お金に執着はある?「富裕層の意外な節約ポイント」4選を元金融機関社員が解説
2022年08月16日 09時50分LIMO
- 日本で資産約1億円以上をもつ富裕層はどれくらい? -

Forbes JAPANの「日本長者番付 2022」によると、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長やキーエンスの滝崎武光名誉会長、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長がTOP3にランクインしています。
一方で、44位のDHCの創業者である吉田嘉明氏のように、新たにランクインされた方もいます。
世の中に意外と多くいる「富裕層」と呼ばれる方たち。
「お金持ちは豪快にお金を使う」といったイメージが先行しがちですが、実は富裕層の方には、お金の使い方に意外な節約ポイントがあります。
今回は日本の富裕層の人数を確認しながら、富裕層の方が行っている節約ポイントについてお伝えしていきます。
■日本にいる富裕層はどれくらいか
まずは日本における富裕層の割合から見ていきましょう。
仏コンサルティング会社キャップジェミニが2022年6月14日に発行した「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」によれば、世界のHNWI人口は以下の通り。
※HNWI(High Net Worth Individual)とは「1百万米ドル(約1億円)以上の投資資産を保有」する人たちのこと。

出典:Capgemini「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」
■世界のHNWI(富裕層)人口
- アメリカ:746万人
- 日本:365万2000人
- ドイツ:163万3000人
- 中国:153万5000人
- フランス:77万5000人
長者番付をみると富裕層はめったにいない人という印象を抱きがちですが、日本にはおよそ1億円以上の資産をもつ富裕層が約365万人もいます。
富裕層となった背景はさまざまですが、富裕層の中には冒頭でも触れたように「節約家」の一面をもっている方が多く、非常にメリハリのあるお金の使い方を普段からしています。
言い換えれば、必要だと思ったところにはとことんお金を使うともいえます。
値上げが相次ぐ今、節約の必要性を強く感じる方は多いでしょう。富裕層は節約を節約とは思っておらず、前向きにおこなう方も多いものです
今回は「富裕層の節約しているポイント」に焦点を当てて見ていきましょう。
■富裕層の節約ポイント1.洋服はTPOをわきまえる
「お金持ち=ブランドものを身に纏う」イメージがありますが、普段は機能性を重視した洋服を選ぶ方が多いものです。
そのイメージとは裏腹に、「安くて良いもの」を好んでいる方は意外と多く、パッと見て富裕層とわかりにくい方もいます。
しかしTPOをしっかりとわきまえており、ビジネスで身につけるものにはお金をかけている方が多かったです。
■富裕層の節約ポイント2.アンテナを広くはり、固定費を抑えている
富裕層は光熱費をあまり気にしていないような印象があるかもしれませんが、ここにも強い節約へのこだわりが垣間見えます。
彼らは普段からアンテナを広く貼っており、固定費の見直しも積極的におこないます。
近年では電気やガスなどの自由化に伴い、選択肢が増えています。中には「調べるのが面倒」「手続きが面倒」とされない方もいますが、富裕層は情報を得たらすぐに比較して変更される方が多いように思います。
こういったコストは1カ月単位で見ると大きな差ではないようにみえますが、何年も積み重なると非常に大きな差になるとわかっています。
長期目線で見た場合にコストが節約できる方法を、日頃から探して実践しているのです。
■富裕層の節約ポイント3.数百円でも無駄にしない、お金への執着心がある
富裕層であれば、数百円の差は気にしない印象があるかもしれません。しかし少額でもこだわるのが富裕層です。
たとえばATMでお金を下ろす際にかかる手数料や、振込をする際にかかる振込手数料など、無駄な手数料についても非常に意識をしている方が多いです。
それは一度の金額が小さくても、積み重なれば大きな金額となるのがわかっているからでしょう。
「お金を支払うのはもったいない」と思えば富裕層は一銭もかけず、「自分が納得できるものに大切なお金を使いたい」と考える富裕層が多いもの。
数百円でも無駄にしない、良い意味でお金への執着心があるといえるでしょう。
■富裕層の節約ポイント4.安いという理由だけで買わない
◯%オフやまとめ買いでお得という言葉をみると、つい買ってしまう方もいるでしょう。その場合、買う理由が「安いから」になってしまいますよね。
富裕層は安いからという理由だけでは買い物はしない自制心をもっています。
彼らは「自分は本当にそれを必要としているか」「買うだけの価値があるものか」ということを軸に判断して買い物をします。
本当に必要としているものを買うからこそ買い物の機会自体が減り、長く使用することができるでしょう。
■まとめにかえて
今回は富裕層の方が行っている「節約ポイント」に焦点をあててみましたが、すべてを真似する必要はありません。
人によって物事の優先順位や価値観は違うので、ただ単に真似しようとしても逆にストレスが溜まり、発散のために散財なんてこともありえます。
大切なことは、自分の中でお金を使うポイントと、そうでないポイントにきちんと線引きをしておくということ。
手当たり次第に買い物をしたり、日々の生活コストに気を全く配らなかったりしていると、なかなかお金も上手く貯まらず、いざ使いたい時に思い切り使えないことも考えられます。
一度自分自身の生活を振り返り、そういった線引きをしてみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- Forbes JAPAN「日本長者番付 2022」( https://forbesjapan.com/feat/japanrich/ )
- Capgemini「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」( https://worldwealthreport.com/pdf/Capgemini_WWR_2022_VFinal_Digital.pdf )
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