0.8mmピッチのマイクロLEDディスプレー、日韓2社が共同開発

− デジタルサイネージ用に −


 潟qュージョン(東京都千代田区)と韓国LEDメーカーのLUMENSは、先ごろ幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン2021」に0.8mmピッチのマイクロLEDディスプレーを展示した。グーグルの自動運転実験車両やコンセプトカー、電鉄などにすでに搭載実績があるという。

■LUMENSのCOMで高画素化

 このディスプレーには、LUMENSが開発したCOM(Chip on Module)を搭載した。COMは、赤緑青(RGB)色のマイクロLEDチップをフリップチップでプリント基板に直接融着させたもの。基板のサイズは96mm角で、これをタイリングして任意の画面サイズを実現する。最大3000ニットの高輝度が実現でき、放熱構造で長寿命が実現できるようにした。

 LUMENSは、RGBのLEDチップをワイヤーボンディングでパッケージ化したPOM(Package on Module)を開発済みで、POMを0.9mmピッチで実装したLEDディスプレーモジュールも製造しているが、COMによってLEDの接続信頼性を高め、高解像度ディスプレーを実現できるようにした。COMを実装した基板ユニットを曲面状に複数タイリングした70インチディスプレーも試作済みだ。

 このほかに展示ブースでは、RGBのLEDパッケージを2.5mmピッチでフレキシブルシート上に実装し、厚さ3mm、重さ1s以下を実現した160×480mmのLEDディスプレーも展示した。

■製造技術はKIMMがベースに

 LUMENSはパッケージLEDの大手で、サムスン電子などを主要顧客とし、液晶テレビにLEDバックライトなどを提供してきた。マイクロLEDに関しては、2017年に韓国機械研究院(KIMM)が開発したロール転写技術についてデジタルサイネージ向けの技術移転を受け、技術協力のためのMOU(了解覚書)も結んだ。

 このロール転写技術とは、まず各ピクセルのスイッチの役割を果たすTFT回路をロールスタンプに持ち上げ、これを基板に転写したのち、再びLEDチップをロースタンプに持ち上げ、TFT回路が配置された基板に転写するというもの。ロール転写の要素技術はKIMMが保有していた。

 ロール転写技術の開発によって、生産速度が飛躍的に高まった。一般的なLEDディスプレーを製造する際、ダイボンダーは毎秒1〜10個のLEDチップを実装できるが、ロール転写技術は毎秒1万個を転写できる。ダイボンダーで200万画素の100インチデジタルサイネージを製造する場合は30日以上かかるが、ロール転写なら1時間以内で製造できるとKIMMは説明していた。

 LUMENSは、この技術をベースにして米ラスベガスで18年1月に開催された世界最大の家電見本市「CES2018」に130インチのフルHD、139インチで4K解像度のマイクロLEDディスプレーを開発・展示したことがある。

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