商船三井の株で大儲けした投資初心者、FIRE夢見るも「甘すぎる」株価への心がまえとは


日経平均株価がもみ合いで推移する中、投資のパフォーマンスがなかなか上がらない投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、個別で見れば、高いリターンを上げている株式銘柄もあります。

今回は、多くの個人投資家の投資相談を受けてきた経験のある筆者が、「個別株投資で高いリターンを上げた時の投資初心者」に見られた、要注意行動をご紹介します。

■1. 商船三井の株価

今回取り上げる企業は商船三井(9104)です。

商船三井の株価は2010年以降、だいたい600〜2000円のレンジで推移してきましたが、2021年以降は非常に強い勢いで値上がりしてきました。

仮に2年前の600円弱(株式分割調整後)で100株買い、現在まで持ち続けたとすると、6倍近いリターンを上げている計算となります。

大手海運株ということで知名度も高く、またわずか2年という短い期間のため、実際にこの間持ち続けていたという投資家もそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか。

2年間で6倍ものリターンを上げた場合、ベンチマークや他の投資家と比べるなど小難しいことは抜きにして、単純な絶対リターンとして「大成功」と言えるでしょう。

■2. 商船三井の株式投資で高いリターンを上げ、FIRE夢見る投資初心者

コロナ禍をきっかけにネット証券の口座開設数が増加する中、投資初心者の方で、商船三井への投資で今回の大きなリターンを上げたという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者がこれまで投資相談を多く受ける中、投資をし始めた頃に大きなリターンを上げた人の中には、株式投資は簡単に儲かるものと認識し、「過剰に楽観的な未来を描く」「注意力が落ちる」といったケースもそれなりに見受けられました。

確かに、始めたばかりで、知識や経験の積み上げが浅い中で大きなリターンを上げれば、そのような感覚となるのも仕方ないのかもしれません。

しかし、株式投資とはもともとハイリスクな投資。

基本的には株価の上げ下げと戦いながらリターンを積み上げる投資です。

そのため、「たまたま上昇局面で買ったから高いリターンを得た」というケースも当然考えられ、大きな含み益を上げた後は、下落局面がいつか来ると想定し、「いつ売るか?」を考えることが重要となってきます。

つまり、株式投資で長期的にリターンを上げるには、買い時・売り時を判断する知識・感覚が重要ということです。

投資初心者でいきなり高いリターンを上げた人は、この出口部分の見方が甘いケースがそれなりにある印象です。

商船三井のケースで言えば、「株価を注意深く見ていなくても、来年・再来年とまた倍々ゲームで株価が上昇する」という見立てを安易に持つということになります。

「株価は、放っておいても好調に上がり続けるもの」という認識でいると、いつの間にか下落局面に入り、上昇幅が減ってしまった、または全てなくなってしまったという事態に陥る可能性もあります。

平たく言えば「浮かれない」「勝って兜の緒を締める」姿勢が重要ということになります。

■3. 商船三井の株式投資のリスク

短期間で大きなリターンを上げられる株式は、それ自体が「ハイリスク」な証明でもあります。

なお、投資の世界でリスクとは「不確実さ」を意味するもので、短期間で株価が大きく動くということは、それだけ株価の予想が立てづらく不確実であるということです。

とりわけ、商船三井の属する海運セクターは、世界各国の資源需要の変動の影響を大きく受けることから相対的にハイリスクな業種とされています。

需要の変動が大きいことから運賃相場の上げ下げも激しく、またタンカーを製造するリードタイムが長いことから、市場における需要と供給のミスマッチが起こりやすいということも、リスクを高めています。

株価の調子の良し悪しにかかわらず、自分の持つ株式のリスク度合いは常に念頭に置いておくことが重要でしょう。

■4. 商船三井の業績

そんなハイリスクな海運セクター、商船三井ですが、業績を見ればよりリスクを実感できるのではないでしょうか。

出所:株式会社商船三井 決算情報・財務データ

出所:株式会社商船三井 決算情報・財務データ

商船三井の売上は2014年度以降、減少傾向にあり、営業損益については黒字・赤字を行き来するような状況が続いています。

業績と株価の推移の整合性が薄い場合は、株式を買うか否か、買った場合いつ売るかということについて、より注意した方がいいかもしれません。

■5. まとめにかえて

いかがだったでしょうか。

商船三井の株価は、今も堅調なチャートを維持しています。

しかし、この後どう推移すると予想するかは、各投資家によってそれぞれでしょう。

今回ご紹介した点を参考に、考えてもらえたら幸いです。

■参考資料

  • 株式会社商船三井 IR情報( https://www.mol.co.jp/ir/ )
  • 株式会社商船三井 決算情報・財務データ( https://www.mol.co.jp/ir/accounts/index.html )

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