70代「貯蓄2000万円」が約30%というインパクト。年金はいくら貰っているのか

− 厳しい老後格差を乗り切る方法とは −


「定年後はのんびり趣味を楽しみたい」と思う方も多いでしょう。

以前は60歳で定年退職を迎え、第二の人生を謳歌するシニアが多かったものです。しかし近年、働くシニアは増える一方です。

「生きがいのため」「健康のため」働く方がいる一方、「収入のため」に働き続ける方もいます。

では70代以上のお財布事情はどのようになっているのでしょうか。実は2000万円以上の貯蓄を保有する70代は全体の約30%もいます。

一方で、70代以上で貯蓄を食いつぶしてしまったという方も。

今回はそんな70代の貯蓄事情を確認するとともに、受給している年金額もご紹介します。

■70代以上「貯蓄2000万円以上」は約30%

まずは70代以上・二人以上世帯の貯蓄額事情を見ていきましょう。

金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、70歳以上・二人以上の貯蓄平均額は1786万円です。

平均だけをみると、「2000万円まであと一歩」という印象ですね。ただし平均だけではその実情がわかりません。

中央値や保有額ごとの人数も確認してみましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果

■?

■70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均:1786万円
  • 中央値:1000万円

中央値とは数字を一つずつ順番に並べていき、真ん中にくる数字を言います。中央値は実態を表しやすいと言われるため、70代の貯蓄額では中央値である1000万円が参考になりそうです。

金額ごとの割合を確認すると、2000万円〜3000万円未満が10.4%、3000万円以上が19.0%です。

つまり2000万円以上を保有する世帯は全体の29.4%ということになりますね。老後2000万円問題なども記憶に新しいですが、70歳以上世帯で老後資金を確保できている世帯は約30%いることがわかります。

一方で、貯蓄がない世帯が18.6%いることにも注目しましょう。このような二極化の様子から、厳しい老後格差も見て取れます。

■70代以上の人はいくら年金を貰っているのか

「老後2000万円問題」とは、年金収入だけでは不足する金額のシミュレーション結果です。

しかし収入と支出は世帯によって大きく異なることから、誰にでもあてはまる数字ではありません。

そこで参考までに、70代以上が受給している年金額も確認しましょう。

厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」から、70代が受給する年金の平均額を1歳刻みでご紹介します。

■国民年金の平均年金月額

  • 70歳:5万7234円
  • 71歳:5万7153円
  • 72歳:5万7066円
  • 73歳:5万6874円
  • 74歳:5万6675円
  • 75歳:5万6235円
  • 76歳:5万6204円
  • 77歳:5万5881円
  • 78歳:5万5651円
  • 79歳:5万5525円
  • 80歳:5万7241円
  • 81歳:5万7024円
  • 82歳:5万6866円
  • 83歳:5万6876円
  • 84歳:5万6464円
  • 85歳:5万6321円
  • 86歳:5万6067円
  • 87歳:5万5643円
  • 88歳:5万5132円
  • 89歳:5万4498円
  • 90歳以上:5万554円

■厚生年金(第1号)の平均年金月額

  • 70歳:14万3775円
  • 71歳:14万7105円
  • 72歳:14万6331円
  • 73歳:14万5724円
  • 74歳:14万5467円
  • 75歳:14万7519円
  • 76歳:14万8172円
  • 77歳:14万9924円
  • 78歳:15万2159円
  • 79歳:15万4467円
  • 80歳:15万7097円
  • 81歳:15万8604円
  • 82歳:16万356円
  • 83歳:16万851円
  • 84歳:16万1719円
  • 85歳:16万2711円
  • 86歳:16万2887円
  • 87歳:16万1929円
  • 88歳:16万2660円
  • 89歳:16万3514円
  • 90歳以上:16万1506円

※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。

年齢が高いほど金額は高い傾向にあります。年金は世代間扶養(現役世代がその時代のシニアを支える構造)のため、少子高齢化が進めばますます年金額は下がる可能性が高いです。

若い方ほど、自分で老後資金を貯めることが求められるでしょう。

■働き世代が考える「将来資金」

70代以上の貯蓄額、年金受給額を見ていきました。

2000万円以上を保有する世帯は全体の約30%でしたが、一方で全く貯蓄がない世帯も約20%います。

厳しい老後格差は今後も続いていくかもしれません。

70代以上の老後格差は、シニアになってから急に生まれるものではありません。退職金や相続資産も影響しますが、それまでに資産を作れた人と作れなかった人との差も大きいでしょう。

働き世代の方は、今後の貯蓄状況が将来にダイレクトに響くということです。

定年退職が目の前であれば、できることは限られます。しかし10年単位の長いスパンが残されているのであれば、資産運用なども選択肢となります。

目の前の生活や数年先の貯蓄も大切ですが、ぜひ一度「将来資金」についてもじっくり考えてみましょう。

老後格差を避けるためには、今から始める貯蓄が重要になります。お金を守りつつしっかりと育てていきたいですね。

■参考資料

  • 金融広報中央委員会家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和2年)( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari/2020/pdf/yoronf20.pdf )
  • 厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )

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