日経平均は2万8000円台を回復したが再び下降トレンドに向かう可能性も

− 【日経平均株価】テクニカル分析 2021年10月10日 −


■米国債のデフォルトリスク後退を受けて日経平均も下げ止まる

2021年10月8日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より370円73銭高の2万8048円94銭でした。続伸で、4日ぶりに2万8000円台を回復しています。

米議会上院で7日、連邦政府債務の上限を一時的に引き上げる法案が可決されました。米国債がデフォルト(債務不履行)するといった警戒感が後退したことから、前日の米株式市場で主要株価指数が上昇。この流れを受けて、東京市場でも買いが広がりました。

一方、中国では国慶節(建国記念日)の連休で休場していた上海・深セン市場が1週間ぶりに再開し、上昇しています。中国恒大集団をはじめとする不動産業界の債務問題への懸念はいったん落ち着きを見せた形です。

今週の動きはどうなるでしょうか。8日には9月の米雇用統計が発表されましたが、非農業部門雇用者数は前月比19万4000人増と市場予想(50万人増)を下回っています。一方、失業率は4.8%と、8月(5.2%)から低下し、市場予想(5.1%)を上回る改善を示しました。

強弱入り交じる内容となったことから、8日のダウ工業株30種平均は方向感に乏しい動きとなりました。結果としては4日ぶりに小反落し、前日比8ドル69セント安の3万4746ドル25セントで終えています。

雇用情勢が悪くないことから、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について、11月の量的緩和の縮小(テーパリング)は変わらないとの見方が市場に広がっています。

足元では円安・ドル高水準にありますが、米金利上昇に伴うドル買い・円売りがさらに進みそうで自動車など輸出関連株には追い風になります。一方で、原油高も進んでおり、こちらは日本企業のコスト負担増につながります。

9月29日に投開票が行われた自民党総裁選では岸田内閣が発足しましたが、ご祝儀相場は伸びず、大型の財政出動の内容待ちといったところです。

国内では4〜9月期の決算発表も本格化します。コロナ禍の反動で増益に転じる企業が多くなると見込まれているなど、期待ができそうです。

■75日線、200日線も割り込み、大幅に下落

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週は大きく下落した後、ローソク足の実体が25日線を割り込み、75日線付近で下げ止まっていました。先週は、この75日線を維持できるかどうかが大きなポイントでした。ちなみに、この付近は200日線にも重なります。

実際には、週初4日から大きな陰線となって75日線を割り込むと、その後も窓をあけて下落し、2万8000円も割りました。6日には一時、2万7200円台まで下げました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。9月上旬に、これまで長期間にわたり上値を押さえられていた75日線を突破しましたが、1カ月あまりでまた下抜けてしまいました。

ただ、一つ救いとなったのは、直近の押し安値である8月20日の安値(2万6954円)までは下がらなかったことです。6日には下ヒゲの長いローソク足となっており、下げ渋る様子もうかがえます。

ここからのシナリオとして、再度75日線に上値を押さえられて下がることも想定されます。今週初に、75日線や200日線が重なる2万8500円付近を回復することができればいいですが、そうでないと再び下降トレンドに転じる可能性があります。

特に8月20日の安値(2万6954円)を割るようなら警戒が必要です。まずは今週、75日線を超えることができるかどうか、注目したいところです。

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