コロナ禍で運送業界は大忙しと思いきや、現場では苛烈な労働環境が加速していた!

コロナ禍で運送業界は大忙しと思いきや、現場では苛烈な労働環境が加速していた!

主に個人宅への配送を行う山内さん。手取り月収は18万〜20万円ほど。多忙と引き換えに残業代が増えたが「割に合っていない」と話す

 感染者数の最多人数が連日のように更新されるなど、新型コロナの猛威が止まらない。日本経済が急速に冷え込むなかで、各産業はどのような打撃を受けているのか。

◆重労働だけ激増。残業代は雀の涙

 外出自粛の影響でネット通販が急増し、個人宅への配送担当は悲鳴を上げている。配送助手として働く山内彰さん(仮名・48歳)が話す。

「メーカーからの家具や家電を配送していますが、6月からソファやベッド、大型家電などの配送が多くなりました。家にいる時間が増えたことと、特別定額給付金で買う人が増えたんじゃないかと。残業代が入るのはいいのですが、しょせんは月2万円程度。暑い日にマスクをつけて重労働をする代償としては安すぎます。最近は腰を痛めてしまい、コルセットをつけて働いていますね。コロナが落ち着いたら転職も考えています」

◆オフィス移転延期急増で仕事が激減

 一方、個人事業主としてオフィス移転業務を手がける森下徹さん(仮名・48歳)は大幅な収入減だ。

「テレワークとオフィス不要論の影響で、とにかくコストを削減する会社が増えています。大きなオフィスへの引っ越しが延期になったりして、仕事は4分の1以下になりました。作業工程も3日から1日に短縮を命じられるので本当に稼げない。今年は月収10万円に届かない月ばかりで、同業者の知り合いの手伝いをして、なんとか日銭を稼いでいます」

◆まさかのマイナス給与。現場に押し付けられる無理

 また、配送会社で働く矢田部晃さん(仮名・50歳)の場合、「月収がコロナ前の10分の1に下がった」という。5月の給料は、なんと2万5000円だった。

「工場や倉庫から企業へ荷物を届けるのが仕事ですが、5月はほぼ自宅待機状態で、休業補償はゼロ。むしろ毎月給料から天引きされる年金や保険料は変わらず、6月の明細には『マイナス6000円』と書かれていて目を疑いました」

 あまりの待遇に、矢田部さんは慌てて上司を問いただしたという。

◆「みんなツラいんだ」と社長が逆切れ

「従業員10人ほどの小さな会社なので、直接社長や副社長に『さすがにありえない』と訴えました。でも『みんなツラいんだ。仕方ないだろう』とまさかの逆ギレ。これまでも何度か給料が微妙に引かれるなど何かとブラックな会社でしたが、まさかここまでとは」

 そこで「労基署に相談に行く」と伝えると、なぜかすぐに4万8000円が振り込まれたという。

「それでも少ねえよって話ですが。ちなみに7月は半日勤務を16日間こなして給料は2万8000円でした。通常月収は20万円なので、半分なら10万円くらいが妥当です。社員の大半が会社と戦う気力がない還暦すぎの人なので、何をされても泣き寝入り状態ですね」

 コロナ禍ではブラック経営が加速しているところもあるようだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

※週刊SPA!8月4日発売号より

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