【介護保険】「要介護認定」を受けるにはどうしたらいい? 申請〜認定の流れを確認

− 更新申請や区分変更申請についても紹介 −


「日常生活に手助けが必要となった」

「現在入院しているが、退院したらヘルパーさんに手伝ってもらいたい」

親や自分がこのような状況となった時、介護保険のサービスが思い浮かぶのではないでしょうか。

介護保険のサービスを利用するには、お住まいの市区町村に申請して、要介護認定を受ける必要があります。

今回は要介護認定の申請〜認定までの流れと手続きをご紹介し、認定結果に不服があった場合や、要介護認定を更新・変更する場合の手続きについて解説していきます。

■「要介護認定」とは

介護保険制度では、申請者が寝たきりや認知症等で要介護(要支援)状態になった場合に、介護の必要度に応じた介護サービスを受けることができます。

この要介護(要支援)状態にあるかどうかの程度判定を行うのが「要介護認定」であり、介護の必要量を全国一律の基準で判定します。

なお、要介護認定は「要支援1〜2」「要介護1〜5」の7段階および「非該当(自立)」に分かれており、この段階によって使えるサービスや支給限度基準額が異なります。

出典:厚生労働省:介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)

「非該当(自立)」と認定された場合は介護保険サービスの利用はできませんが、市区町村によっては地域支援事業のサービスが利用できる場合があります。

■【要介護認定】申請の事前準備

ここでは、要介護認定の申請方法を解説します。なお、要介護認定の申請に費用はかかりません。

■申請場所

申請場所は、お住まいの市区町村の窓口です。

必要な書類等を添えて持参しますが、郵送も可能な場合がありますので、持参できない方は事前に電話などで窓口へ相談するといいでしょう。

■申請できる人

本人が申請しますが、家族や成年後見人、地域包括支援センター等に代行してもらうことも可能です。

■申請に必要なもの

  • 介護被保険者証:65歳以上の人(第1号被保険者)は、65歳到達時に全員に交付されています。
  • 医療保険証:40〜64歳までの人(第2号被保険者)は、医療保険証が必要です。
  • 要介護(要支援)認定申請書:市区町村の窓口やホームページで入手できます。
  • 主治医意見書:すでに持っている人は持参しましょう。持っていない方は、市区町村が主治医に作成を依頼するため、医師名や連絡先などの情報が必要です。主治医がいない場合は市区町村の指定医の診察を受ける必要があります。
  • 印鑑

■【要介護認定】申請後〜認定までの流れ

次に申請後から認定されるまでの流れをみていきましょう。

■認定調査

一般的に申請から10日前後で市区町村などの調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査が行われます。

出典:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」

調査では「身体機能・起居動作」や「生活機能」「認知機能」など、74項目の基本調査や特記事項等の聞き取りや実際の身体の動きを確認します。

調査で反映される期間は調査日より概ね過去1週間の心身の状況と決められています。

たとえば、1ヶ月前に怪我をして歩けなかった人が、調査日には回復して歩いている場合には、現在の状態が調査に反映されます。

また、認知症によるBPSD(暴言・興奮・徘徊等)については、概ね過去1ヶ月以内の状態を反映します。

■審査判定

審査判定は客観的で公平な判定を行う必要があるため、二段階の判定で行われます。

  • 一次判定

調査結果と主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行われます

  • 二次判定

次に、一次判定の結果と主治医意見書に基づき、市区町村が設置する「介護認定審査会」によって要介護度の判定が行われます。

■【要介護認定】認定と不服がある場合の対応とは

認定は保険者である市区町村が介護認定審査会の判定結果を受けて行い、その結果を申請者に通知します。

申請から認定結果の通知は原則30日以内に行われます(認定は申請日にさかのぼって有効)。

■認定結果に不服がある場合

認定の結果について不服がある場合は、都道府県に設けられた介護保険審査会に不服申し立て(審査請求)を行い、認定調査の再調査などを求めることができます。

■更新申請

高齢者の心身の状態は変わっていくため、要介護認定には有効期間が決められています。

その期間は新規認定の方では原則6ヶ月、更新認定の方は原則12ヶ月です。

引き続き介護サービスを利用したい場合には、有効期間が終了する前に更新の申請が必要です。有効期間が過ぎると介護サービスが受けられなくなるため注意しましょう。

なお、有効期間は介護被保険者証に記載されており、有効期間が終了する60日前を目安に市区町村から更新の案内が届きます。

■【要介護認定】新たに判定し直す「区分変更申請」とは

区分変更申請とは認定調査を再度行ない、新たに判定をし直すことです。

たとえば、有効期間の途中に身体機能が悪化した場合や、認知症が急激に進行した場合など心身の状態が悪くなったり、介護の状況が変わったりした時には市区町村窓口で区分変更申請ができます。

注意点として区分変更申請をした結果、要介護度が高くなると利用できる介護サービスの量や種類は増えますが、同時に利用料金の負担が増えることがあります。

なお、更新申請や区分変更申請の手続きは担当ケアマネジャーが代行してくれる場合もありますので相談するといいでしょう。

■まとめにかえて

要介護認定の申請方法とその流れを解説しました。

日常生活で介護が必要となったときに、市区町村の窓口へ申請して要介護認定を受けることが介護保険サービスを利用するための最初の一歩となります。

慌てずスムーズに介護生活を始めるためにも、要介護認定の申請から認定までの一連の流れはしっかりと理解して手続きを進めましょう。

■参考資料

  • 厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」(令和3年5月)( https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf )
  • 厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)」( https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html )
  • 厚生労働省「要介護認定 認定調査員テキスト2009」( https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000077237.pdf )
  • 厚生労働省老人保健課「要介護認定の仕組みと手順」( https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000126240.pdf )

関連記事(外部サイト)