安定感がウリのインデックス型投信でも利回り5%以上を目指せる!? プロの戦略

安定感がウリのインデックス型投信でも利回り5%以上を目指せる!? プロの戦略

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 前回、自分年金で2000万円を目指す戦略を立てるにあたりどういった投資信託を買うべきなのか。そのタイミングによって選ぶべき選択肢を“投資信託のプロ”の助言で解説してもらった。

 今回は、“攻めの姿勢”で大きなリターンを狙う場合、あるいはリスクを抑えて堅実に積み立てたい場合、どういった投資信託を買うべきなのか。“投資信託のプロ”が明かす「インデックス型」「アクティブ型」それぞれの見極め方を徹底解説していく。

◆インデックス型・個人投資家の戦略

「ポートフォリオを組むうえで重要視するのは、世界各国のGDPの比率をトレースすること。こうすることでポートフォリオ自体が“世界経済の縮図”となるので、世界経済の成長を取りこぼすことなくキャッチアップできます。もちろん、各国の指標との連動を目指すインデックス型ならではの戦略です」

 そう語るのはインデックス型投信への投資を十数年にわたり続け、その運用状況や評価を綴ったブログが人気を博す愚者小路氏。「世界のどこで、いつ、どんな株の価値が上がるか」を読むのは至難の業だが、世界各国に分散投資を行うことによって、どこで成長が起きてもリターンを享受できるわけだ。具体的な銘柄を選ぶ際はやはり「コストの低さ」がポイントだという。

◆GDP比率をトレースし、“世界経済の成長”を享受

「実は上記の考え方に基づいたGDP比率をトレースした“国際分配型投信”も販売されているのですが、信託報酬が0.6%とやや割高。単にこの投信を買うのではなく、コストにこだわって自前で同様の比率でポートフォリオを組んだところ、信託報酬を0.17%まで抑えられました。ほったらかし≠ェ基本の積み立て投信において、コストにこだわることは自分でできる数少ない努力ではないでしょうか」

 このポートフォリオでの期待リターンは年7%。銘柄選びに加え、戦略的なリスクの分散こそ鍵を握るのだ。

◆目先の分配金に飛びつくのはNG “複利効果”でさらなる資産増を狙え!

 運用によって出た収益が“分配金”という形で投資家に支払われる投資信託。分配金が支払われる頻度は商品によって異なるが、「毎月分配型など、分配頻度が高い投信はあまりオススメできない」(マネーコンサルタントの頼藤太希氏)のだとか。

「頻繁に分配金がもらえるのは一見喜ばしいことに思えますが、分配頻度が高いと投資元本を削って分配金を捻出する場合もあり、元本割れのリスクが高まります。また、“複利効果”が生かせず、投資効率が落ちてしまいます」

 複利効果とは、運用によって得られた利益を分配金として受け取るのではなく元本に足していくことで、より大きな利益を生み出す効果のこと。いわば「利息が利息を生む」状態のことで、資産増のスピードを速める積み立て投資の肝と言える部分だ。

「当然、積み立て期間が長期であるほど、複利で得られる額も大きくなります。目先の分配金に飛びつかず、じっくり長く運用しましょう」(投資信託・株初心者アドバイザーの竹内弘樹氏)

◆利回り5%以上の鍵は「信託報酬」

 日経平均株価などの指標と同じ値動きをするよう運用されるインデックス型。

「市場の平均的な成績と連動するだけなので魅力に欠けると思われがちなインデックス投資ですが、信託報酬の安さにとことんこだわれば5%以上を目指すことも可能」だと語るのは、金融教育研究所の佐々木裕平氏だ。

「信託報酬はその投信を持っている間、常にかかり続けるコストなので、せっかく生み出した運用益を目減りさせないためにも安いに越したことはありません。信託報酬は0.1%に近い銘柄選びがマストです」(佐々木氏)

 また、株価指標との連動がウリとなるインデックス型だが、「どんな指標との連動を狙っているかを見定めておくことも重要」だと語るのは頼藤氏。

「指標は銘柄数が多く、攻めの姿勢なら時価総額が上がりやすい小型株が入っているものを選ぶのがベター。そのほか注目すべき点として、純資産総額が少ないと繰り上げ償還などのリスクが増え、デメリットが多くなります」

