「年収600万円」の割合はどれ程か。目指せる職種や平均貯蓄額をチェック

− 年収600万円の手取りや生活レベルとは −


インフレや円安が着実に進む中、物価上昇により痛い出費を実感する方も増えています。

「日本の家計の値上げ許容度も高まっている」という発言が物議を醸しましたが、言うまでもなくこれらは「賃金が上がってこそ」受け入れられる現象です。今のままで年収が変わらなければ、個人の消費意欲は低下する一方でしょう。

Job総研が741人に実施した『2022年 年収実態調査』によると、年収の平均は609万8000円、中央値は550万円という結果になりました(2022年4月18日公表)。

出所:Job総研「2022年 年収実態調査」

平均年収は約600万円ということですが、この金額を目指せる職種にはどのようなものがあるのでしょうか。

年収600万円の割合や平均貯蓄額についても深掘りしましょう。

■年収600万円の割合とは

Job総研の「2022年 年収実態調査」においては、年収600万円台の割合は10.4%でした。ちなみにこちらの調査対象には、経営者や役員、アルバイト等に加え、フリーランスや自営業等も含まれます。

参考までに「給与所得者」に限定した国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」を見ると、年収600万円台の割合は6.5%となっています。

「年収600万円以上」の割合も確認しましょう。Job総研の調査では16.2%、国税庁の調査では20.1%です。

日本のあらゆる働き方、職種を含めた全体においては、「年収600万円」となると上位層と言えそうです。

■平均年収が600万円を超える職種一覧

では、平均年収で600万円を超える職種にはどのようなものがあるのでしょうか。

転職サービスdodaの「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」から、平均年収600万円を達成している職種を確認します。

■平均年収ランキング【職種別】

  • 1位 投資銀行業務 903万円
  • 2位 運用(ファンドマネジャー/ディーラー)744万円
  • 3位 MR 713万円
  • 4位 リスクコンサルタント 704万円
  • 5位 内部監査 700万円
  • 6位 プロジェクトマネジャー 671万円
  • 7位 業務改革コンサルタント(BPR) 667万円
  • 8位 プロジェクトマネジメント 666万円
  • 9位 戦略/経営コンサルタント 664万円
  • 10位 知的財産/特許 656万円
  • 11位 会計専門職/会計士 635万円
  • 12位 プリセールス 630万円
  • 13位 内部統制 621万円
  • 14位 経営企画/事業企画 618万円
  • 15位 法務 614万円

一般的に専門性が高いとされる職種が並びます。年収600万円というのは、簡単には達成できないレベルと言えます。

■年収600万円の手取りや生活レベルは?

年収600万円あれば、生活は安泰なのでしょうか。まずは手取り金額が気になるところです。国税庁の調査の「第3表 給与階級別の総括表」から、一般的な年収600万円台の詳細を確認しながら、手取りをみていきましょう。

  • 平均年齢:46.6歳
  • 平均勤続年数:17.7年
  • 平均給料・手当:524万円
  • 平均賞与:122万8000円
  • 平均給与(年収):646万8000円

上記によると、年収600万円の人の平均年齢は40代後半で、平均年収は約646万円であることがわかります。

賞与を引いた月の額面給与は約43万6000円です。ここから社会保険料や税金等が控除されるため、個人差はあるものの手取りは33万円ほどだと考えられます。

例えば単身世帯であれば、家賃を支払っても貯蓄しながら生活できるレベルではあります。しかし子持ち世帯となると、ライフイベントの節目には生活が苦しくなる年収とも考えられます。

特に都心となると、家賃で半分が引かれることもあり得るでしょう。年収600万円の全員に「裕福な暮らしが叶う」とは言い切れないことがわかります。

■年収600万円台の勤労世帯はいくら貯蓄がある?

最後に総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)−2021年(令和3年)詳細結果−(二人以上の世帯)」より、年収600〜650万円世帯の勤労世帯の貯蓄・負債額の内訳を確認します。

■年収600万〜650万円世帯のすがた

  • 世帯主の平均年齢 48.4歳
  • 世帯人数の平均 3.24人
  • うち18歳未満の世帯人員 1.00人
  • 世帯主の配偶者のうち女性の有業率 53.7%
  • 持家率 76.9%

世帯主は40代後半で、3人家族。うち1人は18歳未満の子どもがいることがわかります。

■年収600万〜650万円世帯の貯蓄・負債

平均年収:621万円

平均貯蓄額:1119万円

〈貯蓄の内訳〉

  • 通貨性預貯金:421万円
  • 定期性預貯金:299万円
  • 生命保険など:245万円
  • 有価証券:124万円
  • 金融機関外:30万円

平均負債額:840万円(うち「住宅・土地のための負債」:768万円)

純貯蓄:1119万円−840万円=279万円

平均貯蓄額は1137万円ですが、住宅ローンを中心に負債が847万円あるため300万円弱が純粋な貯蓄といえます。

住宅ローンは家という資産が残るため、単純な負債とは言えない側面もあります。しかし今後も返済が続くという性質上、やはり貯蓄額だけで安心することはできないでしょう。

■年収600万円も生活レベルは人それぞれ

平均年収600万円を達成する職種や、一般的な年収600万円世帯の貯蓄・負債、家庭のすがたを確認しました。

貯蓄額は1000万円を超えているものの、18歳未満の子どもがいる世帯が平均的です。そのため、今後教育費の負担が大きくなるでしょう。

純貯蓄が300万円に満たないことを考えると、教育費の先にある「老後資金」も心もとなく感じられます。

現段階で生活が苦しくない世帯であっても、いずれ経済的に苦しくなる局面がくるかもしれません。まずはライフプランをしっかり把握することで、「お金の貯め時・お金がかかる時期」を知っておきましょう。

例えば車を7年ごとに買い替えている家庭では、子どもの入学年度とかぶらないか事前に知ることが重要です。もしかぶるのであれば、車の買い替えを次の車検にずらすなどで、支出時期をコントロールできます。

今回は平均的な家庭の様子をご紹介しましたが、言うまでもなく生活レベルは居住地や家族構成等に左右されます。

「我が家にとって必要なお金」を意識することで、長期的なマネープランを立ててみましょう。

■参考資料

  • Job総研「2022年 年収実態調査」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000013597.html )
  • 転職サービスdoda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」( https://doda.jp/guide/heikin/ )
  • 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf )
  • 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)−2021年(令和3年)詳細結果−(二人以上の世帯)」( https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032190999&result_back=1&tclass4val=0 )

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