長期金利が4カ月半ぶりの低水準。住宅ローン利用者で「金利変動への対策」を知っている本当の割合とは


金利相場が大きく動いています。

米国のGDP(国内総生産)が2期連続でマイナスとなったことなどを背景に金融市場では円高・ドル安が進行しました。

また、それと併せて長期金利も低下し、2022年7月29日には長期金利(10年物国債利回り)が約4カ月半ぶりの低水準を付けました。

金利の動向は、負債を調達する会社はもちろん、資産運用をしている人や住宅ローンを借りる人など、多くの経済主体に影響を与えます。

そこで今回は、債券の基礎を振り返ったうえで、住宅ローン利用者の金利に対する姿勢についてひもといていきます。

■金利(債券利回り)の基礎

まず、債券とは国や企業が資金を借りるために発行する「有価証券」です。

そして、債券利回りとはその債券を買った時の年率の期待リターンを指します。

ここで注意なのが、「利率と利回りは似て非なる」という点です。

例として、あなたが額面金額100円、満期までの期間1年、利率5%の債券を95円で買ったとしましょう。

この場合、あなたは95円支払い、1年後には元本の100円に加え、元本に利率5%をかけた5円の計105円を受け取ることができます。

そしてこの場合の利回りは、95円に対して10円のリターンなので、10.5%となります。

つまり、利率とは額面にかかるもので、利回りは投資金額にかかる比率ということになります。

債券市場の利回りとは、平たく言えば「債券に投資したらどのくらい儲かるのか」の全体観であり、世界中の投資家の見通しや需要動向によって変化します。

■住宅ローン利用者の「金利に対する見通し」

住宅金融支援機構は2022年6月28日、住宅ローン利用者1500人を対象とした「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」の調査結果を発表しました。

同調査のデータを振り返りながら、住宅ローン利用者の実態をひもといていきます。

※同調査は2022年4月から5月にかけて実施されたものであり、直近の相場変動を受けて実態は変化している可能性がございます。あらかじめご了承下さい。

足元で金利相場が大きく変動する中、住宅ローン利用者はどのような見通しを持っているのでしょうか。

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」(2022年6月)

■金利が今後上昇すると考えている住宅ローン利用者の割合(全体)

  • 2022年4月調査:39.2%
  • 2021年10月調査:23.1%

■金利が今後上昇すると考えている住宅ローン利用者の割合(変動型)

  • 2022年4月調査:37.6%
  • 2021年10月調査:19.6%

■金利が今後上昇すると考えている住宅ローン利用者の割合(固定期間選択型)

  • 2022年4月調査:42.9%
  • 2021年10月調査:31.9%

■金利が今後上昇すると考えている住宅ローン利用者の割合(全期間固定型)

  • 2022年4月調査:45.1%
  • 2021年10月調査:27.3%

こうしてみると、全タイプのローンで、金利が今後上昇すると考えている利用者の割合が増えています。

それではこういった状況下、ローン利用者はどのような対応策を検討しているのでしょうか。

■住宅ローン利用者が考える「金利上昇に伴う返済額増加への対応」

同調査では、金利上昇に伴う返済額増加への対応策についても調査しました。

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」(2022年6月)

これによると、変動型、固定期間選択型の両方で「返済目処や資金余力があるので返済継続」「返済額圧縮、あるいは金利負担軽減のため一部繰上返済」を検討している割合がそれぞれ20%台を占め、多い結果となりました。

一方、金利上昇に対して「見当がつかない、わからない」とする利用者も、変動型、固定期間選択型の両方で2割いる結果となりました。

足元で金利が変動する中、住宅ローン利用者の5人に1人が、具体的な対策も浮かばず困惑しているということでしょうか。

■まとめにかえて

依然として目が離せない金利の動向。

企業や投資家はもちろん、住宅ローンを利用している、または利用を検討している人にとっても、大きな関心ごとかと思います。

今後も注目です。

■参考資料

  • 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」(2022年6月)( https://www.jhf.go.jp/files/400361299.pdf )

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