【日経平均株価】プロのチャート分析。急速な利上げ観測後退で底堅い展開へ


■日経平均は自律反発の動きで2万6500円台へ

2022年6月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比320円72銭高の2万6491円97銭でした。

前日の米株式市場で主要株価指数が上昇したことを受け、東京市場でも買いが優勢となりました。週間でも520円あまり上げました。前週は大きく下げましたが、そこから自律反発のような動きとなりました。

東証プライムの売買代金は概算で2兆9584億円と3兆円に迫りました。

今週の動きはどうなるでしょうか。24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比823ドル32セント高の3万1500ドル68セントで終えています。

前日までに約2300ドル下落していたこともあって、買い戻しによる自律反発となりました。

ミシガン大学が24日午前に発表した6月の消費者態度指数(確報値)は50.0と統計開始以来で最低でした。

消費者の期待インフレ率も低下したことから利上げ加速への警戒感が後退し、株が買われました。

ただし、米金融引き締め懸念がなくなったわけではありません。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、米下院で議会証言に臨みました。

ここでは、利上げが景気後退の可能性があるとしても、インフレ抑制を最優先する方針を示しました。

今後も金融引き締めが加速されることがあり得ます。

26日からドイツで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれています。

ロシアのウクライナ侵攻に伴う物価上昇への対処なども議論される予定です。

インフレ抑制を目的とした金融引き締めなどについて、どのような議論が行われるのか注目されるところです。

円相場は先週、1ドル=136円台半ばまで下がりました。24年ぶりの安値圏です。

その後は134円台前半まで円が買い戻される動きとなっています。円安トレンド一服といったところですが、自動車、機械などの輸出銘柄は円相場に振られることも多いため、注意が必要です。

■日経平均株価、5日移動平均線が下支えとなり底堅さを見せる

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週は窓をあけて大きく下落しました。先週はこの窓を埋めることができるかどうかがポイントでした。

週初20日は窓をあけて上昇して寄り付いたものの、ザラ場では大きく下落しました。ただし、引けにかけては値を戻し、下ヒゲの長いローソク足となりました。

翌日以降の反発が期待されるところでしたが、実際に窓をあけて上昇して寄り付くと5日移動平均線を回復。

その後は一進一退がありながらも、5日線に下値をサポートされ、週末には長い陽線となりました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。

チャートの形は悪くありません。20日の下落では直近の安値である5月12日の安値(2万5688円)を割り込んだことから警戒されるところでしたが、引けにかけては買い戻され、終値ベースでも5月12日の価格を上回りました。5

月16日~17日にあけた窓も埋めきっています。

今週さらに一段上の窓埋めと、心理的節目となる2万7000円の回復ができるかどうかがポイントになります。

この付近には、75日線、25日線があり、これらを超えることができれば、200日線のある2万8000円あたりまで視界が広がってきます。

逆にここから調整があり、直近の押し安値である5月12日の安値を再度割るようであれば、警戒が必要です。

その後さらに3月9日の安値(2万4681円)を割ると、昨年3月中旬以来の長期的な上昇トレンドにも影響が出ます。

ただし、このあたりまでは売買が積みあがっていることから、調整があるとしても、もみ合う動きになるでしょう。

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