GDP4四半期連続プラスも成長弱く… 10月以降はマイナスの見方

 令和元年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は4四半期連続のプラス成長だったが、個人消費の伸びの弱さなどを背景に成長率はゼロ近辺にとどまり、成長の弱さをうかがわせた。10〜12月期は、10月の消費税増税後の反動減が一定程度見込まれるほか、台風19号など自然災害の影響も想定され、5四半期ぶりのマイナス成長は不可避との見方が多い。政府は経済対策を12月上旬にも取りまとめる方針だが、先行きの景気悪化リスクを克服できるか正念場を迎える。

 「内需が増加し、全体として景気の緩やかな回復を示す結果となった」。西村康稔経済再生担当相は14日の記者会見でこう述べた。

 とはいえ、日本経済への不安を感じさせる側面も見え隠れする。10月の消費税増税に伴い注目された個人消費は今回、前期比0・4%増。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は「駆け込み需要があった割には伸びは小幅だった」と話す。

 政府による手厚い増税対策の効果もあり、駆け込み需要は前回増税時ほどではないとの評価が多いが、第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「10〜12月期に反動が出ることは必至」との見方を示す。今月1日発表の10月の国内新車販売台数は、悪天候で来店を控える動きも重なり前年同月比24・9%減と急減。消費者マインドも、内閣府の消費動向調査などでは低水準が続いている。

 外需をめぐっても、輸出は伸び悩みが続く。足元では米中貿易協議の進展期待に加え半導体市場が底入れに向かっているが、世界経済の先行き不透明感は根強く、輸出が本格的に回復し外需主導の成長軌道に戻れるかは予断を許さない。また今回は、訪日外国人客の国内での消費が日韓関係悪化の影響で下押しされ、輸出減少の主因となった。

 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「足元の10〜12月期も含め元年度下期は内需・外需ともに牽引(けんいん)役が不在となり、マイナス成長に転じる」とみる。

 政府は、海外発の景気下押しリスクの顕在化などに「あらかじめ備える」(西村氏)との狙いから、経済対策の策定を進めている。対策の財政的な裏付けとして、年末にかけて元年度補正予算案と2年度当初予算案を一体的に編成する。

 新家氏は「金額ありきではなく、内容を精査し、質の高い予算を目指すことが求められる」と話した。(森田晶宏)

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