「希望人数の子ども持てない」61.5%。20〜40代の賃金や大学費用はいくらか
2021年12月25日 10時55分 LIMO

さまざまな意見が挙がった18歳以下への10万円相当給付。すでに自治体より支払通知書が届いたり、振り込みのあったりしたご家庭もあるでしょう。
「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」として位置づけられた「子育て世帯への臨時特別給付」ですが、子育て家庭の経済的な問題は子どもの人数にも影響しているようです。
株式会社ネクストレベルが運営する縁結び大学が、2021年10月22日〜10月25日に20代から40代の子どもを持つ男女231人に行った「希望していた子どもの人数と、実際の子どもの人数の相違」の調査によると、「欲しかった子どもの人数を授かることができた?」という質問に「希望よりも少なかった」と答えたのは61.5%でした(2021年12月8日公表 )。
どのような理由が希望する子どもの人数へ影響しているのか、具体的に見てみましょう。
■今の子どもの人数と希望は?
同調査の今の出産予定を含んだお子さんの人数を確認すると、以下の通りです。

出典:株式会社ネクストレベル運営の縁結び大学
子どもは1人の方が4割と最も多く、次いで2人が約3割、0人が約2割ですね。
では、希望している(していた)子どもの人数は何人でしょうか。

出典:株式会社ネクストレベル運営の縁結び大学
希望する子どもの人数は2人が57.6%、3人が24.7%、1人が13.4%という結果になりました。これから2人目、3人目を出産予定の方も含まれますが、中には子どもの人数が希望通りにいかないという方もいるようです。
希望よりも子どもの人数が少ない理由について、1位は「経済的な理由」でした。子育てには日々の生活費だけでなく、教育費や学用品費、塾・習い事代などさまざまな費用がかかります。
では、みなさんが希望人数の子どもをもつために必要だと感じているものについて見ていきましょう。
■希望人数の子どもを持つために必要なことは?
どういう状況であれば希望通りの子どもの人数を持てたのか、その理由をみていきます。

出典:株式会社ネクストレベル運営の縁結び大学
1位は「収入が現在よりも増える」でおよそ6割です。
参考までに、厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より、20〜40代の平均賃金を確認しましょう。
■20〜40代の平均賃金
- 20〜24歳:21万2000円
- 25〜29歳:24万4600円
- 30〜34歳:27万4400円?
- 35〜39歳:30万5200円
- 40〜44歳:32万9800円?
- 45〜49歳:34万7400円
※「賃金」は6月分の所定内給与額。「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当として支給される給与)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。
上記は未婚の方も含みますが、20〜30代前半までは20万円台、30代後半〜40代は30万円台です。各ご家庭で状況は異なりますが、現状では希望する子どもの人数を望めないと思う方も多いのでしょう。
希望人数の子どもをもつために必要なことの2位は「今より多額な子育て支援が得られる」で47.2%でした。いまは児童手当や幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金制度などがありますが、現状のままでは足りないようです。
4位にランクインするのが「学費」でした。学費の中でも、特にお金がかかる大学費用を気にされている方が多いですよね。
では、実際に大学4年間でどれくらいの学費がかかるのでしょうか。
■大学4年間の学費はいくらかかる?
日本政策金融公庫の「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』(2020年10月30日公表)」より、「国公立大学・私立大学(文系・理系)」の入学・在学費用を4年間で計算すると以下の通りになります。
■4年間の入学・在学費用
- 国公立大学:537万円
- 私立大学(文系):703.5万円
- 私立大学(理系):863 万円
※入学費用は、受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金。
※在学費用は、学校教育費(授業料や通学費、施設設備費などのその他の学校教育費)と家庭教育費(学習塾・家庭教師の月謝や参考書・問題集の購入費などの補助教育費や、おけいこごとにかかる費用)。
上記には受験費用や入学しなかった学校への納付金、また通学費なども入っています。そのため高く感じる方もいると思いますが、一つの目安となるでしょう。
子ども1人の大学費用だけでも上記のようにかかりますから、きょうだいがいれば2倍、3倍となります。経済的な理由で躊躇してしまうご家庭もあるでしょう。
これまで見てきたように、現状では経済的な理由から希望通りの子どもの人数を望めないと考える方が一定数いることが分かりました。
お金の面だけでなく、核家族で実家が遠方の方が多い現代は、パートナーや周囲の支援が今以上に必要といった問題も考えられるでしょう。
■参考資料
- 内閣府「山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月10日」( https://www.cao.go.jp/minister/2111_d_yamagiwa/kaiken/20211210kaiken.html )
- PRTIMES「『本当はもっと子供が欲しいのに…』6割以上が希望人数の子供を持てない!その理由と解決策とは?」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000032757.html )
- 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html )
- 日本政策金融公庫「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』」( https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf )
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