未曽有の上昇相場で「日本株バブル」も!? 4億円投資家・かぶ1000氏本気勝負の5銘柄
2021年01月22日 08時32分 ハーバー・ビジネス・オンライン

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2度目の緊急事態宣言が発令され経済が止まる一方、好調な株式市場。ドル建てベースでは1989年12月の史上最高値を更新。「日本株バブルがやってくるかもしれない」と予想するかぶ1000氏に今年の勝負銘柄を聞いた。
◆今年は未曽有の上昇相場がくる!?
新型コロナウイルスの国内の感染者数や重症者数が過去最多を更新し続けるなか、2度目の緊急事態宣言が発令された。
飲食店、旅行業などさまざまな業界が大きな打撃を受け経済が壊滅状況にもかかわらず、絶好調なのが世界中の株式市場だ。日経平均株価は、ドル建てベースで’89年の史上最高値を更新した。
「今年は未曽有の上昇相場がくるかもしれません」と語るのは、『貯金40万円が株式投資で4億円』を上梓したばかりの個人投資家、かぶ1000氏だ。
「円高ドル安の影響も大きいのですが、32年の時を経て、ついにドル建てベースでは日経平均株価が史上最高値を更新してきました。これは外国人投資家にとって非常に大きな出来事です。
最近では、今まで上がっていなかった銀行や保険などの時価総額の大きい金融株が上がっていて、これはまさに外国人投資家や機関投資家が買っているから。高値ブレイクをしたことで、史上最高値を更新し続けている米国市場などと比べて、相対的に出遅れていた日本市場を、外国人投資家がいよいよ本腰を入れて買いにくる可能性があると思います。
昨年はコロナ関連の成長株が大きく上昇した1年でしたが、今年は出遅れ大型株が有利な年になると考えます」
◆戦略@日経225採用の出遅れ大型株
このような状況下、かぶ1000氏の今年の投資戦略は3つあるという。
「まずは日経225採用の大型株で、特に出遅れ株に注目しています。これは外国人投資家が買ってくるためです。
例えばENEOSホールディングスは今までとは明らかに違う強い上がり方をしていて、これは外国人買いと予想されます。通期業績予想も原油価格上昇による在庫評価益で上方修正となり、配当利回りも5%以上あり割安です」
そして、かぶ1000氏が’21年の本命銘柄として挙げるのが、東京・丸の内に多数の賃貸等不動産を持つ三菱地所だという。
「都心の一等地に持つ不動産が大きな含み益となっており、三菱地所の株価は資産の面から見て割安だと感じます。
また、日経225採用の大型株で、外国人持ち株比率は41%に達しています。飲食店の廃業や企業のオフィス撤退が相次ぐなか、丸の内エリアの空室率は上がっていません」
◆戦略Aコロナで売られすぎ銘柄のリターン・リバーサル
2つ目の戦略がコロナで売られすぎた銘柄の復活だ。
「相場は循環するもので、去年上がった株より、低迷していた株ほど今年はよくなるのではないかと考えています。
例えば対面販売からオンライン販売など、販売チャネルを変えることで売上を伸ばしている企業もあります。日本企業は保守的な体質ですが、外的な圧力で変わらざるを得ない状況になって、生まれ変わる企業が出てきています。
今年は、コロナで負け組だったところから復活したり、勝ち組に変化するのが明確になってくる1年になりそう。コロナで売られすぎた株や出遅れ株のリターン・リバーサル(逆張り)に勝機があると見ています」
その観点からかぶ1000氏が注目するのが、荷主企業の物流から流通まで全体を包括的に請け負う業態「3PL」の大手、ハマキョウレックス。
「通販需要増で個人向け宅配が拡大して成長しています。指標面でも割安で、外国人持ち株比率が32%というのもプラス材料です」
◆戦略B親子上場廃止やM&Aで狙われる株
「新型コロナがきっかけで、外食やアパレル、製造業などは大規模な店舗閉鎖、リストラ、経営統合、合併・買収、親子上場廃止などが進み、残ったところのメリットが大きくなっています。
例えば日立キャピタルを吸収合併した三菱UFJリースは、リース業界首位のオリックスに次ぐ2位に浮上します。外国人持ち株比率が高いオリックスの株価は最近大きく値を上げているため、出遅れている三菱UFJリースへの買いが期待できると思っています。外国人持ち株比率は現在28%ありますし、20年連続増配するなど、株主還元にも積極的です。
また、自動車部品メーカーのエクセディは、アイシンAWを経営統合で子会社化したアイシン精機が大株主。親子上場廃止の流れから、アイシン精機による経営統合の可能性があるかもしれません」
3つの投資戦略と、複数のカタリスト(材料)を持つかぶ1000氏勝負の5銘柄に乗って、今年こそ大勝ちしたい。
◆かぶ1000氏本気勝負の5銘柄
▼ENEOSホールディングス【東1・5020】
現在株価405.6円 売買単位100株 PER14.49倍 PBR0.57倍 配当利回り5.42%
昨年、原油先物がマイナスになったことが話題となったが、今は1バレル=50ドルまで戻って安定。来期は原油在庫の評価益で業績を上方修正。電気自動車に注目が集まるほど、売られた銘柄の復活を期待したい。
▼ハマキョウレックス【東1・9037】
現在株価2943円 売買単位100株 PER9.21倍 PBR0.87倍 配当利回り2.38%
荷主企業の物流・流通全体を包括的に請け負う業態「3PL」の大手。通販需要増で個人向け宅配が拡大して成長。物流・運輸業界は中小企業ほど厳しいなか、新潟の物流拠点新設、福岡の物流会社買収など規模を拡大中。
▼三菱地所【東1・8802】
現在株価1679円 売買単位100株 PER20.43倍 PBR1.28倍 配当利回り1.49%
日経225採用の大型株で出遅れ株。外国人持ち株比率は41%。丸の内エリアの空室率は上がっていなく、安定した賃貸収益が期待できるほか、4兆円を超える多大な土地の含み益を持つ。’21年、本命の勝負銘柄。
▼三菱UFJリース【東1・8593】
現在株価513円 売買単位100株 PER9.14倍 PBR0.59倍 配当利回り4.97%
4月に日立キャピタルを吸収合併し、業界2位へ。今期は減収減益予想だが、来期は経営統合で業績は急拡大。航空機リースも回復し大幅増益を見込む。オリックスと比べ、出遅れ株として外国人投資家から注目が集まる。
▼エクセディ【東1・7278】
現在株価1324円 売買単位100株 PER24.84倍 PBR0.32倍 配当利回り4.53%
自動車部品メーカーでクラッチでは業界首位。建設・産業・農業機械用のクラッチも製造。アイシンAWを経営統合で子会社化したアイシン精機が大株主。親子上場廃止の流れから、アイシン精機による経営統合の可能性も。
【4億円投資家・かぶ1000氏】
中学2年生から株式投資を始め、投資歴33年。’19年に累計利益4億円突破。資産面から見て割安な株への投資が得意。ツイッター@kabu1000
<取材・文/SA編集室 図版/ミューズグラフィック チャート協力/楽天証券>