勝ち組トレーダーの流儀。FXと仮想通貨双方の凄腕が語り合う<田畑昇人 VS HAT>

勝ち組トレーダーの流儀。FXと仮想通貨双方の凄腕が語り合う<田畑昇人 VS HAT>

田畑昇人氏

◆勝ち組投資家が白熱討論60分! 田畑昇人 VS HATが語る“トレーダーの流儀”

 為替、株、仮想通貨。一攫千金を夢見てトレードに挑むも、勝ち残れる人はごくわずか。「市場参加者の90%以上は負ける」とさえ言われるほど厳しいのが、マーケットの実情だ。それでも利益を生むトレーダーは何を考え、どのようなマインドでいるのか。’15年、大学院在学時に出版した『東大院生が考えたスマートフォンFX』が累計10万部を超えるベストセラーとなり、2冊目として12月20日に『武器としてのFX』を発売した著者・田畑昇人氏と、ビットコイントレーダーとして名を馳せるHAT氏(関連記事)と“トレーダーの流儀”をテーマに白熱討論!

◆日次利益億超え! ビットコイン界の超大物トレーダー

田畑:HATさんは仮想通貨の人、というイメージですけど、為替でも稼いでいたんですか?

HAT:私がトレードを始めたのは大学3年の頃になります。途中から仮想通貨メインに移行しましたが、先に手をつけたのは為替です。トータルの戦績は、最終的には2000万円くらいのプラスでした。

田畑:FXの大学デビュー組。僕と同じですね。

HAT:当時は2ちゃんねるの市況2板にあるドル/円スレに常駐していたんですが、そこで有名だったのが「クソポジチェッカー」。田畑さんが1冊目の本で解説していたオアンダのオープンポジションです。

田畑:オアンダが2ちゃんねるでも話題になっていたとは、知りませんでした。でも当時、雑誌や本で言及されることはほとんどなかったですよね。僕は大学の同期から教わってオアンダを使い始めました。

HAT:オアンダでストップが多いところって確かに狙われるんですけど、レンジ相場だと効かなかったりしますよね。「これって使えるのか……?」という不安もあったときに田畑さんの本を読んだんです。

田畑:ありがとうございます。

HAT:オアンダのオープンオーダーを基本にしたEA(自動売買)を作ったりもしましたよ。

田畑:それはすごい。

HAT:経済指標の発表予定を先回りしておいて、ボラティリティの高まる時間はトレードしないようにしていたのも前著と同じだったかも。

田畑:ボラは重要ですよね。僕の考え方ですが、ボラの高いとき=市場の非効率性が高まっているとき。経済指標のサプライズや大きな材料があると、市場の非効率性が高まる。それを効率的な市場に戻しにいく動きがトレンドだと思っています。前著では「指標発表時には触らない」のがマイルールでしたが、今ではそれが織り込まれていく様が確認できたら、積極的にポジションを取りにいってます。

◆2人の共通意識。ボラティリティがなければ相場は走らない

HAT:非効率性は何で判断するんですか?

田畑:オプションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)が代表的です。

HAT:金融業界のプロであれば、見ているでしょうね。ビットコインでも私を含め見ている人は見ています。でも、IVまで説明している為替の本って見たことないですね。

田畑:一般の人には難しいですからね。ただ普通のトレーダーであれば通貨先物から計算される「通貨VIX」で代用できると思っています。ストップをターゲットにしていたのに、その直前で反転するって、よくある動きじゃないですか。それは通貨VIXが低い、つまり通貨のボラがないとき。だから通貨VIXは株の出来高のようなものでもある。

HAT:仮想通貨でも出来高は重要な指標です。

田畑:だからオープンオーダーや売買比率を見るだけでなく、通貨のボラを考えないとトレンドフォローのトレードは機能しないんじゃないか、と。

HAT:それが1冊目からアップデートされた部分なんですね。

田畑:あとはファンダメンタルズを取り入れたことも1冊目との大きな違いですね。

HAT:為替ではファンダメンタルズそのものはあまり見ていませんでしたが、特定のファンダに対して過去に何pips動いたかといったデータは取っていました。例えば格下げというニュースで過去の平均下落幅が50pipsなのに今回は10pipsしか落ちていないなら、それだけ買いが強いんだなとか。

田畑:ファンダについては今回の本でも書きました。日々のニュースをチェックするのは当然だけど、ボラが高まったときは「何があったのか」と後追いで調べても間に合う。動いた通貨があったら、原因を調べてほしい。

HAT:情報はどこで見てます?

