【日経平均株価】3万円台を視野に、上昇局面へ。米要人の発言には注目


■日経平均株価は終値ベースで、一時2万9000円を回復

2022年8月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比11円81銭安の2万8930円33銭となりました。

日経平均は前週末から急伸し、週半ばの17日水曜日には2万9222円と、終値ベースで2万9000円を回復しました。

終値が2万9000円を上回るのは1月5日以来、7カ月ぶりです。

米ウォルマートなど米国の小売り大手の決算が市場予想を上回ったことから、投資家の間に景気後退懸念が和らいだとの見方が広がりました。

ただし、週末にかけては利益確定の売りなども出て伸びませんでした。

今週の動きはどうなるでしょうか。

2022年8月19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比292ドル30セント安の3万3706ドル74セントで終えています。

日本株も上値の重い展開になることが考えられます。

米国では足元で、インフレがピークアウトしたとの見方が広がり、株高傾向になっていました。

高値圏で利益確定の売りが出たことに加え、米長期金利が一時2.99%と1カ月ぶりの水準に上昇したことで売りに回った投資家も多かったようです。

2022年8月17日に公表された7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、どちらかと言えばハト派的で、利上げの観測が後退しました。

ただし、2022年8月18日には複数の要人が積極的な利上げも辞さないと語ったことから、株式市場も振られる展開になりました。

今後も引き続き、要人の発言などで株価が乱高下する動きが続きそうです。

注目されるのは、2022年8月25~27日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」です。

新型コロナウイルスの感染者数の拡大、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの課題について、各国の中央銀行関係者らが意見を交わすものです。

日本時間の2022年8月26日夜には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されています。

9月のFOMCを控え、利上げやインフレ、景気の見通しなどについて、パウエル氏がどのように語るのかが注目されます。

■日経平均株価は重要な節を上回り、さらに上昇が期待される

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週に、直近の戻り高値である2022年6月9日の高値(2万8389円)および、その前の節である2022年3月25日の高値(2万8338円)をローソク足の実体が超えました。

5カ月近くにわたり、上値を抑えられていた主要な節を突破したわけです。先週はこれを維持できるかどうかが大きなポイントでした。

実際には、週初から窓をあけて上昇すると、そのまま長い陽線となりました。火曜日、水曜日も陽線が続き、2022年8月17日には終値ベースで2万9000円を超えました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。

チャートの形はとてもいいです。中期的な下降トレンドラインを上抜け、上昇トレンドに転じようとしています。

先週の上昇で、25日移動平均線が200日線を下から上に抜けるゴールデンクロスも形成されました。力強い上昇を感じさせます。目線は上に持っていいでしょう。

上値メドとしては、2022年1月15日の高値(2万9388円)、2021年11月16日の高値(2万9960円)あたりになります。

楽しみなのは、このあたりまでは目立った節もなく、視界が広がっていることです。3万円台も視野に入ってきました。

ただ、急ピッチで上昇したことから、若干の調整はあるかもしれません。RSIなどオシレーター系の指標も「買われ過ぎ」を示しています。とは言え、強く上昇している局面では、このような状態が続きます。

目線はあくまでも上に持って、しっかりと付いていきたいところです。
 

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