「ふつうの年収400万円台」リアルな貯蓄額。手取り20%を貯蓄するための生活費の目安は?


日本の平均給与がなかなか上がらないといわれている中、秋から冬にかけて食料品や電気料金など生活に関わるものの値上げが相次いでいます。

これから訪れる年末年始は、帰省やお正月料理、お年玉、冬休み中の家族の昼食代など何かとお金がかかる時期。冬は年間で最も光熱費もかかりやすい傾向にあるため、この時期はお財布事情について悩まれる方もいるでしょう。

国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者数は5245万人の平均年収は433万円。男女別にみると、男性は3077万人(対前年比44万人増)で平均給与は532万円、女性は2168 万人(対前年比55万人の減少)で平均給与は293万円でした。

日本の「ふつうの年収」は400万円台。実際の手取り月収や年収400万円台世帯の貯蓄額はどれくらいでしょうか。日本の平均年収世帯のリアルをのぞいていきます。

■年収400万円台の平均年齢や手取り月収は?

同調査より、給与所得者の構成比をみると「年収400万超 500万円以下」に該当するのは全体で14.6%。男性は17.3%、女性は10.7%です。

では、くわしい年齢や給与などはどれくらいでしょうか。同調査の「第3表 給与階級別の総括表」より、年収400万円台(1年を通じて勤務した給与所得者)の平均値を抜粋します。

■【年収400万円台】平均年齢や月給、賞与など

  • 平均年齢:43.2歳
  • 平均勤続年数:11.9年
  • 平均給料・手当:379万9000円
  • 平均賞与:67万6000円
  • 平均給与(年収):447万5000円

年収400万円台の平均年齢は43.2歳で、勤続年数は10年を超えました。平均給料・手当は約380万円で、月額の額面給与にすると約31万6000円。社会保険料や税金を引いた手取り額は、およそ25万円前後でしょう。

月収約25万円というと、一人暮らしなら余裕がありある程度貯蓄もできるでしょう。夫婦でお子さんがいる世帯となると、住居費や食費、習い事費用など生活水準によっては貯蓄が厳しくなる場合もあります。

実際に、年収400万円台世帯の平均貯蓄や負債額について確認しましょう。

■年収400〜450万円世帯の貯蓄&負債額は?

一つの参考として、総務省統計局の「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年)第8−2表)」より、「年収400〜450万円・勤労世帯」の平均年齢や貯蓄、負債額まで見ていきます。

■【年収400〜450万円・勤労世帯】の家庭&お財布事情

  • 平均年齢:50.6歳
  • 世帯人員:3.23人(うち18歳未満人員:0.87人)
  • 女性の有業率:39.4%
  • 持ち家率:73.8%
  • 平均年収:423万円

平均貯蓄額:911万円
平均負債額:555万円(うち「住宅・土地のための負債」:508万円)
純貯蓄額:911万円(貯蓄)−555万円(負債)=356万円


こちらの調査では「年収400〜450万円・勤労世帯」の世帯年齢は50.6歳。家族は3人で、18歳未満のお子さんが1人います。年齢的に中高生が多いと考えられるでしょう。

女性の有業率が約4割なので、およそ6割が世帯主ひとりで年収400万円となります。7割以上が持ち家に住んでいますね。

平均貯蓄額は911万円と、1000万円に近い水準です。堅実に貯蓄されている印象を受けますが、一方でこれから大学費用もかかります。

負債額が555万円ですが、その多くを住宅や土地のための負債がしめるため住宅ローンの残りでしょう。

持ち家率が高いので、住宅ローンを完済すれば老後の住宅費用は抑えることはできます。大学費用の負担も大きいですが、貯蓄からまかなえるでしょう。

一方で2019年に話題となった「老後2000万円問題」では、夫婦2人で生活する場合、年金以外に2000万円が必要と言われています。これから老後に向けて貯蓄を増やしていく必要はあるでしょう。

■年収400万円で貯蓄を増やすには?

はじめの国税庁の調査では、月収が手取りで約25万円でした。毎月の貯金額は手取りの20%が理想といわれています。手取りが25万円なら、月5万円ほどの貯蓄を目指したいですね。

月5万円の貯蓄をするためにも、抑えたいのが固定費です。生活費の中でも負担が大きい住居費は、手取りの20〜30%に抑えるといいでしょう。家賃の目安は5万円〜7万5000円ほど。住宅ローンを組む際の返済額も、月5〜7万円程度を目安にしましょう。

水道光熱費・通信費は手取りの10%、2万5000円程度を目安にしたいところ。家族が多いと費用がかかるので、特に通信費は大手キャリアの格安プランや格安SIMを検討したいですね。

ほかに家計の中でも見直しやすいのが食費です。食費は手取りの15%程度が理想なので、3万7500円ほど。ただし総務省統計局の「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2020年(令和2年)」によると、二人以上・勤労世帯の食費の平均は7万9496円と、およそ2倍です。

食費は夫婦の働き方やお子さんの人数、年齢によっても大きく左右されます。平均額と比べると、節約をして食費を抑える必要があるでしょう。

これ以外にも日用品や車の維持費、習い事費用、教育費などを払うとなると、手取り20%を貯蓄するにはさまざまな工夫が必要なことが分かります。

■金額より方法を工夫する手段も

年収400万円台世帯のお財布事情を確認してきましたが、お子さんが成長すると食費や通信費、教育費などはふくらみます。手取り20%の貯蓄は厳しくなるご家庭も多いでしょう。

そういった場合には、量より質、つまり金額だけでなく貯蓄方法の工夫も考えましょう。たとえば運用益が非課税になるつみたてNISA制度を利用して、毎月コツコツと積み立てて貯蓄をふくらませる方法もあります。

運用にリスクはありますが、平均給与が上がらず食料品などの値上げが続くという状況下では、貯蓄を増やすためにとりいれたい一つの手段です。今のような状況だからこそ、できることを考えてみましょう。

■参考資料

  • 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm )
  • 総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年)第8−2表)」( https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0 )
  • 総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2020年(令和2年)」詳細結果表第3-2表( https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1&tclass4val=0 )

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