「終活サポート」信託が商品化、葬儀手配やスマホのデータ消去も

「終活サポート」信託が商品化、葬儀手配やスマホのデータ消去も

「終活サポート」信託が商品化

 死んだ後も他人に迷惑をかけたくない――。そんな思いを持つ人は少なくないはずだが、葬儀の手配からスマホのデータ消去、そして晩年の相棒だったペットの先行きまで心配事は山積。特に、独り身だった場合は大変だ。ここ数年、“終活”ブームといわれているが、あなたの備えは?

 2040年、我が国は65歳以上の男性で5人に1人、女性で4人に1人が1人暮らしになる高齢化社会を迎える。病院で家族や友人に看取られず、自宅で寂しく孤独死するケースが増加すると予想されるのだ。

 全国紙の社会部記者の解説では、

「孤独死対策に乗り出している自治体もありますが、万全とは言えません。高齢者が自宅で孤独死して、すぐに親族へ連絡がつかない場合に葬儀を行うのは自治体。その原資は税金です」

 遺品整理で銀行通帳が見つかっても、そこから自治体が資金を引き出すのは法的に難しく、財政を逼迫させる一因にもなりつつあるという。

 そこで三井住友信託銀行が昨年12月17日、死亡後に必要な事務処理を一括して行う「おひとりさま信託」を発売して注目されている。

 三井住友信託銀行人生100年応援部の谷口佳充部長によれば、

「これまで遺産相続に関する遺言信託を扱っていましたが、その他の事務手続きは請け負っていませんでした。昨年、顧客の要望を聞いた社員から具体的な提案があり、商品化に踏み切ったわけです」

「おひとりさま信託」が契約時に預かる信託財産は300万円から。契約時に事務費用が3万3千円、その後に契約年数×6600円の信託報酬、そして死亡時の事務費用11万円がかかる。

 例えば70歳で契約して100歳で死亡した場合は34万1千円かかる計算になり、そこから葬儀費用を差し引いた残金は、契約者が生前指定した先に渡される。谷口部長が続ける。
「生前も安否確認のために定期的にメールを送信し、返信がなければ提携先の団体が契約者の自宅に駆け付けます。また、死亡後の希望を記入する『エンディングノート』はデジタル化したので、要望が変われば簡単に書き換えられます」

 フェイスブックやインスタなどのデータ消去も行ってくれるので、恥ずかしいものが残る心配もなくなる。が、ネットバンキングの預金や仮想通貨などは他の商品で対応しているという。

「ペットについては、提携先の老犬ホームで契約者に餌の好みや散歩の時間などをお聞きするので、死後も生前に近い形で接してもらえるようにします」(同)

 死後の備えに選択肢として加えるのも一考か。

「週刊新潮」2020年1月23日号 掲載

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