なんとかpayが多すぎてわけわからん! おじさんにキャッシュレス・ポイント還元活用のすすめ

 ペイペイうるさいと世間のキャッシュレスフィーバーに背を向けている諸兄も、実は損をしているのでは?と薄々気付いているのではないだろうか。現金しか信用できないという相談者に対し、創立17年のお金の学校「ファイナンシャルアカデミー」(https://www.f-academy.jp/)の講師・山本麗子先生がキャッシュレス事情について解説する。


■現金しか信用できずキャッシュレスの波に乗れない53歳


読者代表:吉田正史さん(仮名・53歳)
新卒で入った中小企業で営業として勤続31年。高校生の長女と中学生の長男を育てる2児の父。年収は650万円で、マイホームは35歳の時に35年ローンで購入し絶賛返済中だ。目下の不安は退職後のお金のやりくりだが、お金に関する知識はやや不足気味。実はスマホに買い換えたのも1年前で、もちろんキャッシュレスにも乗り切れずにいる。

山本先生:吉田さん、消費税10%の生活には慣れましたか?

吉田さん:大きな買い物を控えているので、あまり実感ないですけどね。飲み代が自動的に2%アップでしょう? 「ちょっと一杯」が、だんだんボディーブローのように効いてきそうです。

山本先生:でも、今ならキャッシュレス・ポイント還元制度があるじゃないですか。クレジットカードやコード決済など上手に活用すれば、増税分、もしかしたらそれ以上お得です。

吉田さん:キャッシュレスねぇ。私は現金が一番信用できるんですよねぇ…。

山本先生:政府も、増税の痛みを和らげるとともに日本のキャッシュレス化を推し進めるという方針なんですよ。

吉田さん:なぜ政府はキャッシュレス推しなんですかね。オリンピック・パラリンピック需要はわかりますけど…。

山本先生:キャッスレス化が進めば、個人の利便性や事業者の生産性が高まるのはもちろん、お金の流れがデータ化され、不透明な現金のやりとりの抑制で、結果、税収向上にも繋がります。政府はキャッシュレス決済比率を将来的に世界最高水準の80%を目指しているんです。

吉田さん:うわ〜、根こそぎ税金で持っていかれそうです!

山本先生:お金の流れがデータ化されるので、手間なく確定申告ができるようになり、払いすぎた税金を楽に取り戻せます。脱税のために所得隠しをしたいのでなければ、むしろ良いことですよ。マイナンバーとリンクさせて、社会保険の申請などはオンラインで可能になると思います。

■クレジットカードを賢く使えばキャッシュレス生活を満喫できる


山本先生:現金が一番と言いつつ営業さんですから、交通系ICカードは使っているでしょう?

吉田さん:そうですね、Suica使ってます。電車移動が多いので。

山本先生:吉田さん、もうキャッシュレス生活してるじゃないですか。Suicaのチャージはどうしているんですか?

吉田さん:手動ですよ。2千円ぐらい入れておいてね、足りなくなったら駅でチャージする。

山本先生:そうなんですね。でしたら、クレジットカード払いのオートチャージ手続きをするのがおすすめです。わざわざチャージする手間も省けますし。

吉田さん:クレジットカードもあんまり好きじゃないんですよ……。使いすぎそうだし。

山本先生:そういう人には、クレジットヒストリーという考え方をしてみるのをおすすめしています。

吉田さん:クレジットヒストリーって、信用の歴史?

山本先生:直訳ですけど、その通りです。クレジットカードを使うと、いつ何にいくらぐらいのお金を使ったか、そしてちゃんと支払われているかという履歴ができあがりますよね。現金よりも、むしろお金の流れが見える化されます。

吉田さん:それこそ危ない! かみさんも知らない私の個人情報を第三者に知られてしまうじゃないですか。

山本先生:うふふ。まあそうとも言えますが、金融機関はそれによって融資審査しているんですよね。逆に履歴がない人は信用していいかどうかわからない、ということになるんですよ。

吉田さん:「クレジットカードを使わないから無駄遣いしていない」という評価にはならないんですか?

山本先生:うーん。無駄遣いしていないお金を金融機関に置いてあれば資産となって信用が増すかもしれないですが、それも見当たらないと、どんな人か得体がしれないわけです。

吉田さん:えぇ? じゃあクレジットカードをたくさん使ったほうがいいんですか?

