Twitterが有料機能「スーパーフォロー」「コミュニティ」を発表、その戦略とは


2021年2月25日にTwitter社が実施したイベント“Twitter Analyst Day 2021”にて、「スーパーフォロー」「コミュニティ」といった機能の実装予定を発表したことが話題になっています。

今回はなぜTwitter社はこのタイミングでこのような発表をしたのか、Twitter社の公式発表から整理していきます。

■「コミュニティ」など、Twitterの新機能の概要

各種新機能の概要は、2/25に実施したイベント“Twitter Analyst Day 2021”のHealthy Participation: Consumer Product Priorities というセッションにて発表されています。

このセッションではフィルタリング機能なども含む今後の機能開発予定全般について説明しているので、本稿では「コミュニティ形成」「有料機能関連」に絞ってご紹介します。

まず、コミュニティ(Communities)機能については下記のように説明されています。

We're working to create a product experience that makes it easier for people to form, discover, and participate in conversations that are more targeted to the relevant communities or geographies they're interested in.

現状も「タグ」「トピック」機能として興味のある「キーワード」についての話題が目に触れるような仕組みが存在しますが、それを「人軸」で推し進めるような機能であると考えられます。

なお、日本においてはかつてTwitter上でコミュニティを作れる「ついっこ」というTwitter公式サービスが存在していました(2011年8月終了)。当時と現在ではユーザー規模が異なるので、もしかしたらうまく行くかもしれません。

また、最近日本でもリリースされたSpaces機能はこのように説明されています。

With Spaces, we provide people with a new way to connect directly in an intimate conversation space using their voice.


明らかにClubhouseを意識している機能ですが、フリート機能(instagramのストーリーに近い機能。一定期間で投稿が消える)を踏まえて発展させていることを考慮すると、「揮発性が高いやりとり」機能の存在は一定程度成功しているようです。

続いて、有料化関連の機能を見ます。今回発表されたのは”Revue”と“Super Follows”の2つです。
Revue機能は下記のように説明されています。

Revue enables writers to publish paid or free newsletters to their audience, enabling these creators to use longform writing to grow and monetize their followings.


newslettersという表現から言っても、noteのような「有料記事」販売ではなく、有料メルマガに近いものだと考えられます。とはいえ、noteの場合も有料記事は新着分がメールマガジン的に配信もされるので、両者に大きな違いはないかもしれません。

Super followsについての説明も見てみます。

We're rethinking incentives and exploring solutions to provide monetary incentive models for Creators and Publishers to be directly supported by audience.


Super followsそのものの機能の説明でない点と、exploring solutions=方法を模索していると言っている点に注意が必要です。なにがしかの直接課金機能を計画しているものの、それが何かは現時点では固まっていないことが想定されます。

■SNSの収益化は非常に難しい

ここからはWebサービスの一般的な収益特性の解説を行います。基本的にwebサービスの収益は間接収益と直接収益に分けられます。

間接収益の場合、閲覧者・ユーザーとは「別の存在」から収益を得る必要があるのですが、この「別の存在」は基本的に「閲覧者・ユーザーに商品を販売したい企業(メーカー・小売・サービス提供企業)」です。

したがって、Twitterのようにユーザーが直接料金を支払わないサービスの場合、サービス上の様々な場所に広告(企業から何か情報を得て表示する)が表示されます。事実、Twitter社も「プロモーション」として、企業からの宣伝ツイート・動画などをユーザーのTwitterタイムラインに多く織り込んでいます。

Twitter社も2020年の収益は広告収入が86%(32億ドル)、残り14%(5億ドル)がユーザーデータ利用料(Data Licensing & Other)と公表しており、広告の威力が大きいことがわかります。

もう一つの直接収益というのは直接ユーザーから料金を支払ってもらう方法を作ることなのですが、この「直接支払ってもらう」ことが非常に難しいのです。

その理由は「情報」に価値を感じてもらうことが難しいことと、「無料」だったものが「有料」になることは「損した」と感じられてしまうため、心理的反発が大きくなるからです。

しかし、Twitter社はその上で、2023年に収益を現在の2倍の75億ドル以上にしたいと表明しています。

現状でも広告はすでに出せるところは出しきっているとすると、収益を増やすにはこの困難な「直接課金」に乗り出すしかないのです。

■コミュニティ・課金機能によってユーザーは離れるのか

このような機能実装予定が表明されると必ず、「ユーザー離れ」を懸念する意見が見られます。

しかし、課金機能やコミュニティ機能そのものが悪いわけはありません。

ただ、インターネットの場合、この機能が2つ揃うと、「お金がもらえれば何でもいい」と考える人たちが集まりやすくなり、値段に釣り合わない情報を売ったり、アフターフォローをしなかったりなど、不誠実な商売を始めることが問題なのです。

Twitter社がこの微妙な「状態の違い」を見極めながら機能を運用できるかどうかを見守る必要がありそうです。

●参考資料

  • Twitter  “Twitter Analyst Day 2021” 説明ページ( https://investor.twitterinc.com/events-and-presentations/twitter-analyst-day/default.aspx )
  • Twitter ついっこ公式アカウント( https://twitter.com/twicco )
  • Twitter “Twitter Analyst Day 2021”資料 “Increasing Revenue Durability”( https://s22.q4cdn.com/826641620/files/doc_presentations/Analyst_Day_2021/5_AnalystDay2021_-Bruce-Matt.pdf )

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