アフターコロナ時代に最強の積み立てを。タイプ別の鉄壁ポートフォリオの組み方とは?

アフターコロナ時代に最強の積み立てを。タイプ別の鉄壁ポートフォリオの組み方とは?

ポートフォリオ

 運用はプロにお任せの投資信託。資産形成の強い味方だが、リスクを減らし安定した利益を得るためには「どんな投信を」「どのような比率で」保有するかが最重要。プロ厳選の鉄壁ポートフォリオをタイプ別に公開する!

◆【積極タイプ】株式100%でハイリターンを狙う!

 積極的にリターンを狙いにいくなら、株式100%のポートフォリオで運用したい。

「そもそもポートフォリオは、年齢を軸に考える必要があります。若ければ若いほど今後労働で資金を貯めることができるため、リスクを取ったポートフォリオを組めます。もしくは生活に必要なお金とは別に投資に回せる余裕資金が多い場合も同様です。逆に、定年が近づくほどリスクを抑えた運用が望ましいです」(投資信託・株初心者アドバイザー竹内弘樹氏)

 積極タイプの軸となるのは、外国株式型の「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と国内株式型の「ニッセイ日経225インデックスファンド」。どちらも信託報酬が非常に低く、低コストで運用できる点が魅力だ。そして、ここに高リターンへの起爆剤としてアクティブ型を30%組み込みたい。

「オススメしたいのは『次世代通信関連 世界株式戦略ファンド』。“THE 5G”という愛称で知られるように、通信技術の発展によって業績面で恩恵を受けることが期待される世界各国の企業に集中して投資を行う投資信託です。アフターコロナは、企業によっての優勝劣敗の差がより明確に出る時代になると考えられます。次世代通信に関連する企業など、確実な成長が見込める企業へと投資を行うアクティブ型への投資はマストでしょう」(経済アナリスト田嶋智太郎氏)

 インデックス型で国内外の幅広い株式に投資を行いつつ、アクティブ型で成長企業に対してピンポイントで投資。これがアフターコロナにも動じない攻めのポートフォリオの鉄則なのだ。

<こんな人にオススメ>

リスクを取ってでもハイリターンがほしい!

・20〜30代

・独身で扶養義務のある家族がいない

・リスクを取ってでもハイリターンを狙いたい

年齢:35歳

家族:未婚

年収:500万円

資産:300万円

住居:持ち家(実家)

目標利回り:5〜10%

◆アクティブ型投信はこう選べ!

 ハイリターンが期待できるぶんリスクも高いアクティブ型。より慎重に選びたいところだが、まず着目すべきは「シャープレシオ」という指標。投資のリスクの大きさに比べてどれだけリターンを得られるか、という運用効率の高さを示す数値だ。

「国内株式型など、同じカテゴリー内で比較し、数値が大きければ大きいほど優秀。加えて、できれば過去3年以上好成績を残している商品を選びたいところです」(ファイナンシャルプランナー佐々木裕平氏)

 さらには、資金流入額の堅調さと純資産総額の適切さも併せてチェック。運用成績上位を占めるのは中小型株ファンドが多いが、適正な純資産総額は100億円以上。これを目安にしよう。

◆【攻守バランスタイプ】安定性のなかにも“攻め”を忘れるな

 攻めと守りのバランスを保ち、無理のない程度にリターンを得たい「バランスタイプ」。株式と債券の比率は7:3。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がメインだ。

「アメリカが5割程度 日本を含む先進国が4割程度、新興国1割程度と、全世界の株式の時価総額比率に応じて、適切に分散投資されているので、これ一本で世界経済の成長に乗っかることができる優秀な投信です」(投資信託・株初心者アドバイザー竹内弘樹氏)

 ここで注目したいのがアクティブ型を20%組み込んでいる点。経済アナリスト田嶋智太郎氏は「バランスタイプでもアクティブ型をしっかりと組み込むべき」と語る。

「ここ数年『アクティブ型よりもインデックス型のパフォーマンスがいい』と言われ続け、アクティブ型は役目を終えた存在になりかけていました。しかし、指数との連動を目指すインデックス型がコロナショックで軒並み成績を落とすなか、結果を残し続けているのが柔軟な運用ができるアクティブ型の投信。コロナ以前には、景気の変動によって各企業の好不調は比較的横並びで、そのために指数との連動を図るインデックス型が重宝されました。しかし、『アフターコロナ時代は企業の優勝劣敗の差が大きくなる』、今後は伸びる企業を見極めて運用するアクティブ型投信の価値が再び高まるはず」(田嶋氏)

 債券で安定性を高めつつ、世界経済の成長は「全世界型」で、局所的な成長は「アクティブ型」で拾う。バランスのなかにも“攻めの姿勢”が重要だ。

<こんな人にオススメ>

アクティブ型も組み込み攻守を両立!

