つみたてNISA「おすすめしない」インデックス投資信託3選!元金融機関社員が語る
2022年06月22日 06時15分LIMO
- 投資信託の仕組みやつみたてNISAの特徴 -

食料品だけでなく電気代やガス代の値上げも相次いでおり、預貯金だけでは漠然とした不安を感じ、投資を検討しているという方も増えてきているかもしれませんね。
数ある投資方法の中でも、「つみたてNISA」が気になっているという方は多いのではないでしょうか。
まずここでお伝えしたいことは、「つみたてNISA」は制度の名前であるということです。具体的に投資をする金融商品は「投資信託」です。
「つみたてNISA」という制度を活用して「投資信託」をすれば、本来であれば運用益にかかる20.315%が年間40万円の投資まで、最長20年間かからない(非課税になる)というものです。
となると、どんな投資信託を選んだらよいのでしょうか。このタイミングで路頭に迷ってしまっている方が多いかもしれませんね。
今回は、これからつみたてNISAを始める人に向けて、「おすすめしない」インデックス投資信託をご紹介していきます。
■つみたてNISAの対象商品は213本!
2022年4月26日時点で、金融庁が厳選したつみたてNISAの対象商品は213本。この中から、自分で投資信託を選び、毎月一定額を買い付けていくことになります。
ちなみに対象商品は以下のように分類されています。
- 指定インデックス投資信託:183本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):23本
- 上場株式投資信託(ETF):7本
出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年4月26日時点)
最も多い「インデックス投資信託」とは、日本株式ならTOPIXや日経平均、米国株式ならNYダウ、世界株式ならMSCI指数といった株価指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指す投資信託です。
アクティブ運用投信はベンチマークを上回る運用成績を目指すもので、手数料も高めのため、自分で始めようと考えている方におすすめなのはインデックス投信です。
ただ、次にご紹介するようなインデックス投信の購入はおすすめしません。
■おすすめしないインデックス投資信託1. 勧められただけで内容がよくわからないもの
今はSNSやYouTubeなどを見ればつみたてNISAに関する情報が数多く載っており、具体的にどのインデックス投信がおすすめかも紹介されています。
しかし「このサイトやこの人が勧めているから多分大丈夫」と鵜呑みにして、調べもせずに始めることはおすすめしません。
金融商品の数が多いので、参考にするのはよいでしょう。ただ実際にどのような先に投資しているのか、信託報酬はいくらかなど、内容については自身で必ず確認するようにしましょう。
投資は自己責任です。利益を得るのも、損をするのも責任はすべて自分にあります。だからこそ「おすすめだから」という受け身の姿勢ではなく、自分で調べて自分の頭で考えることをおすすめします。
■おすすめしないインデックス投資信託2. 信託報酬が高いもの
投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。
金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は以下のように定められています。

金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」
国内資産を対象としたインデックス投信の信託報酬は0.5%以下(税抜)、海外資産が0.75%(税抜)。
「1%以下の手数料ならそこまで大差ないのでは」と思いがちですが、信託報酬は保有している間ずっとかかるものです。リターンにも影響するため、できるだけコストが低い商品に投資をするのは基本です。
インデックス投信を選ぶ際には、信託報酬についても確認しましょう。ほとんど同じ投資対象で運用している場合は、信託報酬が低い方を選ぶといいでしょう。
■おすすめしないインデックス投資信託3. 保守的過ぎるもの
つみたてNISAは通常20.315%運用益にかかる税金が非課税になる制度です。利益に対して約2割が課税されるわけですから、税金がかからないのは大きいですよね。
リスクに対する許容度は個人差があるので、自分がとれる範囲のリスクをとることが重要です。ただはじめて投資をする場合、リスクが怖くて必要以上に保守的になってしまう方もいるでしょう。
ポイントは、つみたてNISAは利益が出やすい商品を選ぶことで、非課税の恩恵をより受けられるということ。
たとえば「つみたてNISAはリスク・リターンともに高めの株式100%の投信を買い、他の特定口座でリスクを抑えたバランスファンドなどを買う」といった運用もできるでしょう。
家計全体から見ると、思っていたよりもリスクを取っていないケースもあります。運用を考える際は、家計全体を見てマネープランを立てることをおすすめします。
■つみたてNISAをする前に!まずは投資の目的を考える
ここまで、つみたてNISAのおすすめしないインデックス投資信託についてお話をしてきました。
物価上昇や円安など、漠然と将来に不安を感じている方が多いかもしれません。ですが、投資を始める際に最も重要なことは、目的を明確にすることです。
その目的によっては、そもそもつみたてNISAが最適とは言えないこともあるかもしれません。
つみたてNISAは金融機関によって、取り扱いの投資信託の商品数が異なります。とりあえず…と始めてしまう前に、まずはじっくり調べてみることをおすすめします。
■参考資料
- 金融庁 つみたてNISA( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html )
- 金融庁 つみたてNISAの対象商品( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html )
- 金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/12.pdf )
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