日本のコロナ禍をより一層悪化させたのは誰なのか? 有権者は改めて考えねばならない

日本のコロナ禍をより一層悪化させたのは誰なのか? 有権者は改めて考えねばならない

NHK報道に怒りのツイートをした河野太郎・ワクチン担当相(時事通信社)

◆みんなそろそろ現与党政治家の無能さに気づいてきた

 いよいよ新型コロナウイルスの感染者が増えすぎて、病院は医療崩壊を起こしつつあり、濃厚接触者の追跡もできなくなり、自宅待機を命じられたまま亡くなるケースも増えてきました。

 このままでは2月7日の緊急事態解除もできなくなり、ホテルや旅館、旅行会社など、これまで「GoToトラベルキャンペーン」の恩恵を受けてきた企業も経営が苦しくなりそうです。

 日本経済の打撃は避けられず、ますます倒産が増えてしまうかもしれない。そうならないためにも、今こそ政治家の皆さんが中心となって、徹底した感染防止策を考え出していただきたいのですが、皆さんもうっすら気づいていると思いますが、日本の政治家というのは仕事ができません。

 それもそのはず、日本の政治家はどいつもこいつも大物議員の2世や3世ばかり。社会でちっとも通用しないから「それなら政治家にでもしておけばいい」ってことで、政治家をやっているような人も少なくないので、そんな人たちに画期的な解決策なんて考えられっこないのです。

 ですから、本来であれば、新型コロナウイルスを克服した台湾やニュージーランドのように、街角に無料のPCR検査センターを片っ端から建てなければならないのですが、そういう発想にはなりません。それどころか、みんなにワクチンを打てばどうにかなると思っているのです。これはけっこう悲惨な戦略です。

◆問題点@:ワクチンが手に入らない

 世界では、ファイザー社やモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン接種が始まりました。イギリスやアメリカでは既にワクチン接種をしていて、高齢のエリザベス女王も接種するそうです。しかし、イギリスやアメリカなどではワクチン接種が始まっていても、日本ではまだまだ始まっていません。

 先日、次期総理大臣候補と目され、活発に政府の重要な告知をTwitterで広報しているのに有権者を平気でブロックすることで有名な河野太郎さんが「ワクチン担当大臣」に任命されましたが、最初にやった仕事は「NHKに対する文句」でした。

 日本のワクチンは当初、2月中にも一部の医療関係者に接種され、3月にも高齢者を中心に接種が開始されるというスケジュールでした。NHKはそれを報じていたのですが、河野太郎さんがワクチン担当大臣になってやったことはNHKに対し、「勝手にスケジュールを決めるな」と言って、これが誤報であることをアピールすることだったのです。

 これには全国のネトウヨが大喜び。「やっぱりNHKは嘘をついているんだ!」とNHKを悪者扱いしていたのですが、悲しいことに、これはNHKの誤報というより、ワクチンの生産が追い付かず、日本が後回しにされてしまっただけの話です。

 当初の計画では今年の6月までにワクチンが生き渡るという話だったのですが、スケジュールは大きく後退し、「年内に供給できればいいかもね」ということになってしまいました。ワクチンを製造している製薬会社にもいろいろな事情があると思いますが、世界中がワクチンを取り合う中、日本は早くも「後回しの国」になってしまったのです。

 本来であれば、ワクチン担当大臣である河野太郎さんが中心となり、日本の政治家たちの「交渉力」によって、製薬会社には断固として約束を守ってもらい、せめて医療従事者の分だけでも妥協は許さないなどの手もあったと思うのですが、政治力も外交力も一切見せることなく、「NHKの報道が嘘だ!」と言って、国民も国民で「よくぞ言ってくれた!」というリアクションになっているわけなのです。

 そんなわけで日本は、ワクチンがちっとも手に入らない国になってしまい、高齢者が夏までにワクチン接種を受けることはほぼ不可能。そんな状態でオリンピックだけは開催すると言い張っているのですから、地獄としか言いようがありません。

