使い始めは65歳「老後の資金」60代の貯蓄の平均・中央値は?


It‘s SHO-TIME!

MLBロサンゼルス・エンゼルスで活躍している大谷翔平選手。11月19日(日本時間)、満票で今シーズンのMVPとなりました。

大活躍中の大谷選手ですが、お金に関してこんなことを述べています。

「特に消費するということはあまりない方なので。今のところは(お金は)たまっていく一方かなと思っています」

大谷選手は現在年俸300万ドルですので、日本円にすると約3億円です。その半分が税金で取られるそうなので、年俸ベースの毎年の貯金額は約1億円程度になるかもしれません。

大谷選手は特別な例ですが、みなさんはどのくらい貯蓄できていますか?

人生100年時代ですので、老後のことを考えてコツコツ貯蓄されている方も多いかと思います。また、夫婦で老後「ゆとりある生活」をするためには、いくら貯める必要があるのでしょうか?

そこで今回は老後資金、そして年金受給開始世代の60代の貯蓄額について見ていきたいと思います。

■「老後の資金」みんな何歳から使い始める?

老後資金といえば、65歳で定年退職し、その後の生活資金というイメージをお持ちの方も多いかと思います。
実際のところ、老後資金はいつから使い始めるののでしょうか?

生命保険文化センターの調査によると、以下の結果となっています。

■老後資金の使用開始年齢 平均:65.9歳

  • 59歳以下:1.2%
  • 60歳:14.4%
  • 61〜64歳:1.5%
  • 65歳:39.7%
  • 66〜69歳:1.9%
  • 70歳:20.9%
  • 71歳以上:4.9%
  • わからない:15.4%

65歳が約4割と最も多く、次いで70歳が約2割、60歳が約1割ほど。60歳、65歳、70歳という区切りから使い始める人が多いようですね。今の現役時代の方も、このような年齢区分で使い始めるようになる可能性が高いかもしれません。

厚生労働省「令和2年 簡易生命表の概況」によると、男性は平均寿命は81.64歳、女性は87.74歳です。つまり男性は約16年間、女性は約22年間、老後資金を使い続けることになりますね。

2019年に話題となった、「老後2000万円問題」。あくまでもモデルケースに基づく試算ではありますが、この「2000万円」は老後資金の一つの目安にはなるかと思います。

では、実際のところ60代の方はどのくらい貯蓄されているのでしょうか?

ここからは、二人以上の世帯と、「おひとりさま」の単身世帯の貯蓄額を見ていきたいと思います。

■60代、二人以上世帯の貯蓄額は?

まずは、60代の「2人以上世帯」の金融資産保有額をみていきます。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」を参考にします。

■【60歳代・二人以上世帯】金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:18.3%
  • 100万円未満:3.5%
  • 100〜200万円未満:4.0%
  • 200〜300万円未満:4.0%
  • 300〜400万円未満:3.3%
  • 400〜500万円未満:4.0%
  • 500〜700万円未満:5.3%
  • 700〜1000万円未満:7.5%
  • 1000〜1500万円未満:7.5%
  • 1500〜2000万円未満:6.3%
  • 2000〜3000万円未満:13.3%
  • 3000万円以上:19.6%
  • 無回答:3.3%

平均:1745万円 中央値:875万円

※平均値は一部の大きな数字に引っ張られるため、中央値を参考にして下さい。

中央値は875万円と、2000万円にはほど遠い金額です。2000万円の半分の金融資産1000万円未満の方は、約5割と非常に多いです。

一方で、2000万円以上保有する人は約3割いますので、大きな格差があることがわかります。老後資金に向けて貯蓄を保有している世帯と、していない世帯に大きく分かれるようです。

■60代「おひとりさま」の貯蓄額は?

次は、60代のおひとりさま世帯に視点を移します。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」から貯蓄の分布を見ていきます。

■【60歳代・単身世帯】金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:29.4%
  • 100万円未満:9.1%
  • 100〜200万円未満:5.0%
  • 200〜300万円未満:3.3%
  • 300〜400万円未満:4.8%
  • 400〜500万円未満:2.9%
  • 500〜700万円未満:5.3%
  • 700〜1000万円未満:5.2%
  • 1000〜1500万円未満:7.2%
  • 1500〜2000万円未満:4.5%
  • 2000〜3000万円未満:6.7%
  • 3000万円以上:13.8%
  • 無回答:2.8%

平均:1305万円 中央値:300万円

中央値は300万円。二人以上世帯とに比べると約500万円ほど下がります。金融資産500万円未満の方は約5割。一方で1000万円以上保有する人は約3割です。おひとりさま世帯でも、まとまった貯蓄を用意している人としていない人で二極化することがわかりました。

老後2000万円問題は夫婦2人で試算されていますが、おひとりさまでも安心はできません。実はこの試算は住居費が1万3000円台で計算されています。

賃貸住まいで月の家賃が5万円であれば、20年間、家賃だけで1200万円が必要です。3万円の家賃であれば、20年で約720万円まで下がりますね。家賃が低いところに住むなどの工夫が必要でしょう。

さらにこの試算の中には「介護費」が組み込まれていません。老人ホームなどの施設に入る場合、ひとりにつき1000〜2000万円ほど必要ともいわれます。この部分についても別途上乗せで準備していく必要があるわけです。

■老後の資金は「早め早めの対策」を

今回は「老後資金」の話題を軸に、年金受給開始世代の60代の貯蓄額について見てきました。

あくまで2000万円の老後資金はモデルケースですが、一つの目標にはなりそうですね。そうはいっても、そう簡単に2000万円も貯金できません。

例えば、20年間で2000万円貯金する場合は、月に約8万3000円貯金が必要です。衣食住その他を考えると、月8万円を欠かさず貯金に回すことは、多くの世帯にとって決して簡単なことではないでしょう。

そこで目を向けていただくとよいのが、「資産運用」でお金に働いてもらう発想です。長期で複利運用できた場合、資産を効率よく育てていくことに繋がります。

例えば、「想定利回り6%・20年間複利運用」ができた場合、毎月4万4000円の積立額で、約2000万円の資産を作ることができます。この場合元本は1056万円。つまり約2倍にお金が増えるのです。

預貯金とは異なり、資産運用には元本保証がありませんが、運用期間をできるだけ長くとることで、複利のチカラでお金を効率よく育てていくことに繋がります。上手に資産運用を進めていくことは、みなさんの老後生活の安心に繋がることでしょう。

■参考資料

  • MLB公式サイト「It’s SHO-TIME!」
  • 公益財団法人生命保険文化センター「『老後』とはいつから?」
  • 厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況 結果の概要 1主な年齢の平均余命」
  • 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」
  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」
  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」
  • 金融庁「資産運用シミュレーション」

関連記事(外部サイト)