田畑:メルマガも読んだりしますけど、一番はツイッターですね。著名トレーダーをフォローしたり、気になる記事があればリンクを踏んだり。

HAT:今はどのニュースサイトもアカウントがあるので便利ですよね。

田畑:ツイッターの公式ツールだと、ツイートが時系列に並ばないので、トレード向きのアプリを使ってもいいかもしれない。

HAT:僕は「twitcle plus」ですね。タイムラインが自動更新されるので便利です。

――お二人が考える「よいトレーダーの特徴」とは?

田畑:自分の考え方を頻繁にアップデートできる人、ですね。損切りは自分の間違いを認めることですし、そこで自分の考え方に固執すると損切りできなくなる。それは1回のトレードに限った話ではなく、市場全体にも言えること。HATさんみたいに「今は仮想通貨が稼ぎやすい」と思ったらFXをスパッと切って、次の市場へと行ける人が稼げる。

HAT:切るべきときに切れないトレーダーは悪いトレーダーの典型ですね。データや検証に基づいてトレードしていれば、ダメだなと思ったときにスパッと切れるはずなんですが。

田畑:初心者の頃は強制ロスカットされたこともありました。

HAT:私もFXを始めた頃、ロスカされました。ビットコインでも何度か経験しましたね。

田畑:ボラがあれだけ激しいとね。一日で20%、30%も動かれたらリスク管理が難しい。

◆相場で勝つのは楽せず勉強を積み重ねている人

HAT:僕がいいトレーダーだと思うのは、相場と真摯に向き合って「こうなればこう」と複数の仮説を立てて判断していくような人。あとは本をよく読むとか、マメで勉強熱心な人が最終的に勝っている印象があります。

田畑:世の中が進歩して、市場も絶えずアップデートされるわけだから、勉強する姿勢は絶対に必要ですよね。

HAT:みんな「楽して儲けたい」みたいな思いで相場の世界に入ってくるんですけど、結局、勝っているのって楽をせず勉強を積み重ねている人なんですよね。

田畑:早く始めて早く失敗することも大切。新しいことを始めても、最初はどうせ失敗するんですよ(笑)。

HAT:最初からうまくいことは、なかなかないですよね。

田畑:ビギナーズラックで勝っても宝くじと一緒。知識や経験が身につくわけではないから、小さな失敗を繰り返しながら負けた原因をひとつずつ潰していく。そうやって成功に近づいていけばいいと思います。

HAT:そのためには、「その道のプロを真似る」こともいい。投資SNS界隈はプロを自称するニセ者も多いので何でも信じるわけにはいかないですが、信用に足る人を見つけたら、その人の本や発言をベースに発展していくのがいい。「守破離」ってありますよね。教えを守り、破って発展させ、教えから離れて自分のものにする。

――お二人とも若くして成功しました。これからの時代、成功するためにどんなスキルが必要だと思いますか?