◆問題点A:ワクチン以外の手を打つことすらできない

 台湾やニュージーランドなど、海外の成功している国々ではワクチンがなくても感染を拡大を制御することに成功しています。年末まで100万人あたりの感染者がほぼ同じで、なおかつ第3波で再び危機的状況になりそうだった韓国さえも、さまざまな手を打ち、第3波を封じ込めつつあります。

 どうしてこんなことになっているのかというのは、けっこう簡単なことで、成功している国々では積極的にPCR検査を実施し、早期に見つけ出して隔離することに成功。一方、日本は症状のある人がPCR検査を受けるだけで、無症状の人たちがPCR検査を受けることはなく、隔離に失敗しているからです。しかも、いよいよ通常のPCR検査では賄いきれなくなり、プール方式(複数の人をまとめて検査する方式)が採用されるようになってしまったため、ますます無症状の人たちを積極的に検査することが難しくなってしまいました。

 これは日本特有の話なのですが、「PCR検査をしない方が良い」と言ってしまう医者がたびたび注目されるせいで、日本ではちっともPCR検査が進んでいないのです。これにより、日本は正確な感染者数すら把握できないまま、「ワクチン以外の手がない」という非常に厳しい状態に陥ってしまいました。ワクチン以外に手がないのであれば、ますます一刻も早いワクチン接種が必要になるのですが、先程も申し上げた通り、日本のワクチンは「年内に入ってきたらいいなぁ」という状況なのです。今のところ、解決策はありません。

◆問題点B:ワクチンを打たない人は非国民扱い

 ワクチンには副反応がつきものです。多くの人は何の問題もなく抗体を得ることができますが、かなり低い確率であっても、副反応で重篤な症状が出る場合があります。なので、ワクチンを接種する時には、その副反応のリスクを許容できるかどうかが問われ、「その確率ならば、私は打ちます」という同意が必要になります。ただし、この価値判断は人それぞれ。低い確率なら打つという人もいれば、低い確率であっても打ちたくないという人もいるはずです。

 海外ではワクチンの副反応と思われる形でお亡くなりになった方もぼちぼち出始めたことが報じられています、これを見れば「打ちたくない」という人も決して非難できないはずです。

 仮に、公衆衛生を考えれば全員がワクチン接種したほうが望ましくても、ワクチン戦略が成り立つためには、国や医療行政と国民の間に「信頼」が必要不可欠です。しかし、今の日本ではそうした信頼を構築する科学コミュニケーションよりも、一方的で高圧的な「ワクチン接種しない奴は非科学的である」とか「ワクチン接種しない奴は非国民だ」という論調で叩くような方向に行きがちで、すでにそうした声が膨れ上がっていきます。

 河野太郎さんは防衛大臣時代に医療従事者へのエールだといってブルーインパルスを飛ばし、ネトウヨからの支持を集めるような人なので、この論調はますます熱を帯びていくことが予想されます。その上、日本ではPCR検査を抑制してきた人たちが積極的にワクチンをオススメしてしまう地獄なので、これではますますワクチンに対して疑問を持つ人が生まれてしまいます。ゆえに、日本のワクチン戦略はあんまりうまくいかないかもしれないのです。

◆立候補の段階から口だけである日本の政治レベル

 筆者の仕事は「選挙ウォッチャー」であり、全国各地の選挙を取材しては、どんな様子だったのかをまとめてレポートすることですが、ぶっちゃけ、どの候補者も新型コロナウイルス対策をやるんだと声を揃えて言うものの、言っていることとやっていることが全然違います。

 例えば、「新型コロナに負けない」というキャッチフレーズを掲げておきながら、事務所の中で出陣式をやって、思いっきり『密』を作り上げているのに、スタッフは「ソーシャルディスタンス」を求める紙を掲げている。あるいは、「コロナ克服」というキャッチフレーズを掲げておきながら、有権者と「グータッチならOK」というオリジナルルールを作って触れ合う。はたまた、二酸化塩素の液体を選挙事務所の空気中に散布するような候補者もいました。

