「有事に強い金」。プロが教える、金投資。そのノウハウとポイント

「有事に強い金」。プロが教える、金投資。そのノウハウとポイント

金の3賢人のオススメ拝見

 新型コロナの感染拡大で世界経済の悪化が確実視されるなか、コロナショックからいち早く抜け出し40年ぶりに史上最高値を更新した金。かねてから戦争や自然災害など「有事」に強いと謳われるが、今回、そんな金の投資法を探った。

◆プロが推奨する投資法は?金の3賢人のオススメ拝見

「金は上昇の最終局面で駆け上がる特徴を持つ。ここで買いたくなるが、その後に大きくピークアウトするのでやめたほうがいい」

 マーケットストラテジー・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は、金には売買のタイミングを読むコツがいくつかあると教えてくれた。

「現在、金はまだまだ上昇の余地があり、上げの最終局面ではないので、上昇トレンドのなかで下落したときに仕込むのがいい。もし下げても、再び上昇するだろうから、むしろ下落時に少しずつ押し目買いしていくのがいい」

 仕込み時を踏まえたうえで、3賢人オススメの金投資を紹介しよう。まず、一般社団法人貴金属マーケット協会理事・池水雄一氏が薦めるのは、金先物ミニだ。

「金標準取引もいいが、取引単位が1sなので600万円ほどの資金が必要になり、初心者は手を出しにくいでしょう……。100gから取引が可能な金先物ミニなら60万円ほどで、最低証拠金は2万円ほどと少額元金で始められる。金標準取引と違い、ミニは現物と交換できませんが、レバレッジが40倍ほど効くのでFXよりも資金効率がいい。現物に興味がなくて、リスクを許容できる人にはいいでしょう」

 亀井氏は、金鉱株ファンド推しだ。

「少しリスクを許容できるなら金価格に連動して動くが、値動きが2〜3倍の金鉱株ファンドに投資するのがいい。なかでも、この半年ほど3800円から6600円あたりまで大きく上昇しているのが、ブラックロックのゴールドメタルオープン。このファンドはもっとも値を上げたときで1万3000円を超えていたので、まだまだ上値の余地がある。しかも金よりボラティリティが高いので、より大きなリターンを狙えます」

◆上昇の勢いが強い金&底堅いプラチナへのW投資でいいとこ取り

 楽天証券経済研究所コモディティーアナリスト吉田哲氏はプラチナを組み合わせた投資法についてこう語る。

「コロナで傷ついた経済を立て直すため、欧米で大規模な金融政策が打ち出され、ドルやユーロの価値の希薄化が懸念されます。このため、代替通貨として物色され、金高が起きている。また、大規模な金融緩和による経済回復への期待が高まり、株高も起きている。金高は貴金属グループ全体の価格上昇、株高は自動車触媒・宝飾需要回復を期待させる要因になります。こうした流れを受け、プラチナは独自の底堅さも手伝い、反発しやすくなっています」

 実際、チャートを見てもわかるように、4月を跨いで「株高・金高・プラチナ反発」の傾向が現れていた。

「有事のムードを強く感じるなら金、底堅さを重視するならプラチナ。さらに、両方に投資するのも面白い。例えば、資金の3分の2を金、3分の1をプラチナに投資する。底堅さの要素を強めたいなら、配分を逆にする。両者のいいとこ取りができます」

◆3賢人のオススメ金投資

●池水雄一氏:金ミニ(先物)

通常の金先物(金標準取引)の売買単位が1kgなのに対して100gと1/10なので、証拠金も金先物の1/10の2万2200円と少額資金で始められる。ミニとはいえ先物なので、証拠金の約40倍の取引が可能。レバレッジはFXより大きいので、リスクを取ってハイリターンを狙える

●亀井幸一郎氏:ブラックロック・ゴールド・メタル・オープン Aコース(為替ヘッジ付)

金そのものよりボラティリティが大きい産金株に個別投資するのもいいが、お手軽に世界の産金株に投資できるのがこのファンドだ。南ア、豪州、カナダ、米国などの金鉱企業の割安な株式を中心としたパッケージで、為替リスクのヘッジも行う。為替ヘッジなしのBコースもある

●吉田 哲氏:金の果実(1540)プラチナの果実(1541)

金の果実は金ETF、プラチナの果実はプラチナETF。それぞれ金とプラチナの価格に連動するよう設計されているので、現物同様の投資が可能だ。現物を保有するので裏付けがある。プラチナは底堅く、上昇余地も十分なので、金ETFを組み合わせた投資で、リスク許容度をコントロールできる

【池水雄一 氏】一般社団法人貴金属マーケット協会理事

住友商事、クレディ・スイス銀行、三井物産を経て、スタンダードバンク東京支店長に就任。’19年、日本貴金属マーケット協会を設立、代表理事。一貫して貴金属ディーリングに従事し、金に精通

【亀井幸一郎氏】マーケットストラテジー・インスティチュート代表

山一証券などを経て、’92年、世界的な金の広報・調査機関ワールド ゴールド カウンシル入社。企画調査部長として経済調査、金市場のマーケット分析に従事。多くのメディアで幅広く活躍する

【吉田 哲氏】楽天証券経済研究所コモディティーアナリスト

大学卒業後、コモディティ業界に入り、’07年よりコモディティアナリストとして、商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。’15年より現職。わかりやすい語り口と鋭い分析に定評。コラムも人気

<取材・文/斎藤武宏 チャート製作/圓谷清和>

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