ポストコロナは金&原油で稼ぐ!? 未曽有の量的緩和で世界的に投機マネーが物色中

ポストコロナは金&原油で稼ぐ!? 未曽有の量的緩和で世界的に投機マネーが物色中

写真/時事通信社

 新型コロナの余波で乱高下するマーケットの中で、勝ち筋が見えるのはどこか。金と原油に狙いを定めた2人の爆益トレーダーに戦略を聞いた。

◆現金の信用が揺らぐとき、それはゴールドの出番

「株で確実に2倍、3倍を狙うのは難しい。でも、現金の信用が揺らぐとき、ゴールドの価格は間違いなく上がります。まさに今のように」

 そう分析するのは、金や為替などを手広く手掛ける会社経営者の三平氏だ。

「最初に金の魅力に気がついたのはリーマンショック前後でした。当時、信用創造により、実際のマネーの流通額をはるかに超える『京』という単位のマネーが帳簿上、生まれていました。それが100年に一度の金融危機によって一斉に巻き戻されることになった。人類がかつて経験したことのない規模の信用収縮です。では、そこで価値が高まるのは何か。ペーパー資産ではなく現物、つまり不動産や金です。しかし、不動産は流動性がなく買いづらい。そこで買ったのが金でした」

 金価格はリーマンショック直後の700ドルから3年後、1900ドルまで高騰した。三平氏が購入した100万円の地金はまたたく間に3倍となった。

「当時、FRB(連邦準備制度理事会)は現金をジャブジャブと印刷することで信用収縮に対抗しました。コロナショックで今、まったく同じことが起きています」

 FRBがコロナショックへの対処法として選んだのは、過去最大規模の金融緩和だった。こうして刷られた紙幣が向かう先を考えることがポイントになる。

「大量に刷られた米ドル紙幣は何らかの資産に交換されます。不安が渦巻いている今、有望なのは埋蔵量が限られ、価値を保全しやすい金です。ビットコインも考えましたが、チャートの形がチューリップバブルとそっくり。手を出しづらい位置にあるため、今回は外すことに。よって金の現物を1000万円分、購入しました」

 リーマンショック時も今回も、三平氏が購入したのは金融商品ではなく現物の金。保管も面倒だろうに、なぜ現物なのか。

◆金3000ドルは間違いない!?

「昔から用心深いお金持ちの金庫には、札束と金がつきものです。なぜなら現金の信用が揺らぐときには、金融機関の信用も揺らぐから。金の価格に連動する金融商品を買っていても『絶対安全』とは言い切れません」

 とはいえ、現物の自宅保管には盗難リスクがある。

「そのため今回は現物とCFDで1000万円ずつ分散しました。CFDでは短期で取引しながら、現物では長期視点のポジションを積み立て方式で買っていくことを考えています」

 上値のメドはどれくらいまで見据えているのか。

「FRBが行っている金融緩和は未曽有の規模。バランスシートは急激に膨れ上がっています。それだけ現金がバラまかれているということですから、最終的にはここから2倍は間違いないだろうし、10年後には3倍になっていても不思議ではない。現実的なターゲットとしては1トロイオンス=3000ドルです。CFD口座の買いポジションには3000ドルに利益確定の指値を入れています」

 金の史上最高値は、リーマンショック後の’11年につけた1920ドル。3000ドルとなれば高値を一気に更新することになる。

◆ゴールドに比べ旗色が悪い原油だが……

 コロナショックで見直されている金に比べ、旗色が悪いのは原油だ。先物市場では史上初となるマイナス価格を記録。景気低迷による需要減少で大きな上昇は望めそうもない。

 ところが、そんな原油について「その時々で旬の市場を取引するのが僕のスタイル。今、注力しているのは原油です」と話すのは、200万円を元手に3月だけで1500万円を荒稼ぎした工場勤務の兼業トレーダー、ひふみ氏だ。

「原油に着目したきっかけは3月。OPECによる減産協議が決裂したことでした。ニュースが出たのが週末だったため、週明け月曜日の取引開始時は大荒れの展開になることがわかっていた。そこを狙って取引しました」

 週末にニュースが出たときは、月曜早朝の市場は荒れやすい。悪材料ならば、前週終値から下方に大きく乖離し、窓を開けて始まる。狙うのはそこだ。

「月曜早朝は売られすぎ、買われすぎといった動きになりやすいため、短期的には窓を埋める方向へと動きやすい。そこを狙って出勤前にトレードしていました。原油市場はボラティリティが非常に大きいため、こうしたシンプルな戦略でも短時間で大きく稼ぎやすい」

 月曜の早朝以外では、仕事から帰って夜間にするトレードがひふみ氏の主戦場だ。

「月曜日早朝は毎週チェックしますし、夜にはリバウンドを狙ってデイトレードしていました。原油は値動きが激しいので、リバウンド狙いがしやすい。上ヒゲや下ヒゲに着目して、『長い下ヒゲが出たら買い、長い上ヒゲが出たら売り』といったように、シンプルな戦略でトレードしていました」

 淡々と語るひふみ氏だが、マイナス40ドルを記録した相場ではどう取引していたのか。

◆荒れ相場が続く原油はトレードの妙味大

「あのときは直前に連敗していたので休んでいました。『20ドルを割ったらセリクラ(セリング・クライマックス)かな』と考えていたので、もしトレードしていたら下落途中にリバウンド狙いの買いでヤラれてた可能性が高かったと思います。ただ、損切りは絶対に入れるので退場まではいかなかったとも思っています。”一度決めた指値は途中で変えないこと”をルールとして課しているので」

 ハイボラティリティゆえに破滅しやすいのも原油市場。リスク管理は欠かせない。

「資金が増えたら定期的に出金し、利益を確保するのが大事です。あとはGMOクリック証券の原油CFDは朝6時から7時の間がメンテナンスで取引できない。そこで何かニュースが出て不利な方向へ動いたら対処できないので、6時を超えてポジションを持たないようにしていました」

 長期的な値上がり期待の金と、高ボラティリティで一攫千金の可能性が高まっている原油。ポストコロナの投資対象に加えてみては。

【会社経営者・三平氏】

会社経営のかたわらFXなどに取り組み収益は3億円超え。コロナ相場でも4000万円を超える利益を獲得。次の注目は金の上昇。ツイッターは@FXman_yen

【兼業トレーダー・ひふみ氏】

工場で働きながら原油や仮想通貨、為替などを対象に”旬の市場”で勝負する。1月はリップル、3月以降は原油で勝負中。ツイッターは@aomorininniku

<取材・文/高城 泰 写真/時事通信社 図版/ミューズグラフィック>

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