 要するに、新型コロナウイルスが問題になって1年以上も経つのに、どいつもこいつも新型コロナウイルスにどう立ち向かったらいいのかをろくすっぽ勉強していない。そんな人たちが候補者になり、場合によっては当選をしているのです。

 知事レベルから区長・市長レベルまで、ちゃんとした新型コロナウイルス対策ができている候補者は、ほぼ皆無。ろくすっぽ勉強もしていなければ、自身のコロナ対策すら甘いのですから、こんな人たちに感染を抑えるための政策なんか考えられるはずがなく、ワクチンに頼る以外の選択肢がなくなってしまったというわけです。

 しかし、「無能は何をやっても無能」だという悲しい現実があるため、ワクチン戦略しかないのに、そのワクチンすら手に入らない。手に入ったとしてもワクチンに信用がない。一刻も早くワクチンを打たなければならない状況にもかかわらず、ワクチンをマイナンバーカードに紐づけしようということになり、またしてもワクチンを接種するために市役所に行列を作るつもりのようです。

 こうなってくると、いよいよ政治に頼ることができないので、自衛をするしかなくなってくるわけですが、自衛をするにもお金はかかります。いろんな会社が消毒液を置いたり、机と机の間に仕切りを設けたり、喫煙所を屋外に移動させたり、みんなが頑張って感染防止対策をしています。どれもこれも企業側の努力であり、みんなが工夫をして感染防止対策に努めてくれているわけですが、そんな努力に対し、「ありがとう」と言うわけでも、もっと頑張ってもらえるようにお金を出すわけでもない。

 麻生太郎財務大臣はこの期に及んで、断固として再び10万円を配るようなことはしないと言っています。アメリカ様からのポンコツ戦闘機はナンボでも買うくせに、国民のためにお金を使うのは渋る。それどころではありません。変異種が入り込まないようにする空港での水際対策を、よりによってPCR検査ではなく、「精度の低い抗原検査」に切り替えてしまったばっかりに、今、日本はイギリスの変異種が市中感染している酷い状態に仕上がっているのです。

 有権者がしっかりと抗議の声をあげるべき事態になっています。しかし、日本では政治に文句を言う人はほとんどいません。政治に対して期待をしていないということもあるのかもしれませんが、物を申したら面倒臭いことになるので、誰も物を申さないのです。でも、そんなだからマヌケな政治家たちがやりたい放題になってしまうわけです。みんなが入院できずに苦しんでいる中で、石原伸晃さんだけは無症状でもPCR検査を3度も受けて即時入院できてしまう。こうしたことを許しているのは、実は、私たち有権者なのです。

◆選挙ウォッチャーの分析&考察

 筆者は「選挙ウォッチャー」という仕事を始め、ひょんなことから、たくさんの政治家たちを見ることになりました。皆さん、なんとなく「日本の政治はダメなんじゃないか」と思っていると思いますが、かれこれ3年近く、いろんな選挙と政治家たちを見てきた僕がハッキリと断言します。ズバリ、日本の政治はダメです。

 しかし、どうしてダメなのかと言ったら、みんながあんまりよく考えずにダメな人に投票をしている。もっと言えば、ダメな人が当選しそうになっているのに、多くの人が無関心を極めて選挙に行かないからです。その結果として、政治家に全く相応しくない人物がたくさん立候補し、時にはそうした連中が当選してしまう。もはや普通の会社で、社会人として通用しないレベルの人たちが政治家になり、ガチで何も考えられないという地獄に陥っているのです。

 もはや「どこの政党の人だったら大丈夫」なんていうものは一つもありません。その中で、本当に少しでもマシな人をしっかりと見抜き、しっかりと投票するしかありません。魚市場で鮮魚を選ぶ魚屋の大将ぐらいの目で、しっかり見抜いていかないと、僕たちは政治家に殺されてしまうのです。

<文/選挙ウォッチャーちだい>

【選挙ウォッチャーちだい】

選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中

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