◆ファンド選択「3つのポイント」

 ファンド選択の3つのポイントは以下の通りだ。

★POINT 1:信託報酬の安さにこだわる

 運用会社に支払う手数料が高ければ利益を押し下げてしまう。「数%の違いでも長期なら大きな差となるので、0.3%を超えるものは除外したい」(佐々木氏)

★POINT 2:銘柄数が多い株価指標を選ぶ

 「日経平均株価よりもTOPIX、MSCIよりもFTSEが、小型株が入っていて扱う銘柄数が多く、より市場を反映した優れた指標と言える」(頼藤氏)

★POINT 3:基準価額と純資産総額は堅調か 

 2つの数値を一定期間分観察して、急激な値動きがなく安定して推移していれば堅調と見ていい。「純資産総額は豊富だと分散投資が安定する傾向です」(頼藤氏)

◆<プロ厳選のインデックス型6選>

※基準価額、純資産総額、信託報酬などのデータはすべて2020年2月10日時点のもの

<先進国株式>

◆ニッセイ外国株式インデックスファンド

トータルリターン

1年:23.63% 3年:12.09% 5年:7.70%

基準価額:1万7990円

純資産総額:1633.26 億円

連動指標:MSCIコクサイ・インデックス(全1300銘柄)

信託報酬:0.10989%

※「好実績と低コストを兼ね備えた優良ファンド。純資産総額も豊富で申し分なし」(寄藤氏)

<先進国株式>

◆SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

トータルリターン

設定来:+11.89% 2020/1/31時点

基準価額:1万1407円

純資産:171 億円

連動指標 : S&P(全500銘柄)

信託報酬:0.0938%

※「2019年9月に設定されたばかり。信託報酬が0.1%を切った!」(竹内氏)

<先進国株式>

◆たわらノーロード 先進国株式

トータルリターン

1年:23.56 % 3年:12.06% 5年:--

基準価額:1万4668円

純資産:506.74億円

連動指標:MSCIコクサイ・インデックス(全1300銘柄)

信託報酬:0.10989%

※コストと実績のバランスに優れた、隠れた人気商品(佐々木氏)

<国内株式>

◆iFree TOPIXインデックス

トータルリターン

1年:13.34% 3年:6.74% 5年:--

基準価額:1万3672円

純資産:15.76億円

連動指標:TOPIX(約2000銘柄)

信託報酬:0.154%

※iFreeシリーズが誇る低コスト優良ファンド(佐々木氏)

<全世界株式>

◆楽天・全世界株式インデックスファンド

トータルリターン

1年:20.11 % 3年:-- 5年:--

基準価額:1万1640円

純資産:355.71 億円

連動指標:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(約7500銘柄)

信託報酬:0.222%

※先進国から新興国までこれ1本で投資できる(寄藤氏)

<先進国株式>

◆eMAXIS Slim先進国株式インデックス

トータルリターン

1年:23.68% 3年:-- 5年:--

基準価額:1万3596 円

純資産:838.62 億円

連動指標:MSCIコクサイ・インデックス(全1300銘柄)

信託報酬:0.10615%

※先進国22か国に分散投資。月次資金流入も堅調(寄藤氏)

【愚者小路氏】

個人投資家。ブログ「愚者小路の400文字」にてインデックス型投信の運用状況や評価を綴る個人投資家。かつては個別株への投資も行っていたが、現在はインデックス型での積み立て投資が100%

【頼藤太希氏】

マネーコンサルタント。Money&You代表取締役社長。投資・経済関連書籍の執筆・監修を多く手がけマネーリテラシー向上に努める。著書に『投資信託 勝ちたいならこの7本』(河出書房新社)など

【竹内弘樹氏】

投資信託・株初心者アドバイザー。ライフパートナーズ株式会社代表。『やさしい投資信託のはじめ方』など資産運用サイトを多数運営。著書に『マンガでまるっとわかる! 投資信託の教科書』(西東社)

【佐々木裕平氏】

ファイナンシャルプランナー、金融教育研究所代表。「普通の人のためのお金の増やし方」を楽しくわかりやすく伝えるのがモットー。『入門 お金持ち生活のつくり方』(こう書房)など著書多数

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