言っている奴がいたら、そいつの頭に氷水の一つもぶっかけてやった方がいいです。

 小池百合子都知事と言えば「打ち水」で有名ですが、42.195kmのマラソンコースに打ち水をするのは大変なので、実は、マラソンにおいては有効な暑さ対策ができないままでした。

 一応、東京都医師会などがスタート時刻を5時30分以前に早めれば熱中症のリスクを下げられるといい、スタート時刻がジリジリと早くなり、最終的には「深夜3時にスタートさせてはどうか」と、日本にいながら真面目にブラジル並みの時差を作り出そうとする大人まで現れました。

 しかし、一体、誰がそんな時間にマラソンを見るのでしょうか。だいたい深夜3時にスタートするなんて、アスリートにとっても調整が難しいです。深夜3時にベストコンディションを持ってくるためには、昼の3時ぐらいに寝て、夜の11時ぐらいに起きて、何ゴハンだか分からないゴハンを食べ、深夜にストレッチをしたりして、午前3時に体のピークを持ってくるのです。世界の超一流アスリートに新たな調整を試させる。スポーツには「アスリート・ファースト」という基本があり、小池百合子さんもかつては「都民ファースト」を掲げていたはずです。深夜3時に走るのは、アスリートにも都民にもファーストではない。ただの「利権ファースト」です。結局、すったもんだをしているうちに、IOC(国際オリンピック委員会)が森喜朗会長や橋本聖子五輪担当大臣らと相談をして、札幌開催を決めてしまったのでした。

◆マラソンのチケットを買った人たちの困惑

 かつて沢田研二さんが「動員が少ないから」という理由でライブを中止をして、めちゃくちゃバッシングをされましたが、男子マラソンなら6000円のチケットを買い、新国立競技場で42.195kmを走ってきた選手たちがゴールする瞬間を見届けようと思っていた人たちは、沢田研二どころではなく振り回されています。

 下手をすれば午前3時に走り出すかもしれず、眠い目をこすりながら徹夜で見せられる覚悟だったかと思ったら、今度は札幌に行けと言われる。札幌に行けないんだったら払い戻しにも応じるけど、その時は2〜3か月かかるというのです。しかも、男子なら6000円なんですが、女子の場合は他の競技との合わせ技になっているため、マラソンがないから払い戻しというわけにはいかず、高いお金を払ってボリュームをショボめにされる始末です。

「こんな詐欺みたいな商売をしてて良いのかよ!」とツッコまずにはいられませんが、東京五輪を開催していただくために巨額のマネーを積み、さらにはインフラ整備などで兆単位のお金を突っ込み、それでいてチケットの販売はグダグダで、金額だけ一人前。これはもう責任者出てこいというレベルなんですが、出てくるのが森喜朗先生。ホゲホゲした爺さんがウダウダ言うだけで終わりです。オリンピックが素晴らしいものかのように持ち上げられていますが、どうせ庶民はテレビで見るだけなんだから、日本じゃなくても変わらないという話です。

◆札幌でマラソンを開催するのに60億円

 札幌でマラソンを開催するにあたり、北海道や札幌市が負担しなければならない予算は約60億円だと言われています。

 その分、マラソンを見たいという人たちが北海道に集まり、ホテルに宿泊し、メシを食い、好きな人はススキノに行き、ついでに観光したりしてくれることが見込まれるので、経済効果という意味では元が取れるという計算なんですけど、警備用フェンス、中継するための仮設電源の整備などで約60億円。コースの整備や競技運営にかかる費用はこれから計算するというので、トータルでは100億円規模になります。いきなり札幌でマラソンや競歩が行われることになって、それだけ札幌周辺で予算を流してもらえる企業があるということになります。

◆東京都知事選は来年7月5日投開票

 来年7月24日から開幕する東京五輪に配慮し、東京都知事選が来年6月18日告示、7月5日投開票で行われることが決定しました。まだ正式に出馬を表明している人はいませんが、現職の小池百合子さんは2期目に立候補してくるだろうと言われていて、先日は自民党の二階俊博幹事長と二人きりで会談をしていました。

 ただ、自民党も形だけは候補者を立てると見られており、丸川珠代さんの名前も挙がっているようですが、固辞する可能性が高いと見られているようです。4年前の東京都知事選は、野党統一候補としてジャーナリストの鳥越俊太郎さんが出てきたのですが、今年は野党の有力候補の名前は挙がっておらず、このままだと小池百合子さんの2選目が有力といった情勢です。

 都民のみなさんも、五輪の背景でこういうアホみたいなゴタゴタがあったことを是非来年の投票日まで覚えておいてください。

<文/選挙ウォッチャーちだい>

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