年収400万円台の貯蓄平均はいくら?年収と貯蓄は連動しているかもチェック
2022年01月25日 05時20分 LIMO

国税庁の「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、1年間を通じて勤務した給与所得者の年間給与は平均433万円。
【図表】平均給与の推移は?

【出典】国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」(2021年9月)
このことから年収400万円台は世の中の平均、いわゆる「ふつうの世帯」とよべるかもしれません。
では、「ふつうの世帯」の貯蓄平均はいったいどれくらいなのでしょうか。
他人とおかねの話はしにくい世の中。今回は平均額を参考にしながら、みんなのお財布事情をのぞいてみましょう。
■年収400万円台、ズバリ貯蓄平均はいくら?
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)−2020年(令和2年)平均結果−(二人以上の世帯)」を参考に、年収400万円台「勤労世帯」の平均貯蓄額を見てみましょう。
データは400万円〜450万円世帯と450万円〜500万円世帯に分かれているため、それぞれの貯蓄平均額は以下のとおりです。
- 400万円〜450万円世帯:911万円
- 450万円〜500万円世帯:813万円
年収400万円台の貯蓄平均額は、約800万円〜900万円ということがわかりました。
こちらはあくまで平均値で、実際には勤務期間や家計状況で差が出てくることと思います。
では、貯蓄の中身はどんな構成でしょうか。
400万円〜450万円世帯を例に貯蓄内訳は見てみましょう。
■貯蓄平均額:911万円 【893万円(金融機関での貯蓄)+18万円(金融機関外での貯蓄)】
<金融機関での貯蓄内訳>
- 通貨性預貯金:290万円
- 定期性預貯金:286万円
- 生命保険など:228万円
- 有価証券:88万円
一見バランスよく見えますが、預貯金の比率は全体の6割を占めており、現金に偏っていることがわかりました。
■負債と純貯蓄もチェック
実は、貯蓄のリアルを見る上で大切なのが「純貯蓄」です。
純貯蓄とは、貯蓄から負債を引いた純粋な貯蓄部分を表しています。
一般的に、負債のほとんどは「住宅・土地のための負債」が占めており、住宅ローンを表しています。
そのような負債を考慮した純貯蓄はいくらなのか見てみましょう。
■年収400万〜450万円世帯
- 貯蓄911万円
- 負債555万円 (うち「住宅・土地のための負債」508万円)
- 純貯蓄額:356万円 (貯蓄911万円−負債555万円)
■年収450万〜500万円世帯
- 貯蓄813万円
- 負債601万円 (うち「住宅・土地のための負債」:560万円)
- 純貯蓄額:212万円(貯蓄813万円−負債601万円)
純年収400万円台の純貯蓄額は、約200万円〜400万円ということがわかりました。
年収が上がっても生活水準やローンの金額も増える人もいるため、年収と貯蓄は必ずしも比例しないといえそうです。
■貯蓄の内訳はバランスよく
夫婦共働きや、節約を意識して収支のバランスをとっている世帯も多いことでしょう。
特に、日本は長らくデフレが続いていることから、「もっともっと安くならないか」、「節約しなきゃ」という意識が強いのではないでしょうか。
しかし、時間の制限や最低限の生活の維持を考えると、収支を工夫していてもどこかで限界を迎えることかと思います。
そんなとき、次に目を向けたいのが「貯蓄の内訳」です。
例えば、目的用途のない資金をただ普通預金や定期預金に貯めている場合。
預貯金はいつでも使えるメリットがあるものの、現在の低金利環境では預けていて増えないのも事実です。
ライフイベントの目的別におかねの色分けをして、有価証券などの将来の資産上昇が期待できるものへ分散させることが、貯蓄を増やす鍵と言えます。
まずは手始めに、国の制度でもある「つみたてNISA」や「イデコ(個人型確定拠出年金)」など税金上のメリットも受けられる運用方法から情報収集されるとよいでしょう。
■まとめにかえて
貯蓄の内訳で、すぐにできることはおかねの色分けです。
例えば、生活費の3カ月〜6カ月は生活資金の備えとして、その他のまとまった資金については預貯金以外の選択肢を考えてみてもよいかもしれません。
その際に、その資金をいつどんな目的で使うのかをざっくり考えると、選ぶべき金融商品や制度が見えてくることでしょう。
ぜひおかねの色分けをすることでライフプランを立てるきっかけになれば幸いです。
■参考資料
- 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査の調査概要」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf )
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)−2020年(令和2年)平均結果−(二人以上の世帯)」( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html )
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