日本の「年代別の平均貯蓄額」をデータで解説。日本人の貯蓄は何歳まで「マイナス」なのか
2022年06月22日 20時50分LIMO

日経平均株価が崩れる中、資産運用の成果にもやもやしている人も少なくないのではないでしょうか。
かといって、お金の話は人になかなか相談しづらいと感じる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、日本人の平均貯蓄額を年代別にご紹介し、みんなの貯蓄事情をひも解いていきます。
■1. 日本人の世帯収入の年代別平均値
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)」から、収入や貯蓄の実態を解説します。
まず、同調査より、2人以上世帯の平均収入をチェックしていきましょう。
- 平均:633万円
- 20代:594万円
- 30代:661万円
- 40代:761万円
- 50代:874万円
- 60代:609万円
- 70代以上:426万円
20代~50代にかけては、年齢とともに世帯収入も増えています。
一方、60代からは収入が大きく減少しています。
定年退職で収入がなくなったり、再雇用制度などで給与が下がったりする方がいるのでしょう。
それでは、世代別の貯蓄額・負債額を見ていきましょう。
■2. 貯蓄額と負債額の年代別平均値
以下、年代別の貯蓄額の平均です。
■2.1 世帯主の年齢別・平均貯蓄額

出所:金融広報中央委員会家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和3年)
- 平均:1,880万円
- 20代:414万円
- 30代:774万円
- 40代:1,134万円
- 50代:1,846万円
- 60代:2,537万円
- 70代以上:2,318万円
貯蓄額は年代を経るにつれて、大きく増えています。
40代からは貯蓄が1000万円の大台に乗っています。
若いころからコツコツ貯蓄を進めてきた成果が表れている人も多いでしょう。
さらに50代になると貯蓄は増え、定年を迎える人も多い60代は2000万円を超えています。
70代の貯蓄額も2000万を超えており、まとまった老後資金が準備できていることがわかります。
一方、お金事情をみるとき、貯蓄とともに負債もしっかり把握しておく必要があります。
同調査より、負債額もチェックしていきましょう。
■2.2 世帯主の年齢別・平均負債額
- 平均:567万円(513万円)
- 20代:802万円(750万円)
- 30代:1,452万円(1,374万円)
- 40代:1,172万円(1,080万円)
- 50代:692万円(618万円)
- 60代:214万円(172万円)
- 70代以上:86万円(62万円)
※カッコ内は住宅・土地のための負債
30代と40代の負債額が1000万円超となり、際立って大きくなっています。
負債額のほとんどが住宅・土地のための負債、住宅ローンとなっています。
一方、年齢が上がるにつれ負債額、すなわち住宅ローンが減っています。
30代で住宅ローンを組んだのち、地道に返済をしている世帯が多いのでしょう。
■3. 純貯蓄額(貯蓄-負債)の平均値
それでは、貯蓄から負債額を引いた「純貯蓄額」も見ていきましょう。
- 平均:1,313万円
- 20代:-388万円
- 30代:-678万円
- 40代:-38万円
- 50代:1,154万円
- 60代:2,323万円
- 70代以上:2,232万円
純貯蓄額は20代~40代ではマイナスになっている一方、50代で一気に黒字に転じ、1000万円を超えました。
結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントが起きる時期である30代は負債が最も大きくなっています。
しかしその後は徐々に純貯蓄は増えていく傾向が読み取れます。
■4. 投資・資産運用
「貯蓄は老後を迎えてから取り組めばいいや」と先延ばしにしていると、収入面の変化や臨時の出費、さらには健康状態の変化などにより、思うように貯蓄できない可能性もあります。
金銭的な不安を抱えたまま老後を迎えることになりかねません。
そのため、今あるお金、今後もらうお金について、工夫をこらすことが重要となってきます。
老後に向けて大きな資産をつくる際の3つのポイントをお伝えします。
■4.1 「世界株式」に目を向ける
まず、大きな資産を作っていく際には、成長する資産に着目することが大切です。
経済成長が見込める先に投資している金融商品(=成長資産)を選びましょう。
その好例である、世界株式のような「伸びしろがある」資産で、仮に年率6%で運用ができた場合、12年間で資産は倍に増えます。
今後も成長することが見込める世界経済に、長期的な視点に目を向けていかれるとよいでしょう。
■4.2 「長期積立」でコツコツ運用を
次に大切にしたいのが、「長期・積立・分散」のキーワード。
金融商品は日々値動きがありますので、一括で大きな金額を買うと、値下がりした場合に大きく損が出る可能性もあります。
一方、定期的に積立投資を行う場合は「価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く」買い付けます。
買いつけのタイミングを分散させることで、購入単価が平均化(ならされること)に繋がり、値動きの影響を受けにくくなるのです。
リスクを抑えながら、運用益の安定を目指していけると理想的ですね。
■4.3 「投資と保障のバランス」を意識する
最後に、積立投資を長期戦で進める場合、定期収入があることが前提となるでしょう。
積立に回す資金が枯渇した場合、資産運用そのものの継続が難しくなる可能性も。
ケガや病気、自然災害といった不可抗力は、いつ私たちの暮らしを襲うか分かりません。
収入激減や病気などのリスクに備え、最低限の保障を、保険商品で備えておければ理想的です。
■5. まとめにかえて
いかがだったでしょうか。
お金について、「今を見つつも将来を見る」という姿勢が重要ではないでしょうか。
ご参考ください。
■参考資料
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上世帯)第8-5表」( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html )
- 金融広報中央委員会家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和2年)( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari/2020/20bunruif001.html )
記事にコメントを書いてみませんか?