つみたてNISAのインデックス投資信託選び「実は買わない方がいいもの」4選


続く円安に不安になる方も多いのではないでしょうか。一方で、米ドルや豪ドルなどの外国の資産を既に保有している方にとっては、プラスの面もあるでしょう。

最近話題のつみたてNISAも、日本にいながら手軽に外国への資産に投資できますね。それでも投資信託の本数が多いため、「どれを買って良いのか」「買わない方が良いだろうか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は「実は買わない方がいいもの」となる投資信託4選をご紹介したいと思います。

■選びきれないほど多い「つみたてNISA」の商品

つみたてNISAは金融庁が厳選した213本もの商品の中から自分で選んで運用を行います。商品の内訳は以下の通り。

  • 指定インデックス投資信託:183本
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):23本
  • 上場株式投資信託(ETF):7本

出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年4月26日時点)

最も多いのがインデックス投資信託ですね。

インデックスは指標のことで、インデックス投資信託とは株価指数などの指標に連動した運用を目指す投資信託を指します。

一般的にはファンドの運用対象は目標となる株価指数に採用されているものとほぼ同じ銘柄群で構成されます。そのため、組み入れ比率も指数への影響度に応じた割合となります。

ベンチマーク(目安)となる主なインデックスは以下の通り。

  • 日本株式:TOPIXや日経平均
  • 米国株式:NYダウやS&P500指数
  • 世界株式:MSCI指数

インデックスファンドのメリットは、対象の指数とほぼ同様の値動きをするため、価格の変動が分かりやすい点でしょう。

たとえば日経平均やNYダウといった有名な指数なら、ニュースで耳にすることが多いので初心者向けとも言われています。

一方、アクティブ運用投資信託とはベンチマークを上回る運用を目指します。

それぞれ運用方針や運用体制が異なり、個々の運用会社がインデックスファンドを凌駕するパフォーマンスを実現しようとします。

とはいえ、手数料についてはインデックスと比べて高く設定されることが多い点も考えておきたいところでしょう。

今回は初心者の方が選びやすいインデックス投資信託について、「実は買わない方がいいもの」の4つのポイントをお伝えします。

■実は買わない方がいいインデックス投資信託1. 信託報酬が高い

投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。

一般的に年率何%と表示されますが、投資信託の毎日の価格から日々間接的に差し引かれていることを覚えておきましょう。

金融庁によれば、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は以下のように定められています。

出典:金融庁「つみたてNISAについて」(平成29年7月)

■つみたてNISAの信託報酬

  • 国内資産:0.5%以下(税抜き)
  • 海外資産:0.75%(税抜き)

※ファンド・オブ・ファンズにおける投資対象ファンドの信託報酬を含む

信託報酬をみると1%もかかりません。「0.5%以下の手数料ならそこまで変わらない」と思いがちですが、先ほど確認した通り保有している間ずっとかかります。

投資対象が同じインデックス投資信託なら、パフォーマンスはほとんどおなじになるでしょう。運用成績の差に影響を与えるのは、結局「信託報酬が高いか安いかだけ」というケースが多くなります。

■実は買わない方がいいインデックス投資信託2. 保守的過ぎるファンド

リスクは怖いと考える方は多いですが、一方で考えておきたいのは「つみたてNISAのメリットは通常20.315%運用益にかかる税金が非課税になる」という点です。

このメリットを最大限活かすには、利益を出さなければ意味はありません。ご自身が運用する中でも、増える期待ができるものに投資をすることを検討しましょう。

特に初心者だと「元本が割れるのは恐いからリスクが低いものを選ぼう」と考える方が多いですが、必ずしもそれが正解とはいえないのです。

リスクは、運用の「振れ幅」に対して使います。つい怖さから悪い意味で想像する方が多いのですが、あわせて「プラスの振れ幅」も考えたいところ。

リスクが小さいということは、プラスの成果が出た場合もその増える幅は小さく、利益も少なくなりますよね。

つみたてNISA制度を運用するならば、適切なリスクを取って運用することを考えましょう。

ただし、実際には個人差があり、年代やとれるリスクによっても異なります。

投資期間が長くとれない場合や、安定資産が少ない場合にはリスクを抑えたファンドを選ぶことが適切となることもあるでしょう。

「自身の今ある資産」「ライフイベントやライフプラン」「これからの収入」を総合的に考えた上で、必要なリスクを見極めることが重要です。

■実は買わない方がいいインデックス投資信託3. 投資対象が一国集中のファンド

投資でリスク抑えるために、最も簡単な方法は「分散」です。

投資対象が「全世界」や「外国株式」といったように、複数の国の銘柄から成り立っているファンドを選ぶとリスクもある程度抑えられるでしょう。

「日本株式」や「米国株式」といった「一国集中」型のファンドは、その国に対してリスクを一任していることになります。

何十年と長期で運用する場合には一国に頼るというより、分散投資をしてリスクを抑えていきましょう。

■実は買わない方がいいインデックス投資信託4. 勧められただけのファンド

ネットやSNSを見れば、つみたてNISAに関する情報が数多く載っています。

参考にするのは構いませんが、「このサイトやこの人が勧めているから」「残高が大きいし人気だから」と鵜呑みにしてすぐにはじめるのはお勧めできません。

つみたてNISAの非課税期間は20年ありますね。

運用をはじめて数年は好調だとしても、20年と考えれば、山(上昇)もあれば谷(下落)もあるでしょう。今回のコロナ禍のように、いつ、何が起こるかはプロでも、誰にもわからないのです。

だからこそ、「下がった時」のことも前もって想定しておきたいところ。

元本割れ期間が数カ月、数年続くと、不安に駆られて我慢できずに売却をしてしまう人も多くいます。

下がった時こそ冷静に、「自分はこの理由があるからこそ、この投資信託を選んだ」と思えることが大切でしょう。

まずは「どういった投資対象なのか、運用方針、増え方、信託報酬」など、一度自身で調べることが基本です。そして将来起こるかもしれない下落局面でも乗り切ることができ、「将来的に成長できる」と思える対象への投資を考えると良いでしょう。

■主体的な姿勢が大切

毎月積み立てていく金額は、ご自身の大切な資産です。だからこそ、主体的に調べて選んでいきましょう。今回ご紹介したポイントも参考にしていただけると幸いです。

投資はあくまでも自己責任となります。投資信託は運用をプロに任せるといっても、利益を得るのも、損をするのも結果はすべて自分に返ってきます。

つみたてNISAは上手く使えば良い制度となります。受け身の姿勢ではなく、自分で調べて納得のいく商品に出会えるように行動してくださいね。

■参考資料

  • 金融庁「つみたてNISA」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html )
  • 金融庁「つみたてNISAの対象商品」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/26.pdf )
  • 日本証券業協会「信託報酬」( https://www.jsda.or.jp/jikan/word/072.html )
  • 金融庁「つみたてNISAについて」(平成29年7月)( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/12.pdf )

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