税収の伸び、今年に入り鈍化 景気動向指数悪化

税収の伸び、今年に入り鈍化 景気動向指数悪化

財務省の外観=東京・霞が関(宮崎瑞穂撮影)

 景気の減速感はこれまで堅調だった税収の伸びが鈍化するという形でも表れ始めている。財務省が毎月公表している国の一般会計の税収額は、昨年12月までは前年同月比5%前後の増加で推移していたが、今年に入ってからは1月に2・3%減と前年を下回ったほか、直近の3月も1・1%増と伸びが鈍化している。

 税収が伸び悩む最大の要因は企業が利益に応じて払う法人税収の低迷だ。法人税は昨年4〜12月の累計では前年同期比12・1%増と2桁の伸びだったが、昨年4月〜今年3月の累計では8・2%増と勢いが鈍っている。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「中国経済の減速を受け、日本の企業収益が低迷している影響が出ている」と話す。米中貿易摩擦などの影響で中国経済が低迷する中、中国製品に使われる部品や製造機械を提供する日本企業にも、その影響が及んでいる。

 財務省が3月に発表した昨年10〜12月期の法人企業統計でも、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比7・0%減の19兆4763億円と10四半期ぶりに減少。年明けの税収の伸び悩みに響いたとみられる。

 第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「製造業の景況感なども弱含んでおり、法人税収が伸び悩む傾向は当面続くだろう」とした上で、政府が62兆4950億円と見込む令和元(2019)年度の税収も「下振れする可能性が高い」と語る。財源不足を赤字国債の追加発行で補うなどの事態になれば、財政再建がさらに遅れる恐れもある。(蕎麦谷里志)

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