「転職を後悔している」30歳前後の中堅社員が失敗した…と思う理由


総合人材サービスのパーソルキャリア株式会社が発表したデータによると、2020年の転職希望者数は4月と5月で下落に転じた後、6月からは前年を上回る増加傾向に。中でも、コロナ禍で大きな打撃を受けた販売・サービス職種での転職登録者数が顕著に増えています。

そんな中、求人情報サイトなどの運営を株式会社ビズヒッツは、転職経験がある男女500人を対象に「転職活動でしんどかったことに関する意識調査」を2月下旬に実施。しんどかったこと第1位は不採用が続いたこと、2位は希望に合う求人がなかったこと、3位は仕事と転職活動の両立で、転職活動の大変さがうかがえる結果です。

そして、転職できたからハッピーかというと、必ずしもそうはいかないようです。今回は、アラサー中堅会社員が転職して後悔したことについて聞いてみました。

■優秀な人が多く、ついていけないと感じる

IT企業から同じ業界の別の会社に転職した29歳の男性Aさんは、転職して昇進が望みづらくなったと言います。「同じ業界だから即戦力になれるだろうと思い、結構自信を持って転職した。前の会社よりも業界順位が上だからキャリアアップになると思ったし、少し年収も上がるし…」と話し始めたAさん。

「でも、入ってみるとみんなレベルがとても高くて、同年齢でもできることが全然違った。頭の回転が速くてコミュニケーション能力も高い。こんな同僚たちの中では、なかなか上に行けないんじゃないかと思った」のだそう。

「自分で言うのもなんだけど、前の会社では仕事がデキるほうで、次にプロジェクトリーダーになるのは自分だと決まっていたし、同期の中では一番評価が高かった。前の会社の役員ともウマがあって順調に昇進できると思っていたけど、レベルの高い会社に行きたいという気持ちで転職してしまった」と続けます。

「今となっては、前の会社で昇進していったほうがよかったのでは、と後悔している」と、周囲についていけない不安を話してくれました。

■人間関係が転職前の会社より悪かった

職場で過ごす時間は1日のかなりの割合を占めます。そのため、人間関係を重視する人も多いもの。人材業界から不動産業界へ転職した31歳のBさんは、新しい職場で人間関係に悩むことが増えたと言います。

「異業種への転職だったけれど、面接を受けたときは会う人会う人みんながいい人だった。不動産業界は給与水準が高くて面白い、以前は労働環境が悪いと言われていたけれど最近はやはり社会的な規制が厳しいので遅くとも20時には帰れている、などと聞いていた。だから転職を決めた」のだそう。

しかし、現実は甘くなかったようです。「実際に入社してみると、人間関係は最悪で、なぜそんな意地悪なことを言うんだろう?と思うような人もいる。課長や部長からは罵詈雑言を浴びせられることもあるし、同じフロアで怒鳴り声が聞こえてくるなんてことも日常茶飯事。いまは胃がキリキリするような環境で働いている」と話します。

面接に出てくる人はみんないい人だったと言いますが、「アレは面接だからいい人を装っていただけ。やっぱり営業マンってセールス用の笑顔を持っているんだなって感心半分、がっかり半分。自分は騙されていたんだと後悔している」と教えてくれました。

転職前に転職先の職場の実態を知るのは難しいですし、ましてや人間関係について深く知ることもできません。転職後に一番ネックとなる要素は職場の人間関係かもしれませんね。

■同僚のレベルが思ったより低かった

同僚のレベルが高く昇進が難しくなったと感じる人がいる一方で、転職してレベルが下がったと感じる人もいるようです。金融業界から同業種へ転職した30歳の女性Cさんは、同僚のレベルが違いすぎて衝撃を受けたと言います。

「転職先はExcelすらうまく使えない人が多く、事務スキルのレベルもイマイチだし、専門知識もほとんど持ち合わせていない。もう何年金融機関で働いているの?と思うような状態で、この会社はなんで金融機関として成立してきたんだろうと思ってしまった」と話します。

Cさんは、そんな中で同僚と同じ仕事をすることに違和感を抱いているのだそうです。「仕事も忙しくなく、定時前の16時頃に終わってしまい手持無沙汰になってしまう。自分でやることを見つけて仕事をしていると同僚からは『超やる気あるね』みたいに笑われるし」と続けるCさん。

「こんなにレベルの低い同僚に混じってExcelや金融の基礎知識を教えながら、同じ給料をもらって生きていくのかと思うとちょっと働く気がしないというか…。転職しないほうが刺激的だったしモチベーションは上がっていたかなと思う。給料が低いワケではないから、ゆっくり働きたいならこのままでもいいかもしれないけれど…」と話してくれました。

■おわりに

今回はアラサーの中堅社員が転職して後悔したことについて紹介しました。どれも転職前に知ることは難しいことですが、たとえば事前に職場見学を申し出てみたり、同僚になる予定の人たちとの面談の時間を設けてもらったりするのもいいでしょう。転職するなら後悔しないよう、事前準備をしっかりしておくことが必要ですね。

●参考資料

  • 転職求人倍率レポート 2021年3月( https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ )(doda/パーソルキャリア株式会社)
  • 転職活動でしんどかったことに関する意識調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000041309.html )(株式会社ビズヒッツ)

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