・大きく得をするよりも大きく損をしたくない

・ある程度のリターンは確保したい

・妻や子供など養う家族がいる

年齢:42歳

家族:既婚・子供1人

年収:700万円

資産:800万円

住居:賃貸

目標利回り:5〜6%

◆リバランスは定期的に

 ポートフォリオを組んでも、日々の価格変動によってバランスは崩れていくもの。そのため定期的にリバランスする必要がある。

「リバランスの方法は2つ。ひとつ目は減った部分を買い足してもとのバランスに戻す方法。ふたつ目は、増えたものを売って、減ったものを買い足す方法です。しかし、売買する度に手数料や税金がかかるため、購入手数料のみで済む前者のほうがオススメです」(竹内氏)

 積み立てを行っていても、全体のバランスを意識することは少ないはず。だからこそ「半年に1回」「1年に1回」など、定期的に比率を見直す基準を作り、リバランスすることも忘れないようにしたい。

◆【堅実タイプ】債券中心の配分で資産を守る

 損失を最小限かつ慎重に資産運用をしたいならば堅実タイプを選ぶべき。安定性が最重要となるため、株と債券の比率は3:7がベターだ。

「将来の積み立て金額が少なくなる50代や定年世代はもちろん、積み立ててきた資産が大きくなってきた人も『資産を減らさないこと』も意識しなければならないため、こうした堅実なポートフォリオに切り替えるべき。債券は国内よりも外国債券を多めに保有し、安定性を確保しつつも国内債券オンリーよりもリターンが望める運用を行いましょう」(投資信託・株初心者アドバイザー竹内弘樹氏)

 竹内氏が挙げた債券型の投信は「ニッセイ外国債券インデックスファンド」と「ニッセイ国内債券インデックスファンド」。どちらも購入・換金手数料なしという低コストが魅力だ。

「大きなリターンが望めないぶん、運用会社に支払う手数料である信託報酬は低いに越したことはありません。外国株式、国内株式それぞれのインデックス型投信も、信託報酬が0・1%を切った『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』や、業界最安水準を目指し続けることをモットーに掲げる『eMAXIS Slim国内株式(日経平均)』がオススメ。また、コストを削るために国内の債券は投資信託ではなく個人向け国債を代用してもOKです」(竹内氏)

 加齢とともにリスクを下げていくのがポートフォリオの基本。定年後も運用を続ける場合は、株の比率を徐々に落としていくリバランスも必要だ。

<こんな人にオススメ>

今ある資産を堅実に増やしたい!

・50代以上

・投資初心者なので慎重に始めたい

・可能な限りコストを抑えたい

・リターン低めでも損はしたくない

年齢:56歳

家族:既婚・子供2人

年収:800万円

資産:1000万円

住居:持ち家

目標利回り:3〜4%

◆インデックス型投信はこう選べ!

 指数と同じ値動きを目指して運用されるインデックス型。選ぶ際のポイントにしたいのは「コストの低さ」だ。

「信託報酬はその投信を持っている間、常にかかり続けるコストなので、せっかく生み出した運用益を目減りさせないためにも安いに越したことはありません。0.1%よりも低いものがベスト」(ファイナンシャルプランナー佐々木裕平氏)

 どの指数との連動を目指しているかも見定めるべきだ。

「指数は銘柄数が多いほうがベター。その理由は銘柄数が多いぶん理論上の分散効果がより見込めるためです。そのほか注目すべき点として、純資産総額が少ないと繰り上げ償還などのリスクが増え、デメリットが多くなってしまいます」(佐々木氏)

【田嶋智太郎氏】経済アナリスト

三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て経済アナリストに転身。全国での講演活動を精力的に続ける。「財産見直しマニュアル」(ぱる出版)など著書多数

【竹内弘樹氏】投資信託・株初心者アドバイザー

ライフパートナーズ代表。「やさしい投資信託のはじめ方」運営。著書に『マンガでまるっとわかる!投資信託の教科書』(西東社)

【佐々木裕平氏】ファイナンシャルプランナー

金融教育研究所代表。「普通の人のためのお金の増やし方」を楽しくわかりやすく伝えるのがモットー。著書に『投資信託 超入門』

<取材・文/松嶋三郎>

関連記事(外部サイト)