山本先生:そうなんです。使い方に計画性が見えて、クレジット限度額の中できちんと期日に返している。それを継続することで信用が高まっていきます。しかも、クレジットカードで払えばポイントが貯まるので、現金よりもお得ですよ。

吉田さん:ポイント、ポイントってあくせくすると、せこい奴と思われちゃいますよ。

山本先生:自動的にポイントが貯まる仕組みをつくっておけば、あくせくする必要がなく、スマートにポイントを貯められますよ。ポイントを侮っている人ほど、金融リテラシーが低めな傾向があるんですよ。現金で支払ってもカードで支払っても同じ金額ですが、クレジットカードの手数料分を現金の人は負担しているとも言えます。

吉田さん:他人様の分を払っていると思うと癪に障るなぁ。そんなにポイントってお得ですか?

山本先生:通常、クレジットカードの還元率は0.5%ぐらいなのですが、2019年11月現在では、楽天カードやdカードは年会費無料で1〜3%のポイント還元率です。さらに、2020年6月末までは「キャッシュレス・ポイント還元制度」対象店で購入すれば2%か5%の還元が受けられます。

吉田さん:◯◯payを使えなくても、クレジットカードを使えば、キャッシュレス・ポイント還元制度の恩恵は受けられるんですよね?

山本先生:その通りです。

・コード決済(◯◯payなど)
・クレジットカード
・デビットカード
・電子マネー(Suicaなど)

 上記の現金以外の決済方法なら、キャッシュレス・ポイント還元制度が適用されます。

吉田さん:キャッシュレスって、◯◯payだけじゃなかったんですね。

■コード決済の◯◯payはどこがお得なのか?


吉田さん:それで、結局どのpayが得なんですか!? 還元率がいろいろあるみたいじゃないですか。

山本先生:「キャッシュレス・ポイント還元制度」ということでは、2%か5%ということなので、どのpay(コード決済)でも同じです。各コード決済業者が顧客を取り合って、さまざまなキャンペーンを繰り広げているせいで、複雑に見えるんです。

吉田さん:そこをなんとか。

山本先生:◯◯payにクレジットカードでチャージするように設定すれば、ポイント二重取りが可能です。とくにグループ会社の連携で還元率が良くなるキャンペーンが続きそうです。

吉田さん:グループ会社というと、例えばどんなものですか?

山本先生:「ヤフーカード?paypay」の組み合わせや「dカード?d払い」などです。paypayにヤフーカードでチャージするイメージです。ここにさらに「キャッシュレス・ポイント還元制度」がついて、15%〜18%の還元がある場合もあります。

吉田さん:それはすごい。さっそくヤフーカード作らないと!

山本先生:あれっ、クレジットカードをたくさん作るのに抵抗があるんじゃなかったですか? いまは各社せめぎあいの状況です。現にLINEとヤフーは統合しましたし、今後もどこが淘汰されるかわかりません。

吉田さん:でも、この祭りには乗らないというのも…。

山本先生:目先のポイント還元率よりも、自分が定期的に利用する店やショッピングを洗い出して、それに馴染む決済方法を選ぶ方が後々いいと思います。

吉田さん:楽天でよく買い物するなら楽天カード?楽天payとかですか。

山本先生:そうです! ドコモユーザーならdカードGOLD経由で携帯料金を引き落とすとポイントが自動で貯まりますし、d払い(コード決済)をdカードと連携させればポイントが二重に貯まります。ローソンなどdポイント加盟店の利用だとさらにポイントが貯まる、というような活用ができます。吉田さんはSuicaをよく利用されるようなので、Suicaポイントが貯まりやすいビックカメラSuicaカードもいいかもしれませんね。

吉田さん:なるほど〜。

山本先生:今のキャンペーンは一過性のものですし、何枚もカードを作っても結局ポイントも散らばってしまいますしね。よく、自分のライフスタイルと相談してみてください。

〈今日の学び〉
・キャッシュレス・ポイント還元制度はコード決済(〇〇pay)だけでなく、クレジットカードやデビットカード、電子マネーも使える。
・クレジットカードを活用して、クレジットヒストリーを作りながらポイントを貯めるのが賢人。
・◯◯payの還元率に惑わされず、ライフスタイルに馴染む決済方法を選ぼう。

ファイナンシャルアカデミー
お金の教養を身につけるための総合マネースクールとして2002年に創立。東京校・大阪校・ニューヨーク校・WEB受講を通じて17年間で延べ約50万人が、貯蓄や家計管理といった身近なお金から、資産運用などを学んでいます。投資やマネープランニングのエッセンスが学べる無料セミナー「お金の教養PLUS」「お金のMANAviva」は随時開催している。

山本麗子(やまもと れいこ)
ファイナンシャルアカデミー認定講師・ファイナンシャルプランナー・企業年金総合プランナー。FP事務所に勤務後、より多くの人に「お金の教養」の大切さを伝えるためファイナンシャルアカデミーに入社。講師として、企業・個人・女性向けなど様々な講演を行うほか、幅広い層に対する家計コンサルも行う家計改善、金融経済教育のプロフェッショナル。

2019年11月25日 掲載

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