60代で貯蓄が「老後2000万円」以上の割合を円グラフでみる!厚生年金と国民年金の平均受給額も


世界経済を揺るがした新型コロナウイルスの感染拡大により、消費が冷え込み早2年。

内閣府の調査する「家計可処分所得・家計貯蓄率四半期別速報」によると、日本の貯蓄率は2020年3月〜2021年4月の期間で13.1%となっています。

これは前年と比べ+10%以上も上昇しているだけでなく、1994年度の12.1%を超える過去最高水準に達しています。

とはいえ貯蓄が増えているのは高所得世帯にかたより、低所得世帯では支援策の現金給付が生活を支えているという面も。

本稿では、シニアライフの命運をわける「60代のお金事情」について考えてみましょう。

■1. 「貯蓄ゼロで老後をむかえる60代」は何割いるか

はじめに金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、60歳代の貯蓄額にフォーカスしていきましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成

令和2年度の調査では、貯蓄ゼロ世帯を含む60歳代の金融資産保有額は「平均2427万円」のようです。

たいして「中央値は810万円」となっており、一部の富裕層が平均値を引き上げていることが考えられます。

そこで、金融資産の保有額ごとに区切った人数と割合にも視線をうつしてみましょう。

■1.1 保有額ごとの人数割合

  • 金融資産非保有:19.0%
  • 100万円未満:6.4%
  • 100〜200万円未満:4.8%
  • 200〜300万円未満:3.4%
  • 300〜400万円未満:3.3%
  • 400〜500万円未満:2.6%
  • 500〜700万円未満:5.9%
  • 700〜1000万円未満:5.3%
  • 1000〜1500万円未満:8.4%
  • 1500〜2000万円未満:6.0%
  • 2000〜3000万円未満:9.6%
  • 3000万円以上:22.8%
  • 無回答:2.6%

この結果では、貯蓄3000万円以上の貯蓄をもつ世帯(22.8%)の割合がトップとなりました。

2000〜3000万円未満(9.6%)をあわせて、約3割程度の世帯しか老後2000万円問題に対応できない可能性があります。

一方で金融資産非保有「貯蓄ゼロ」も2割程度になっています。

老後格差が浮き彫りになっているといえるでしょう。

■2. 厚生年金と国民年金の平均受給額

つづいて、老後の定期収入の柱となる年金事情に着目していきます。

2021年12月に公表された厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」から、60代の平均的な年金受給額を調べていきましょう。

■2.1 60歳〜64歳の平均年金月額

  • 国民年金:平均4万2306円
  • 厚生年金:平均7万5922円(国民年金部分をふくむ)

■2.2 65歳〜70歳の平均年金月額

  • 国民年金:平均5万7010円
  • 厚生年金:平均14万3069円(国民年金部分をふくむ)

現在の公的年金の受給開始は原則65歳からとなっており、60〜64歳の間は特別支給の年金や繰り上げ受給者を対象とする影響で年金月額が少なくなっています。

65歳以前に年金をもらいたい場合は繰り上げ受給を選択することもできますが「繰り上げた月数×0.4%(昭和37年4月2日以降生まれの場合)の減額」となります。

あくまでシミュレーションですが、仮に65歳からの厚生年金受給額を月額14万円とした場合、60歳から繰り上げ受給すると生涯にわたって月額10万6400円まで減額されますから、安易な判断は禁物です。

■3. 老後の貯金、最低でいくらあればいい?

先述した65歳以降の年金の平均受給額からも「年金だけでは生活できない」ことが読み取れます。

とくに、国民年金の場合は満額受給できても約6.5万の受給月額です。
持ち家の方でも、固定資産税・食費・光熱費など最低限の生活をするだけで赤字になることが想定されます。

厚生年金の場合は平均月額が約14万円と少し状況は良いですが、社会保険料などを差し引いた手取り10万円そこそこの生活では相当切り詰めた生活になるでしょう。

そうなると命運をわけるのは貯蓄額になってきます。老後が30年あるとして1000万円の貯蓄があれば年間33.3万円(月2.77万円)ずつ取り崩すことができます。

2000万円の貯蓄があると月5.54万円の取り崩しが可能となり、厚生年金の平均14万と合わせた場合で月20万弱の生活水準になるイメージです。

節約をしてカツカツの生活はできそうですが、介護費用が発生すると貯蓄の取り崩しペースがあがりまだ寿命があるうちに貯金が底をつく可能性が高い水準ともいえます。

理想をいえば、「(月の生活費―公的年金の受給月額)×12ヶ月×30年」したものに、「介護費用として+1000〜2000万円程度」の貯蓄を確保しておきたいところです。

■4. まとめにかえて

これからの時代を生き抜くには超低金利の銀行預金に「貯金=お金を置いているだけ」から脱却して、「お金に働いてもらう=資産運用」を取り入れる必要があります。

1000万を貯めるだけでも大変なのに2000万円も3000万円も貯めれるわけがない。と途方にくれる方も「金利×時間のパワー」を味方につければ老後貧乏になる未来を回避できる可能性が大幅にアップします。

一度、理想の老後について自分自身と向き合ってみてもいいかもしれません。

■参考資料

  • 内閣府「家計可処分所得・家計貯蓄率四半期別速報」( https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/kakei/kakei_top.html )
  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/21bunruif001.html )
  • 厚生労働省「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )
  • 日本年金機構「年金の繰り上げ受給」( https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-01.html#cms01 )

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