70歳代以上の貯蓄「残酷な格差」を円グラフで見る!資産を増やす3つのポイント

70歳代以上の貯蓄「残酷な格差」を円グラフで見る!資産を増やす3つのポイント

70歳代の貯蓄額に大きな格差

− 70代以上の貯蓄の実態を探る −


ソニー生命が2022年7月26日に公表した調査結果によると、最近の値上げラッシュで資産形成の必要性を感じた人は、回答者全体の約7割となりました。

人生100年時代、老後に向けて資産形成をしている人もいることでしょう。

一昔前までは、「老後」といえば、多くの人が定年を迎える60歳以上の人を指すのが普通でした。

しかし、今日では定年後の再雇用制度などが普及し、60歳代でも「まだまだ現役」、70歳代以降で老後と捉えている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、70歳代の貯蓄について、世帯別に見ていきましょう。

■70歳代の「貯蓄格差」はどのぐらいか?中央値と平均値を見る

まず、70歳代の貯蓄状況について見ていきましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」から、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額をチェックしていきます。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成

■70歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均値:2209万円
中央値:1000万円

  • 金融資産非保有:18.3%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100万円以上200万円未満:3.8%
  • 200万円以上300万円未満:3.1%
  • 300万円以上400万円未満:4.5%
  • 400万円以上500万円未満:2.0%
  • 500万円以上700万円未満:5.4%
  • 700万円以上1000万円未満:5.6%
  • 1000万円以上1500万円未満:10.3%
  • 1500万円以上2000万円未満:6.0%
  • 2000万円以上3000万円未満:11.9%
  • 3000万円以上:22.1%
  • 無回答:2.6%

平均値を見ると、2000万円以上となっています。ただ、平均値は、一部の極端に大きな数字に引っ張られるため、中央値の方がより実態に近いでしょう。

中央値を見ると、70歳代の貯蓄額は1000万円。 平均値と比べると約1200万円もの差があり、70歳代の貯蓄は大きな格差があることがわかります。

■70歳代「おひとりさま」の貯蓄はいくらか

ここからは、単身世帯の貯蓄も見ていきます。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」を参考に、70歳代・単身世帯の貯蓄額を確認していきましょう。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成

■70歳代・単身世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均:1786万円
中央値:800万円

  • 金融資産非保有:25.1%
  • 100万円未満:5.3%
  • 100〜200万円未満:3.3%
  • 200〜300万円未満:2.7%
  • 300〜400万円未満:2.7%
  • 400〜500万円未満:2.0%
  • 500〜700万円未満:6.2%
  • 700〜1000万円未満:5.3%
  • 1000〜1500万円未満:10.4%
  • 1500〜2000万円未満:7.1%
  • 2000〜3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:20.2%
  • 無回答:1.6%

70歳代で一人暮らしの方の平均貯蓄額は1786万円でした。

2019年に話題になった「老後資金2000万円」は、夫婦で計算したものです。そう考えると、平均的な単身者の貯蓄額は充分あるように見えます。

しかし、二人以上世帯と同様、平均値は一部の富裕層の影響を受けており、より実態に近い中央値は800万円です。

また、単身世帯で気になるのは、金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロの世帯が4分の1程度となっていること。二人以上世帯よりも割合が大きくなっています。

単身世帯の人は特に老後の貯蓄について早めに対策を打っておくべきでしょう。

■70歳代になってから貯蓄で慌てないために!資産運用3つのポイント

長寿時代に備え、年金や退職金だけに頼るのではなく、自分で現役時代から少しずつ老後資金の準備を開始なさるみなさんが増えています。

「老後資金づくり」を考える際に欠かせない視点の一つが、「お金にも働いてもらう」、つまり資産運用を取り入れることであるといえるでしょう。

ここで、資産運用の3つのポイントをご紹介しましょう。

■資産運用のポイント1. 複利の活用

1つ目は「複利」の活用です。利益を手元に残さずに運用に回し、それを繰り返すことで、資産を雪だるま式に増やしていくことができます。

■資産運用のポイント2. 長期の積立投資

2つ目は「長期積立投資」です。一括でお金を運用するのではなく、毎月決まった日などに同じ金額を継続的に積み立てて、運用する方法です。

投資期間は、最大限の利益を得る可能性を高めるために、できるだけ長くするといいでしょう。

また、積み立て投資のメリットとして、投資期間が分散されるため、高値で買うことを避けられることも挙げられます。

■資産運用のポイント3. リスク回避の保障を準備

3つ目は「リスク対策」です。10年、20年といった長い運用期間では、ケガや病気、失業などで運用を続けることが困難な場合があります。

老後資産形成の最大のリスクは、投資期間の途中で投資を諦めてしまうことです。このような事態を避けるために、収入保障や医療保険など、最低限の保障を準備しておくとよいでしょう。

資産運用を考える際には、ぜひこの3点を意識してください。

■資産の内訳に大きな違い?アメリカと日本で比較

ここからは、日本とアメリカで資産の構成にどれだけ違いがあるかを見ていきます。

日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2021年8月20日)から引用した、下記のデータをご覧ください。

■日本の家計金融資産内訳

  • 現金・預金:54.3%
  • 債務証券:1.4%
  • 投資信託:4.3%
  • 株式等:10.0%
  • 保険・年金・定型保証:27.4%

■アメリカの家計金融資産内訳

  • 現金・預金:13.3%
  • 債務証券:4.2%
  • 投資信託:13.2%
  • 株式等:37.8%
  • 保険・年金・定型保証:29.0%

日本は金融資産の半分以上を預貯金が占めていますが、投資先進国アメリカでは10%台にとどまります。

一方、株や投資信託といった投資性商品で約半分となっており、資産配分が日米で逆になっていることがわかります。

さらに、金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)によると、日米の家計金融資産増加率は1998年からの20年間でアメリカが2.7倍、日本が1.4倍となっています。

この増加率のうち、運用リターンによる要因がアメリカは2倍、日本はわずか1.2倍となっています。

これはあくまでも結果であり、運用リターンは状況によって変化するものです。

ただ「資産運用をするか・しないか」の違いが、将来の資産額にどれだけ影響しているかを示すデータと言えるでしょう。

■70歳代の貯蓄を知り対策を

今回は、70歳代の貯蓄について解説してきました。

70歳代の貯蓄には大きな格差があることがわかりました。また、資産を増やす方法の1つとして、「お金に働いてもらう」資産運用もあることがわかりました。

相次ぐ物価上昇や円安など、暮らしやお金にまつわる漠然とした不安はまだまだ続くことが予想されます。

現役世代の人は、今のシニア世代よりもしっかり老後資金の準備を進めておく必要があるでしょう。

とはいえ、資産運用にはリスクが付き物です。まずは、正しい知識や情報をしっかり学ぶことが大切でしょう。

■参考資料

  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/21bunruif001.html )
  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身者世帯調査](令和3年)」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/21bunruit001.html )
  • 日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2021年8月20日)( https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf )
  • 金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)( https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190412/03.pdf )

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