兼業トレードで2億超えを果たした男、弐億貯男氏。彼はいかにして銘柄を選んでいるのか?

兼業トレードで2億超えを果たした男、弐億貯男氏。彼はいかにして銘柄を選んでいるのか?

FUTO / PIXTA(ピクスタ)

 前回、その2億までの道のりを振り返った兼業トレーダー・弐億貯男氏。目標達成まで17年間にわたり元本を増やし続けた、堅実・着実な手法を聞いてみた。今回はその銘柄選びのポイントについて焦点を当ててみた。

◆ファンダメンタルズで企業の成長率を考え、“未来のPER”を重視!

「“トイレ・トレーダー”だった頃、短期的な値動きに惑わされて、後に『テンバガー(10倍株)』となる株を手放したり苦い経験もしました。それで、中長期投資のスタイルに転向したんです」

 艱難汝を玉にす。自らの理想のスタイルを体得した弐億氏は、その後、’12 年に購入したチャーム・ケア・コーポレーションが13倍以上に値上がりし売り抜けている。中長期投資は、時間軸が長い分、板にべったり張り付く短期売買より労力が少ない。兼業トレーダーの弐億氏に打ってつけのスタイルだった。

 短期で利ザヤを狙わないので、重要になるのが銘柄選びだ。

「PER10倍ほどと割安で、直近2〜3年増収増益のトレンドが続いている銘柄がいい。加えて、今期業績見通しや中期経営計画に2〜3年後の業績が記してあれば、企業の未来図が想像しやすいですね。表やグラフが載っている決算説明資料で、視覚的に確認するのも大事。業績見通しは性善説の立場から信用はするけれど、決算短信は企業に都合よく書かれていることが多いので、文字のコメントと表やグラフの数字が一致していないこともある。必ず両方を見るようにしてます」

◆業界セクターを問わず、ストックビジネスに着目!

 次に、弐億氏が目安とするのは、ストックビジネス(※例えば会員ビジネスのように顧客を抱え込むことで持続的にサービスを提供し、継続的な収益を上げることができるビジネスモデルのこと)の銘柄だ。

「ビジネスモデルがストックビジネスの企業に狙いを定めているのは、外食産業や小売業は月次売上高を開示していて、既存店売り上げ前月比90%台でも『売り上げ減だから』という理由だけで株価が急落することがあり、一喜一憂するのが嫌だから。毎月の売り上げを気にしても、そもそもIR情報を信用していいのかさえわからないですし……。だから、ある程度売り上げのベースが確定していて、新規顧客が増えれば売り上げが上積みされていくストックビジネスの企業のほうが、継続的な増収増益も見込め、安定感があり株価の急変も少ないと考えています」

 ただ、業界・セクターだけでストックビジネスと判断するのは禁物だ。

「業種でいえば、不動産でも右から左へ売買してしまう企業もあるので、必ずしもストックビジネスとは言えない。今、保有している銘柄でいえば、中古車ローンのプレミアグループ(7199)。ローンの売り上げを分割計上しているので、ストックビジネスです。セクターにはこだわってないんです」

 そして、銘柄スクリーニングの目安の3つめが、配当性向だ。

「配当性向30%以上を公約している銘柄が目安ですね。配当が約束されていれば、投資利回りの下支えになるので安心感に繋がります」

 弐億氏の銘柄スクリーニングの基本戦略からは、彼の投資哲学が窺える。

「テクニカルではなく、ファンダメンタルズで企業の将来性を考え、事業拡大の可能性がある銘柄に投資してます。単純にPERだけでは測れない成長率や安定性、いわば“未来のPER”を見ることが大事なのです」

<弐億貯男氏が推奨する「割安成長株」のスクリーニング基本戦略>

1 割安で成長が見込める

 PER10倍 前後で直近2〜3年「増収・増益」

2 安定した売り上げ・利益見込める

 「ストックビジネス」を手がけている

3 株価が増配に下支えされて上昇が見込める

 配当性向30%以上を公約している

◆現在、弐億氏が保有する銘柄とは?

 それでは、弐億氏のスクリーニング基本戦略から選び抜かれた銘柄とはどのような感じなのだろうか? そこには、ストックビジネス中心に話題の銘柄も入っていることがよくわかる。

※株価等の数値は1月28日終値

◆アルテリア・ネットワークス

東証1部4423

株価 1,967円

単元株数 100株

PBR  5.45倍

配当利回り 2.60%

PER  19.21倍

 法人やマンション向けネット通信事業を展開する丸紅系の情報通信企業。光ファイバー網を保有し、企業向け通信サービスを展開する。マンション向け一括提供型サービスでは業界首位。弐億氏が言う「ストックビジネス」で「高い業界シェア」を誇る。

◆プレミアグループ

東証1部7199

株価 2,093円

単元株数 100株

PBR  3.89倍

配当利回り 2.10%

PER 13.49倍

 中古車オートクレジットとワランティ(自動車修理保証)を事業の2本柱に据える消費者・事業者金融。整備・板金などの人材育成で、東南アにも展開。個人向け新車リース事業に参入するなど、事業を拡大。成長可能性を感じさせる。

◆メタウォーター

東証1部9551

株価 4,215円

単元株数 100株

PBR  1.95倍

配当利回り 1.47%

PER  19.51倍

 電気・ガス業。処理機の販売・運営も行う。上下水処理設備工事でトップ級で水資源循環に強い。日本ガイシと富士電機の水環境事業を統合し発足しており、機電融合に強み。日本は下水道の老朽化が著しく、業績上昇が期待される。

◆ツクイスタッフ

東証JQS 7045

株価 2,415円

単元株数 100株

PBR  1.85倍

配当利回り 1.24%

PER 12.19倍

 介護・医療に特化した人材サービス業で派遣、紹介、教育研修などの事業を幅広く展開する。’20年3月期中間決算は経常損益1億8800万円と、事前予想を下回るも、介護業界自体のポテンシャルは大。

◆話題の企業もしっかり押さえるポートフォリオ

◆Zホールディングス

東証1部4689

株価 443円

単元株数 100株

PBR  2.82倍

配当利回り 2.00%

PER 27.57倍

 言わずとしれた情報・通信大手ソフトバンクの連結子会社。ヤフーを中核とするソフトバンクグループの持株会社。日本最大級ポータル「Yahoo! JAPAN」を運営。メディア事業(広告)、コマース事業(Eコマース、決済サービス)を展開。LINEとの経営統合でシナジーに期待。

【弐億貯男氏】

投資キャリア 17年

専業or兼業 兼業

スタイル 中長期

初期投資 100万円

資産2億円

割安成長株への中長期投資により、兼業投資家ながら資産2億円を達成した凄腕トレーダー。10年にわたって続けているブログ「サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみました。」には、同氏が着実に資産を形成していく道程がつぶさに綴られており、個人投資家、兼業投資家を問わず注目されている

<取材・文/斎藤武宏>

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