【日経平均株価】参院選で与党勝利なら買われる展開へ。安倍元首相銃撃の影響は限定的か


■安倍元首相の襲撃を受けて、日経平均株価は軟調

出所:日本経済新聞社 日経平均株価

2022年7月8日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比26円66銭高の2万6517円19銭でした。

7日の米株式市場でダウ工業株30種平均やハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が上昇したことを受けて、東京株式市場も買いが先行し、上げ幅は一時400円に迫りました。

しかし、同日午前、安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃されことが報道されると、その後は上げ幅を縮めました。

今週の動きはどうなるでしょうか。

8日の取引時間終了後に安倍元首相が亡くなったことが伝わりました。

ただし、現職の首相ではないことから、相場への影響は限定的だと考えられます。

8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比46ドル40セント安の3万1338ドル15セントで終えています。

朝方に発表された6月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比37万2000人増と市場予想(25万人増)を上回りました。

最近、難しいのは、指標の結果が市場予想よりもよかった場合、株式が買われる展開もあれば、それにより米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動くと考えられ、売られる展開になる場合もあることです。

実際に同日のダウ平均も、もみ合う場面がありました。

国内では10日に参院選の投開票が行われます。

安倍元首相の死去を受けて、自民党では弔い合戦の様相を呈しており、有権者の支持を集めると考えられます。

与党が大勝する可能性もあります。

その場合、安定政権が続くとの見方から、投資家の買いにつながるでしょう。

逆に、与党が過半数の議席を確保したとしても、野党との差が小さい場合は失望売りになります。

選挙後の政府の政策も注目されるところですが、安倍元首相の死去にともない、日銀による大規模な金融緩和政策が修正されるのではないかという声もあります。

そうなると、株式相場、円相場などにも影響が出ます。

開票の結果やその後の政策の内容などに注意しましょう。

■日経平均株価、いったんは25日線を回復するが再度下落

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週末は大きな陰線で終わっていたことから、先週さらに下落が続くのか、あるいはここから反発するのかが注目されました。

実際には小幅にもみ合いながらも底堅い展開となりました。徐々に下値を切り上げ、8日にはザラ場で一時、25日移動平均線を回復する場面もありました。しかし引けにかけては下落し、長い上ヒゲのローソク足となりました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。

足元では底堅さを感じさせる動きです。

7月1日に大きく下落しましたが、直近の押し安値である6月20日の安値(2万5520円)までは下がりませんでした。

チャートはWボトムのような形になっており、ここからの反発が期待されます。

Wボトムが完成するには、6月28日の高値(2万7062円)を突破する必要があります。
このあたりには、心理的節目となる2万7000円、25日線、75日線も集まっています。

そのため、抜けるのにややパワーがかかるかもしれませんが、抜けてしまえば強い下値サポートになります。

今週まずはこのあたりを奪回できるかどうかに注目したいところです。

このあたりを抜けてくると、その先は6月9日の高値(2万8389円)まで目立った節はなく、視界が広がります。

逆に、上値が重く、もみ合うようであれば注意が必要です。

2万6000円割れ、さらに6月20日の安値まで割り込むようであれば短期的に下降トレンドが形成されてしまいます。

ただし、若干の調整は押し目買いの好機と考えていいでしょう。

■参考資料

  • 日本経済新聞社 日経平均株価( https://www.nikkei.com/markets/worldidx/chart/nk225/ )

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?