つみたてNISAで後悔する前に知りたい「おすすめできないインデックス投資信託」4選

- つみたてNISAの商品本数とは -


2024年から現行の一般NISAが新NISAがとして見直される予定です。

日本証券業協会が公表した「NISA口座開設・利用状況調査結果(2021年12月31日現在)について」によると、つみたてNISAの口座開設数は「画像」のように推移しています。

出典:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2021年12月31日現在)について」

  • 2018年末:53万口座
  • 2019年末:95万口座
  • 2020年末:172万口座
  • 2021年末:339万口座

実に3年間で6.4倍の口座開設数となっています。以上のことからも、つみたてNISAへの関心が年々高まっていることがわかりますね。

運用してから20年間は、運用益に対して通常かかる20.315%の税金が非課税になるといったメリットもあり、興味をもつ方も多いのでしょう。

そうはいっても、これまで投資を経験したことがない人からすると、どういった商品を選べばよいのか非常に悩むのではないかと思います。

最近ではネットやSNSなどで「つみたてNISA」について触れているものも多く、中には「インデックスに投資しておけばリスクも低く、間違いない」と言い切っているものも見受けられます。

はたして本当にそうなのでしょうか。なかにはあまりおすすめできないものがあることも確かでしょう。

そこで今回は、つみたてNISAをこれから始めようと考えている人向けに、「おすすめできない」インデックス投信を4つご紹介します。

■つみたてNISAの数と「インデックス投信」について

つみたてNISAは金融庁が厳選した金融商品の中から自分で選び、毎月一定額を買い付けていくものです。

金融庁によると、つみたてNISAの商品は全部で213本あり、以下のように種類が分かれています。

  • 指定インデックス投資信託:183本
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):23本
  • 上場株式投資信託(ETF):7本

出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年4月26日時点)

最も多い「インデックス投資信託」とは、以下のような株価指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指す投資信託です。

  • 日本株式:TOPIXや日経平均
  • 米国株式:NYダウ
  • 世界株式:MSCI指数

アクティブ運用投信はベンチマークを上回る運用成績を目指すもので、手数料も高めのため、初心者の方におすすめなのはインデックス投信になります。

ただ、次にご紹介する3点のようなインデックス投信の購入はよく考えるべきでしょう。

■おすすめできないインデックス投資信託1. すすめられただけのもの

インターネットやSNSが普及している現代において、つみたてNISAの情報はいとも簡単に手に入ります。

「つみたてNISA おすすめ」と調べたくなる気持ちはよくわかりますし、もちろん調べること自体を否定しているわけではありません。

このご時世、情報収集は非常に重要ですが、それを鵜呑みにしてはいけません。

その記事を書いた筆者が「どういった理由ですすめているのか」「すすめている理由は自分にも当てはまるのか」など、一旦飲み込んだ上で考えてみて下さい。

投資は自己責任です。利益を得るのも、損をするのも責任はすべて自分にあります。

だからこそ「おすすめだから」という受け身の姿勢ではなく、自分で調べて、自分の頭で考えて判断しましょう。

■おすすめできないインデックス投資信託2. 他に比べて信託報酬が高め

投資信託は保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。

金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は「画像」のように定められています。

出典:金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」

国内資産を対象としたインデックス投信の信託報酬は0.5%以下(税抜)、海外資産を対象とする場合は0.75%以下(税抜)となっています。まずはこの基準を知っておきたいですね。

1%以下と聞くと小さい数字のように感じるかもしれませんが、信託報酬は保有している期間中に「毎日」かかるものです。

長く保有すればその分だけ信託報酬も引かれることになるので、1%といっても見逃せません。

ほとんど同じ投資対象で運用している場合は、信託報酬が低い方を選ぶ方が賢明だといえます。

■おすすめできないインデックス投資信託3. 保守的すぎる

投資をするのは初めてといった場合、「怖いからリスクは少なければ少ないほうがいい」とついつい考えてしまいがちですが、必ずしもそれが正解ではありません。

「リスク」というのは、「運用の振れ幅」のこと。

悪いイメージが先行しますが、プラスの振れ幅に対してもリスクという言葉を使います。リスクが小さいということは、プラスが出た場合もその幅が小さいということですね。

つみたてNISAで運用をする場合、先程も触れましたが、出た運用益については通常かかる20.315%の税金は免除されます。つまり、どれだけ増えても非課税になります。

つみたてNISAの大きなメリットであるこの仕組みを最大限に活用するためにも、ご自身の貯蓄の中でもある程度のリスクは許容して運用するといいでしょう。

たとえば銀行預金で安定的な資産形成はできていると考えて、つみたてNISAでの運用には少しリスク性のある商品を取り入れてみるのも良いと思います。

■おすすめできないインデックス投資信託4. 投資対象が一国集中になっている

投資でリスク回避をするための最も簡単な方法は「分散」です。投資対象を分散するのもその一つ。

「日本株式」や「米国株式」といった一国集中型のファンドは、その国に対してリスクを一任していることになります。

たとえば「全世界」や「外国株式」というように、複数の国が組み込まれるファンドを選ぶと分散できるでしょう。その中で、長期間投資しても成長すると思える先を選ぶといいでしょう。

■まとめにかえて

今年の4月から高校の授業でも資産運用が取り扱われています。

今後さらに自分の資産は自分で守るという姿勢が求められるようになるでしょう。

自分の大切な資産だからこそ、ネットの情報だけを鵜呑みにせず、主体的に行動することで、自分にあった金融商品を選ぶようにしたいですね。

■参考資料

  • 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2021年12月31日現在)について」( https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/files/nisajoukyou/nisaall.pdf )
  • 金融庁「つみたてNISA」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html )
  • 金融庁「つみたてNISAの対象商品」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/24.pdf )
  • 金融庁「つみたてNISAについて(平成29年7月)」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/12.pdf )

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?