HAT:普通のサラリーマンなら英語とプログラミングですし、FXだったら英語は必要ですよね。

田畑:語学力はあるに越したことはないですが、ファンダの情報を英語で読めても利益に結びつけるのはまったく違う話ですよね。今の時代って流れが早くて、スキルが陳腐化するのも早い。スキルとは違うかもしれないですが、「チャレンジする力」みたいなのは必要かなと。僕の周りだと起業家でも、「そんなのダメだろう」と思うようなアイデアでもエグジットできたりしてる。挑戦する力があれば世の中の流れが変わってもついていける。

HAT:それは社会人も起業家もトレーダーも共通して必要ですね。

田畑:僕、ネットフリックスの月額800円がもったいないと思って契約していなかったんです。でも、使ってみたら「なぜ、もっと早く契約しなかったんだろう」って。YouTubeで十分だという先入観があったんですね。世間でいいと言われているものは、とりあえず試してみて、自分で判断することが大切だなと。

HAT:ジャック・マー(アリババ創業者)もそうですよね。何度も失敗しながら、アリババで成功した。

田畑:普通は心が折れますよね。

◆今後の相場観 仮想通貨市場にはまだ個人の優位性がある

――今後の見通しは?

HAT:仮想通貨は今はボラが落ちていますが、また拡大すると思います。私は初心者が始めるなら仮想通貨がいいと思う。機関投資家と個人で優位性にほとんど差がない。努力次第で優位性を得やすい市場です。

田畑:機関投資家が入らないのは流動性が小さいからですよね。

HAT:まだ大金を動かせる市場ではないですね。そのため、「クジラ」と呼ばれる大口の影響力が大きい。そこは難しい部分ではありますが、まだ優位性はあると思いますし、海外では大手取引所がビットコインの先物やオプションを始めています。そうした新しい商品は歪みが発生しやすい。狙っていきたいですね。

田畑:僕はボラをトレードしたいので米株市場の急落待ちです。米株と相関性が高いのは為替だと豪ドル/円、コモディだとゴールドが逆相関なので、そのあたりに注意しながら、VIX指数が上がってくるのを待っています。

◆<二人が薦めるトレーダー必読の名著4選>

トレーダーの血肉となる知識が凝縮。上達の近道は、書籍にあり!

●今井雅人著『外国為替トレード勝利の方程式』

「’05年に刊行された本なので今読むべきかどうかはさておき、自分が為替市場の本質を知るのに役立った一冊。どんなプレイヤーが市場に参加するのか。保険会社はどんな取引をするのか、銀行はどうかと、市場参加者それぞれの行動パターンを意識するきっかけになった。この視点はビットコインのトレードでも大切」(HAT氏)

●オリバー・ベレス/グレッグ・カプラ著『デイトレードマーケットで勝ち続けるための発想術』

「トレーダーなら誰もが読んでいるだろう定番書籍」(HAT氏)。「何度も読み返すだけの価値がある。印象的な言葉が多く、『チャートは嘘をつかない』『まず知識を求めよ、利益はその次である』『ポジションの取り方でトレーディングの8割は決まる』など、メモしておきたくなる。トレードの真髄に触れることのできる一冊」(田畑氏)

●田渕直也著『図解でわかるランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて』

「書店ではFXや仮想通貨のコーナーにばかり目が向きがちだが、金融や経済理論の書棚にも役立つ本がある。特に行動ファイナンスについては入門書や『マンガでわかる〜』系の本でもいいので1冊は読んでおくべき」(HAT氏)。「同感です。初心者トレーダーでもサラッと読めてわかりやすいのは図解が豊富なこの本」(田畑氏)

●高安秀樹著『経済物理学の発見(エコノフィジックス)』

「コイントスでは普通、表裏の確率は50%ずつ。それが偏った状態がトレンドです。トレンドがどう進んでいくのか、物理学に照らして解説していくのが、この本。ブレイクアウトした大きな足が初速だとすれば、その後はどんな速度で進むのか―。ボラティリティをトレードするなら、こんな視点も必要。新書なので読みやすい」(田畑氏)

【田畑昇人氏】

大学在学中にFXを開始するも、元手を溶かした苦い思い出を糧に、日夜研究に没頭。「時間帯への意識」「ダウ理論」そしてオアンダが公開しているポジション情報から相場の心理を読み解くことを軸にしたトレード手法を編み出し、勝ち組トレーダーの仲間入りを果たす。公式ブログでは使用しているインジケータや参考になった書籍の情報も公開している。

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