少子化待ったなし!教育産業への影響や未来を考える。高齢者向けの習いごとが増えるか


成人の日を迎えるにあたり、毎年国内の成人者数がニュースで取り上げられています。過去最少の120万人になると総務省は発表していますが、今年は少子化やもちろんのこと、コロナ禍により留学生や技能実習生が来日できないことも影響していると各メディアは報じています。

成人人口は20年前の出生数から予想できますが、今後改善する見込みはないのは周知の事実です。少子化はあらゆる面で与える影響は大きいですが、とくに直撃を受けるのが教育産業です。

顧客層の先細りが確定しているなかで生き残るためには、ターゲット層を低年齢にし「長く通ってもらう」という戦略は常識になっています。

■乳児向けクラスは当たり前になっている

厚生労働省の「2019 年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯は1986年は全世帯のうち46.2%でしたが、2001年に30%を割り込むと2019年には児童のいる世帯は21.7%にまで減少しました。

【図表】児童のいる世帯・いない世帯の推移は?

【出典】厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(2020年7月17日)

この数字が今後さらに減少の一途を辿ることは疑いのないことであり、教育産業界とっては死活問題になっています。

とくに何もしなくても「小学生がたくさん来てくれる」という時代は過ぎ去り、とにかく早い段階から子どもの取り囲みをして長期間通ってもらえなければ、生き残ることが難しい時代に突入しているのです。

全国に教室展開している公文式では、2012年から0歳児から2歳児を対象とした「Baby Kumon」を開講しています。また、同じく教室を全国展開している学研でも乳幼児向けクラス「Petit Pas」を2018年からスタート。大手企業が率先して乳幼児向けのクラスを開いているのも避けられない市場縮小への対抗策といえます。

音楽や英会話教室でも同様な動きが見られており、「乳児向けクラスは当たり前」になっています。昭和や平成初期であれば、小学受験をする家庭などを除けば習い事を始めるのは就学前後というのが一般的でしたが、人生最初の習い事が0歳、1歳という子も珍しくありません。

■習い事の辞め時を考えることも必要

ひと昔前とは異なり、乳幼児期から気になる習い事が多種多様あると入会したくなるのが親心。知り合いに複数の習い事をしている家庭があればなおのこと気になったり焦ったりします。

しかし、あまり考えずに早い時期から習い事を始めてしまうと月謝の積み重ねも無視できず、ある程度「辞め時」を想定し、習い事を吟味することも必要です。

高校入学から大学卒業までにかかる教育費は、国公立大学への進学だと743万円、私立大学文系では951.6万円、私立大学理系で1083.4万円になります(日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」)。

大学進学を予定しているが国公立か私立かでも教育費がかなり変ってきます。「まだまだ先のこと」と高を括ることなく、子どもの進路進学を考えて習い事を取捨選択して家計をコントロールすることも大切です。

多くの習い事は学年が上がると月謝が上がります。とくに塾に関しては受験学年の相場は上がることがほとんどで、そこに季節講習会が加わるとかなりまとまったお金が必要となってきます。

少子化により習い事や教育産業の低年齢を対象とした囲い込みが熱くなっていますが、教育関連といえども企業です。消費者目線を持って冷静に判断し考えていくことも肝要です。

■少子化なのに豊富過ぎる習い事の数々

昔はそろばん、書道、ピアノ、スイミングそして学習教室が習い事の定番でした。今は少子化が進んでいますが、従来の習い事の他にも英会話やプログラミング、体操、ダンス、テニスなども加わり選択肢がかなり増えています。

とくに昔と変わったのがスポーツ系です。若いスター選手が登場して生徒が殺到したゴルフやテニス、そしてオリンピックで注目を集めた競技などの習い事も人気が集まります。野球やサッカーだけではなくなっています。

しかし、少子化で1人の子に教育費をかけやすくなっていたる面はありますが、衰退が免れない世界で激戦を繰り広げるのは遅かれ早かれ舵取りを変えなければ生き残れません。

すでに音楽系で見られるように大人向けのレッスン教室を開講するなど、教育産業も親や祖父母をターゲットにした講座が誕生しても何ら不思議ではない時代になっています。

■参考資料

  • 総務省 「寅(とら)年生まれ」と「新成人」の人口( https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1300.html )
  • 厚生労働省「2019 年 国民生活基礎調査の概況」(資料7ページ)( https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf )
  • 日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」( https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf )

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