つみたてNISA「実は買わない方がいい」インデックス投資信託の特徴4選


円安傾向が続き、最近はペットボトル飲料などの生活用品まで値上がりすることになりました。

スーパーなどによく買い物へ行く方の中には、日に日に値上がりしていることを実感している方も多いのではないでしょうか。

物価の値上げが続くと、預貯金だけでなく、運用を考える方もいるのではないでしょうか。ネットなどで調べると、「初心者におすすめ!」とあるのがつみたてNISA。

たしかに、つみたてNISA制度を利用すれば、通常は運用益に20.315%かかる税金が年40万円まで、最長20年間非課税になります。

ただし、運用には必ずリスクがありますし、金融商品によってパフォーマンスも異なります。そして、つみたてNISAはあくまで投資信託等を活用した制度ですので元本保証はありません。

また、つみたてNISAはほとんどがインデックス投信を購入することになります。

今回はこれからつみたてNISAをはじめる人に向けて、買ってはいけないインデックス投信をご紹介します。

■つみたてNISAの商品は全部で213本の中から選ぶ

つみたてNISAでは金融庁が厳選した金融商品の中から自分で選び、毎月一定額を買い付けていきます。

金融庁によると、つみたてNISAの商品は213本あり、以下のように種類が分かれています。

  • 指定インデックス投資信託:183本
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):23本
  • 上場株式投資信託(ETF):7本

出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年4月26日時点)

最も多いのは「インデックス投資信託」で、日本株式ならTOPIXや日経平均、米国株式ならNYダウ、世界株式ならMSCI指数といった株価指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指す投資信託です。

アクティブ運用投信はベンチマークを上回る運用成績を目指すもので、手数料も高めのために設定されます、そのため、初心者の方におすすめなのはインデックス投信です。

ただし、インデックス投信ならどれでもOKというわけではありません。次にご紹介する4点のようなインデックス投信は、本当は買わない方がいいでしょう。

■つみたてNISAをはじめるならNG1. 信託報酬が高いファンド

投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。

金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は以下のように定められています。

出典:金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」

インデックス投信は、ベンチマークが同じ商品であれば、パフォーマンスはほとんど同じです。

差が出るのは「信託報酬などのコスト差」です。

「1%以下の手数料ならそこまで大差ないのでは」と思いがちですが、信託報酬は保有している間ずっとかかるものです。

リターンにも影響するため、できるだけコストが低い商品に投資をするのは基本です。

インデックス投信を選ぶ際には、信託報酬についても確認しましょう。ほとんど同じ投資対象で運用している場合は、信託報酬が低い方を選ぶといいでしょう。

■つみたてNISAをはじめるならNG2. 勧められただけで内容がよくわからないファンド

今はネットやSNSを見ればつみたてNISAに関する情報が数多く載っており、具体的にどのインデックス投信がおすすめかも紹介されています。

金融商品の数が多いので、参考にするのは構いません。

しかし「このサイトやこの人が勧めているから多分大丈夫」と鵜呑みにして、ろくに調べもせず始めるのはやめましょう。

実際にどのような先に投資しているのか、信託報酬はいくらかなど、内容については自身で必ず確認しましょう。

つみたてNISAは長期間運用することで、利息に利息がつく複利の効果を期待するものです。

出典:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

お金が必要になれば売却して引き出すことはできますが、基本的には10年以上運用を続ける方が多いでしょう。

つまり、長期間運用し続けても自分で大丈夫だと思えるものを選ぶ必要がありますね。投資は自己責任なので、利益を得るのも、損をするのも責任はすべて自分にあります。

ネットやSNSの記事を書いている人も当然責任は取ってくれません。だからこそ「おすすめだから」という受け身の姿勢ではなく、自分で調べて自分の頭で考えてください。

■つみたてNISAをはじめるならNG3. 保守的過ぎるファンド

つみたてNISAは通常20.315%運用益にかかる税金が非課税になる制度です。つまり、利益が出ていなければメリットを享受できません。

リスク許容度は個人差があるので、自分がとれる範囲のリスクをとることが重要です。

ただはじめて投資をする場合、リスクが怖くて必要以上に保守的になってしまう方もいるでしょう。これから資産を増やしたいと考えるあなたが、成長しない資産に投資をしていたら矛盾してしまいますよね。

そもそも投資信託は中身で分散投資が出来ています。

また、つみたてNISAで毎月積立投資をすると、購入するタイミングの分散ができます。

これから資産を増やしていきたい方は、成長する資産に投資信託で購入しタイミングを分散することを心がけましょう。

■つみたてNISAをはじめるならNG4. 運用成果の良くないアクティブファンド

つみたてNISAの中には、一部アクティブファンドを選べる金融機関もあります。

アクティブファンドの中には優れているものもありますが、全部がいいものだとは限りません。

運用成果がそこまで良くないアクティブファンドもあるのです。

保守的すぎるファンド同様にこうしたアクティブファンドも利益を増やせない可能性があります。

そのため、アクティブファンドを選ぶ際もご自身でしっかりと調べてから購入するのが良いでしょう。

■大切な資産だからこそ自分で考えよう

将来のためにお金を増やしたいと思って「つみたてNISA」を始める方も多いでしょう。大切な資産だからこそ、今回ご紹介してきた視点を持ちながら、ご自身で主体的に調べて選んでいくとよいでしょう。

なお、金融機関によって取り扱っているつみたてNISAの商品が異なるので、事前に確認することをおすすめします。

ご自身では判断できないという方は、信頼できるアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

■参考資料

  • 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/assets/pdf/tsumitate_guidebook.pdf )
  • 金融庁「つみたてNISAの対象商品」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html )
  • 日本証券業協会「信託報酬」( https://www.jsda.or.jp/jikan/word/072.html )
  • 金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/12.pdf )

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